公開日:2022.07.06 更新日:2023.10.02
空き家の実家を処分する5つの方法!各々の比較、処分できない場合について
空き家の実家を処分する5つの方法!各々の比較、処分できない場合について
空き家になった実家の処分は金銭的にも気持ち的にも難しい問題です。しかし、管理費用面からいつまでも維持できないというのも事実…。何か良い方法はないのでしょうか?
そんな方のために、今回は空き家の実家を処分する5つの方法を紹介します。空き家を手放さずに収益化する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
空き家になった実家を処分する5つの方法
空き家処分には大きく分けて以下の5つの方法があります。
①空き家の建物ごとそのまま売却 空き家に手を加えず、現状のまま売却する。初期費用を安く抑えられる ②空き家を解体し更地にして売却 更地の状態にして売却する。売れやすくなるが、解体費用がかかる ③不動産会社に直接売却 不動産会社に買い取ってもらう。すぐに売却できるが売値は安くなる ④第三者に無償で譲渡 対価をもらわずに譲渡する。収入は得られないが、管理の手間からは解放される ⑤リノベーションし貸し出す 空き家をリノベーションしてキレイな状態で貸し出す。初期費用はかかるが、物件の価値を高められる。継続収入にも繋がる |
これらの方法からどれを選ぶかは、メリット・デメリット、そしてかかる費用を比較するのが分かりやすいです。予算や家庭の状況によっても選択肢は変わってくると思うので、まずはそれぞれの選択肢の特徴を把握することが大切です。
空き家の売却について詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
5つの処分方法の比較!それぞれのメリット・デメリットと費用
ここからは、5つの処分方法について、それぞれメリット・デメリットと費用の特徴を解説します。
①売却:空き家の建物ごとそのまま売却
空き家を解体せずに建物がある状態でそのまま売却する方法です。
築20年以内のそのまま住むことが可能な空き家であれば中古住宅、築20年以上の古い空き家であれば古屋付き土地として売却ができます。
木造の建築物は築20年以上で法定耐用年数を超えるため、資産価値がほぼないに等しいとみなされるためです。
空き家の売却方法については以下の記事で詳しく解説しています
メリット・デメリット
売却の代表的なメリットは、空き家を手放せることと、まとまったお金が手に入ることです。また、買取業者に売却する場合、買い手を募集する手間がかからないのも大きなメリットです。
一方、デメリットとしては、建物の状態や立地によっては売れにくかったり、売却価格が安くなったりする可能性があることです。また、残物撤去が必要な場合が多いのもデメリットとして挙げられます。
費用
解体作業をしないので解体費はかかりませんが、不動産仲介業者に媒介を依頼する場合は、仲介手数料がかかります。また、残物があれば残物撤去費用もかかります。そのほかに、譲渡所得に対して所得税と住民税が課せられる点も忘れてはいけません。
②売却:空き家を解体し更地にして売却
解体して更地にすることで、幅広い用途に対応できるようになるので、土地としての価値が高まり、買い手が見つかりやすくなる可能性があります。さらに、土地利用の自由度が高まり、用途地域によっては一般家屋から商業施設やアパート等の建築も可能となります。
空き家の解体費用については以下の記事で詳しく解説しています
メリット・デメリット
解体して更地にする最大のメリットは、土地としての価値が高まることです。また、潜在的な買い手の範囲も広がります。しかしながら、解体には費用が発生します。
また、解体後の土地の管理費用や固定資産税も考慮する必要があります。長期間更地で管理していると、住宅用地の固定資産税が減額される「固定資産税の減額措置」が解除され、税負担が増える可能性もあります。
費用
空き家の解体費用は物件の大きさや地域、建物の構造によりますが、一般的に数百万円から数千万円が目安とされています。
一般的な解体費用としては、木造であれば3~5万円/坪、鉄骨造であれば5~7万円/坪、鉄筋コンクリート(RC)であれば6~8万円/坪です。アスベスト含有している場合は、1平方メートルあたり10,000~85,000円追加されるのが相場です。
そのため、例えば40坪の一軒家を解体する際にかかる費用は、木造住宅なら120~200万円、鉄骨造なら200~280万円、鉄筋コンクリート(RC)造なら240~320万円程度が相場になります。
そのほかにも、不動産業者への仲介手数料や、売却益に応じた譲渡税が発生します。
③売却:不動産会社に直接売却
不動産会社に直接売却する方法もあります。不動産会社に売却する場合のポイントは、物件の価値を適切に評価してくれる業者を選ぶことです。とはいえ、簡単に判断できるわけではないので、複数の不動産会社から見積もりを取り、なるべく高く買い取ってくれる会社に売却するのがよいでしょう。
不動産業者への空き家売却については以下の記事で詳しく解説しています
メリット・デメリット
不動産業者に直接売却するメリットは、買い手を自分で探す手間が省けること、そして早期に現金化できる可能性があることです。しかし、業者が再販売を考慮して買取価格を設定するため、市場価格より低くなることがデメリットです。
費用
不動産業者に直接売却する場合、譲渡税が発生します。譲渡税は売却価格と取得価格(または評価額)の差額に応じて計算されます。
また、業者によっては手数料や物件の査定費用がかかる場合があります。ただし、大手の業者では一般的に手数料無料で買取りを行っています。
④譲渡:第三者に無償で譲渡
知人や親戚、地域の若者などに無償で譲渡することで、空き家の維持管理の手間や固定資産税を免れることができます。また、新たな住人を呼び込むことができれば、地域の活性化や後継者不足の解消にも繋がる場合があります。
空き家の譲渡については以下の記事で詳しく解説しています
メリット・デメリット
譲渡の大きなメリットは、空き家の維持管理費用や固定資産税から解放されることです。さらに、地域のコミュニティに対する貢献や、空き家問題の一端を解決することにも繋がります。
しかし、その反面、譲渡に伴う手続きが必要となり、また譲渡先を見つけるのに時間と労力が必要です。加えて、将来的に価値が上がる可能性のある物件を無償で手放すというリスクもあります。
費用
無償譲渡でも、不動産登記に必要な登記手数料や印紙代、登記簿謄本代などが必要になります。これらの費用は譲渡者(売主)が負担することが一般的です。また、譲渡税も発生しますが、譲渡価格がゼロであれば譲渡税もゼロとなります。
ただし、売却時と同様に、譲渡に伴う各種手続きのための専門家(司法書士や税理士など)の報酬を考慮する必要があります。
ちなみに、個人が法人に譲渡する場合、譲渡側はみなし譲渡所得税がかかる場合があります。
⑤活用:リノベーションし貸し出す
空き家をリノベーションし、レンタル物件として活用する選択肢です。この手法を用いることで、空き家を現代のライフスタイルに適した賃貸物件に生まれ変わらせ、安定した収入源にすることが可能です。
メリット・デメリット
リノベーションのメリットは、物件の価値を向上させ、継続的な賃料収入を得られる可能性があることです。また、適切なリノベーションにより、物件が魅力的になり、空室率を低く抑えられる点もポイントです。
一方のデメリットは、多額の初期投資が必要な点です。また、リノベーション後の物件の管理や賃貸人の募集などには手間と時間がかかることも覚えておきたいポイントです。さらに、賃貸物件として運用する場合、賃貸人とのトラブルや空室期間のリスクも存在します。
費用
リノベーション費用は物件の大きさ、リノベーションの規模、選ぶ素材や設備によって大きく変動しますが、安くても100万円以上かかることが想定されます。また、リノベーション後でも物件管理費や修繕費といった定期的な費用は発生します。リノベーション工事をして終わりではなく、その後もキレイな状態で保ち続けることが賃料収入の安定には必要です。
自己負担0円で空き家活用ができる「アキサポ」とは?
空き家活用サービスの代表的なサービスが、弊社が手掛けている「アキサポ」です。
アキサポでは、所有者様から借り受けた空き家を、所有者様の自己負担0円※でリノベーションして貸し出すサービスを行っており、物件の周辺環境や立地条件などの現地調査を行った上で踏まえた最適な活用プランをご提案させて頂きます。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
また、マッチングが成立した場合、月々の賃料の一部を所有者様に還元しますので、所有者様は元手0円から継続収入を作ることができます。
空き家で悩んだらとりあえずアキサポにご相談を。空き家活用の第一人者として最適なプランをご提案します。
空き家の実家を処分する際の流れ・確認事項
空き家の実家を処分するにあたっては、以下のステップに沿って進めることが一般的です。注意点や必要な手続きを確認しながら進めましょう。
1.遺言書の有無を確認 2.相続人と遺産分割協議 3.実家の名義変更 4.家財処分・片付けなどの準備 5.査定依頼 |
1)遺言書の有無を確認
まずは、亡くなった方が遺言書を残していないか確認します。遺言書がある場合、その内容に従って遺産分割を行う必要があります。遺言書が公正証書であれば、公証役場にて手続きを行います。また、自筆遺言書の場合は家庭裁判所で検認手続きを行うことが必要です。
2)相続人と遺産分割協議
遺言書が無い場合、または遺言書があっても全ての遺産についての明確な指定がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行います。この際、不動産の評価額や各相続人の希望、税金の問題などを考慮に入れる必要があります。なお、この協議は遺産分割協議書として文書に残すことが推奨されます。
3)実家の名義変更
遺産分割協議が終わったら、実家の名義を亡くなった方から相続人に変更する手続きを行います。この手続きは、不動産登記を行うため司法書士の協力が必要となります。また、名義変更には相続税の申告が完了している必要があります。
4)家財処分・片付けなどの準備
実家の名義変更が終わったら、実家の中の家財を処分し、片付けを行います。不用品の処分や大掃除、修繕など、物件を売却する準備を整えましょう。必要に応じて、専門の業者に依頼することも可能です。家財処分や片付けとセットで不用品買取を行っている業者もあります。
5)査定依頼
家財の処分や片付けが終わったら、不動産会社に物件の査定を依頼します。複数の会社に依頼して比較検討することで、より適切な価格を知ることができます。査定結果が出たら、それをもとに売却価格を決定します。これらの一連の流れを適切に行うことで、スムーズに実家の処分が可能となります。
空き家を活用せず放置する7つのリスク
空き家を放置することのリスクには大きく分けて以下の3種類あります。
1.経済的リスク 2.物理的リスク 3.犯罪的リスク |
それぞれについて詳しく解説します。
経済的リスク
経済的リスクには以下の3つがあります。
①資産価値が下がる ②維持管理費用の支払い ③空家対策特別措置法による固定資産税が高くなる懸念 |
①資産価値が下がる
空き家を放置すると、しっかりと管理している空き家に比べて劣化が激しいです。
そのため、経年劣化でも価値が下がるのに放置をすることによってより劣化が進み、資産価値が下がります。
②維持管理費用の支払い
空き家を放置して、処分したり譲渡したりしなければずっと維持管理をしなければなりません。そうすると、支払いをし続けなければなりません。
③空家対策特別措置法による固定資産税が高くなる懸念
空き家を放置し続けると、空き家対策特別措置法による特定空き家に指定されるリスクがあります。
特定空き家に指定されると固定資産税の優遇措置が適用外になり、固定資産税の支払い負担が大きくなります。
物理的リスク
物理的リスクには以下の2つがあります。
④災害・建物倒壊 ⑤放火・火災 |
④災害・建物倒壊
物理的なリスクには災害などの影響で建物が倒壊してしまうリスクがあります。
空き家を放置することにより建物の手入れがされず、気づけば害虫に蝕まれ、表からは見えなくてもとても脆くなっていることがあります。
⑤放火・火災
空き家を放置していると汚れがたまって火災が起きやすくなるリスクが考えられます。
令和2年版消防白書によると、令和元年中に発生した放火を原因とする火災は2,757件で放火の疑いは1,810件といわれています。
犯罪的リスク
犯罪的リスクには以下の2つがあります。
⑥不法侵入 ⑦不法投棄 |
⑥不法侵入
空き家を放置して人気がなくなると不法侵入をして住みつく人が出てくる可能性があります。それだけでなく犯罪の温床になる可能性も高いです。
⑦不法投棄
空き家を放置していると人がいないのでいらなくなった小型・大型のゴミを捨てられる可能性があります。特に管理をしておらず、雑草駆除などもしていなければ不法投棄をしても目立ちにくいためです。
相続した実家が売却できない!そんな方は活用の検討を!
実家を売却しようとしたものの、買い手がつかない。もしくは、やはり大切な実家を維持しておきたくなった。実家の処分にはそのような悩みが付きものです。そんなときは、空き家活用を具体的に検討してみましょう。アキサポを使えば、元手0円から空き家活用に取り組めます。
そこでここでは、アキサポを利用して空き家活用をする手順と、リノベーションの実例を紹介します。
アキサポの空き家活用までの流れ
アキサポでの空き家活用までの流れは、以下のとおりです。
1.お問い合わせ 2.ヒアリング 3.現地調査・周辺調査 4.ご提案 5.各種ご契約 |
まずは空き家活用について気になる!とお問い合わせをいただきます。
次に豊富な知識を持つ空き家の専門スタッフがヒアリングします。所有者様のご希望の条件に応じて、幅広くアレンジができるのもポイント。「派手な外観にはしないでほしい」「飲食店は避けてほしい」「しばらく使う予定がないため、できるだけ長く貸したい」など、ご希望をお聞きします。
その次に空き家の現地・周辺調査などを行います。
調査に基づいて、空き家をどのようにリノベーションして貸し出すかの提案をします。
そのあとに契約をしていく流れになります。
アキサポとは「定期借家契約」を結びます。定期借家契約は一般的な契約である普通借家契約と異なり、契約の更新はできません。もし、利用者様が契約満了後も借り続けたいとの意思がある場合は、双方で協議の上再締結が必要になります。
実家をリノベーションし活用した事例
ここで、実際にアキサポがリノベーションした活用事例を3つ紹介します。今回は、アパートと住宅をピックアップしました。いずれも少しの手間で活用に成功した事例なので、参考にしやすいと思います。
事例1:母から受け継いだアパートは面影を残して新たな賃貸住宅へ
建築年月 | 1972年4月 |
延床面積 | 39.74㎡ |
構造 | 木造2階建 |
活用事例 | 賃貸アパート |
お風呂の付いていない築50年以上のアパートのリノベーション例です。ユニットバスを設置するために間取りを変更し、内装は新築さながらのキレイな仕上がりに。一方で外装は思い入れのあるイメージを大切にするために塗装のみ行いました。
その変わりようにオーナー様からは「こんなに綺麗にしていただいて、母も喜びます」と嬉しいお声をいただきました。
事例の詳細はこちら
事例2:設備周りを一新し使い勝手の良い賃貸住宅へ
建築年月 | 1975年3月 |
延床面積 | 115.33㎡ |
構造 | 木造2階建 |
活用事例 | 戸建て住宅 |
築47年の空き家をリノベーションした事例です。劣化した内装や設備を改修し、繁茂した草木の解消や破損したカーポートの撤去などを行い、使い勝手の良い賃貸住宅に生まれ変わりました。
事例の詳細はこちら
事例3:ポイントを抑えたリノベーションを施し新たなご家族へ
建築年月 | 1983年6月 |
延床面積 | 約127.54㎡ |
構造 | 木造瓦葺平屋建 |
活用事例 | 戸建て住宅 |
相続した実家を活用したいという想いから、新たな借り手が見つかるようにリフォームした例です。この物件はすでに内装の表層リフォームが完了していたため、アキサポでは水回りの改修や一部倉庫の補修を実施。結果、リノベーション後すぐに新しい借り手が見つかりました。
空き家処分時に活用できる補助金制度について
空き家の処分をするときに活用できる補助金は、解体費用の補助や撤去処分費用が挙げられます。
市区町村によって独自に空き家解体の補助金を用意している場合が多く、各市区町村で制度が異なるため、各市区町村の役所に確認しましょう。
「空き家解体補助金」 「空き家解体助成金」 「空き家解体費助成制度」 「老朽危険家屋解体撤去補助金」 |
など、空き家の解体にかかる補助金の呼び名は自治体によって異なります。
補助金の例としては、例えば東京都豊島区では災害危険度の高い木造密集地域を不燃化特区として定めているため、その区域内で老朽化した建物を除却する場合、上限1,000万円までを補助する「老朽建築物除却助成」の制度などがあります。
なお、多くの場合、補助金を支給してくれるのは、空き家が所在する市区町村です。自分が住んでいる市区町村ではないため注意しましょう。
まとめ
空き家を処分するには5つ方法があります。
・【売却】空き家の建物ごとそのまま売却 ・【売却】空き家を解体し更地にして売却 ・【売却】不動産業者に直接売却 ・【譲渡】第三者に無償で譲渡 ・【活用】リノベーションし貸し出す |
上記の5つの方法の中でも特に空き家を活用する方法が、毎月家賃収入があることに加え資産価値の向上も見込めるためおすすめです。
活用を検討する際はぜひアキサポへお気軽にお問い合わせください。