公開日:2021.05.21 更新日:2023.10.02
空き家管理のお悩みはこれで解決!代行サービス・無料で管理する方法などを分かりやすく解説
空き家をお持ちの方の中には、「管理の仕方が分からない」「管理に手間やお金がかかる」といった「空き家の管理」に関する悩みを抱える方も多いでしょう。
ですが、適切に管理されていない空き家は、特定空家へ指定されたことによる行政命令・執行、犯罪リスク、倒壊リスクなど、さまざまなリスクを高める要因になります
そこで今回は、「空き家×管理」に注目して、空き家を放置するリスク、気になるお金の話、空き家代行サービスの仕組みや費用相場、無料で空き家を管理する方法などを詳しく解説します。
目次
空き家対策法に注意!税金が最大6倍に跳ね上がることも
2015年5月に全面施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下「空き家対策法」)」の影響を受け、適切に空き家を管理する必要性は今まで以上に高くなりました。
ここではまず、空き家対策法の概要に触れながら、空き家を放置するリスクやデメリットについて解説します。
空き家対策法とは
日本における空き家率は、調査を開始した1958年以降、60年以上に渡って右肩上がりの状態が続いており、2018年には過去最高の空き家率13.6%(848万9千戸)を記録。
さらに、野村総合研究所の試算(2016年)では、2033年に空き家率30.4%・空き家数2167万戸弱にまで上昇するとのデータもあり、3件に1件近くが空き家になってしまう可能性を示しています。
こうした状況を受けて、政府が空き家の増加に本格的な歯止めをかける目的で2015年5月に全面施行されたのが「空き家対策法」です。
空き家対策法では、周辺環境に悪影響を及ぼす可能性のある空き家、倒壊等著しく保安上危険となるおそれがある空き家などに対し、行政が勧告・命令・強制執行などを行える項目が盛り込まれており、「特定空家」に指定された空き家はこれらの対象となります。
【特定空家の条件】
・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
つまり、適切に管理されていないと見なされる空き家が特定空家の条件であり、指定された場合は、所有者に対して「建物の解体や修繕」「立木竹の伐採」といった助言・指導が実施されます。
空き家対策法・特定空家の影響
空き家対策法の執行対象となる「特定空家」に指定された場合、所有者が被るデメリットは前述した行政主導の勧告・命令・強制執行だけではありません。
特に大きなデメリットは、固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍にまで跳ね上がってしまう点です。
通常、「人が居住するための家屋の敷地として利用されている土地(空き家含む)」には、所有者の負担を軽減させる目的で「住宅用地の軽減措置特例」が適用されますが、特定空家に指定されると、この特例措置の対象外となってしまうのです。
固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|
敷地面積200㎡まで | 1/6に減額 | 1/3に減額 |
敷地面積200㎡以上 | 1/3に減額 | 2/3に減額 |
特定空き家に指定された場合 | 減額無し | 減額無し |
そもそも建物というものは放置している限り、至るところがどんどん傷んでいくもの。
劣化が激しくなれば当然、「売却」「賃貸」といった有効活用も難しくなってしまいます。
さらにプラスアルファで特定空家に指定されるようなことになれば、活用どころか金銭的なデメリットまで被ってしまうわけですから、空き家を適切に管理するのがいかに大切であるかが分かるでしょう。
税金以外にも空き家を放置するリスクは多い
空き家を放置するリスクとして、空き家対策法に起因した税金アップなどのリスクを先に紹介しましたが、実はそれ以外にも以下のようなリスクが存在しています。
・犯罪リスク
・倒壊リスク
・環境悪化リスク
・物件の価値下落リスク
それぞれのリスクについて順に解説していきましょう。
①犯罪リスク
犯罪リスクとは、簡単に言えば「放置された空き家を利用した犯罪に巻き込まれるリスク」です。
放置された空き家は不法侵入のハードルが格段に下がるだけでなく、建物によって周囲からの視線を遮ることができる点を悪用し、さまざまな犯罪に利用されます。
【空き家関連の代表的な犯罪】
・放火
・不法占拠(人が住み着いてしまうなど)
・敷地内の物品の無断使用
・盗難
・改造した空き家を用いた薬物製造や薬物栽培
・不法投棄
ざっと挙げただけでもこれだけ多種多様な犯罪が空き家で起こっており、実際に所有物件が何らかの犯罪に巻き込まれた場合、金銭的な被害だけでなく「事件があったらしい…」というウワサが広がり、「いわくつき物件」となってしまうデメリットもあります。
②倒壊リスク
建物は年月の経過とともに劣化していくものですが、適切に管理せず放置し続けた建物の劣化スピードは、適切に管理されている物件の比ではありません。
換気や清掃の行われていない空き家は1年も経たずに住めない状態になると言われており、さらに劣化が進めば、屋根や外壁が落ちる、建物が倒壊する、といった大きなトラブルに発展する可能性が高まってしまいます。
ちなみに建物の倒壊や庭木の倒木によって損害が起こった場合、「民法第717条:土地の工作物等の占有者及び所有者の責任」に基づき、損害賠償義務を負う義務(工作物責任)が発生する可能性があるため、日ごろからの適切な管理が何よりも大切です。
③環境悪化リスク
放置された空き家では建物の劣化だけでなく、庭の草木などが荒れ放題となり、環境悪化のリスクを高めてしまいます。
・隣家や接道にまで草木が越境し、迷惑をかける
・草木が生い茂っていると、害虫・害獣の温床となりやすい
このように建物の周辺を手入れせずに放っておくと、環境悪化により、周辺地域に悪影響を及ぼすリスクが高くなってしまうのです。
④物件の価値下落リスク
空き家を放置しておくと、物件の価値自体が下がってしまうリスクを高めます。
【価値が下がる代表的な例】
・畳の腐食
・換気不良などによるカビの異常繁殖
・外壁のひび割れや欠け
・コーキングの劣化による雨の侵入
・ドアや窓の歪み
・シロアリによる基礎部分の劣化
・害獣(ネズミなど)による建物の劣化
これらの例は定期的に清掃・換気などを行っていれば防止できたり、傷口が浅いうちに対処したりすることも可能なため、不動産としての価値を維持するためにも適切な空き家の管理は欠かせません。
空き家管理代行サービスとは?気になる費用相場も
ここまで解説してきたとおり、空き家を放置した際のリスクは多種多様であり、ことが起こった際に所有者が被るダメージは計り知れません。
ですが近年、所有者の「手間をかけずに空き家を管理したい」というニーズに応えつつ、空き家のさまざまなリスクを回避するためのサービスとして、「空き家管理代行サービス」と呼ばれるものが人気を集めています。
ここからは、空き家管理代行サービスの仕組みや費用相場について、詳しく解説していきましょう。
空き家管理代行サービスの仕組み
空き家管理代行サービスとは、読んで字のごとく、「持ち主の代わりに、空き家の管理を代行するサービス」です。
適切な空き家の管理ノウハウがない、遠方のため定期的に空き家に足を運ぶのが難しい、管理するだけの時間と体力がない。
こうした空き家所有者の声に応えるサービスとして、空き家を定期的に巡回しながら、換気、通水、清掃などの対応を行う空き家管理代行サービスが登場しました。
ただし「空き家の管理代行サービス」を提供するには特別な資格は必要なく、ハウスメーカー系・不動産仲介売買系・セキュリティー系など、さまざまな業種の会社が参入しており、サービスの内容・質は千差万別です。
空き家管理代行サービスの費用相場
以下はさまざまな空き家管理代行サービスの費用とサービス内容をまとめた一覧表です。
提供企業によって金額には差がありますが、概ね月額1万円以内で収まるケースがほとんどとなっており、空き家管理代行サービス全体の相場で見ても、ほとんどのサービスが1万円以内に収まります。
ちなみに、サービスによっては安いところで月額100円、高いところで月額1万円台後半というものもありました。
ただし、目的はあくまで「空き家を適切に管理すること」ですから、費用だけで判断するのではなく、具体的な代行内容・サービスの詳細などを踏まえて選択することが大切です。
無料で空き家を管理する方法
・無料で管理する一番の方法は、自分で管理すること
・自分で管理する際の具体的な方法をまとめる(換気、水漏れ確認、建物・設備の破損確認、清掃、庭木・雑草の処理など)
・自分で管理する際の注意点(定期的な管理が必要、交通費や雑費などの費用はかかる、物件管理に関する知識は必要、など)
先に「空き家管理代行サービス」について紹介しましたが、やはり「お金はなるべくかけたくない…」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
では空き家を無料で管理する方法はあるのでしょうか?
もちろん、あります。
単純に、自分で管理すれば代行料を支払うこともなく、無料で空き家の管理が可能です。
そこでここからは、空き家を自分で管理する際の具体的な方法や注意点を解説していきましょう。
自分で空き家を管理する際の具体的な方法
空き家を自分で管理する際のポイントと具体的な内容をまとめました。
チェックポイント | 具体的な確認方法・内容 |
---|---|
換気(通風) | ・全ての窓や扉を空ける ・可能であれば換気扇を回す ・タンスや押入れの換気も行う |
水漏れ・漏電 | ・水道を数分間開栓して水漏れを確認 ・水道や電気メーターを確認 ・メーターが異常に上がっている場合は、水漏れや漏電の有無を確認 |
清掃 | ・ほうきや雑巾などの清掃用具を使って、室内を清掃 |
建物内部の確認 | ・壁や天井に劣化や破損がないか確認 ・目視だけでなく、実際に触って確認 ・床の劣化や雨漏りの痕跡などを確認 |
庭・敷地内の確認 | ・敷地内のゴミ拾い ・雑草や庭木のメンテナンス※伸びすぎた庭木はトラブルの発生源となるため、特に注意 |
郵便物の確認 | ・溜まっている郵便物の整理 |
建物外部や設備の確認 | ・外壁や塀を目視&触って確認 ・修理の必要があれば、早急に手配 |
これらのチェックポイントを参考にしながら、必要な道具をあらかじめ準備しておきましょう。
また、空き家自体の管理と併せて、周辺住民への声掛けやあいさつは積極的に行っておくことをおすすめします。
周辺住民と良好な関係性を築いておけば、自身がいない間の物件状況や周辺環境の変化を教えてくれたり、不審者の出入りに気を配ってくれたりなど、自然な形で監視の役割を担ってもらいやすくなるからです。
また、空き家を売却・賃貸など、活用する際にも周辺住民の方の影響はやはり大きいため、日ごろから意識的に関係性作りを行っておくのが賢明でしょう。
自分で空き家を管理する際の注意点
自分で空き家を管理する際の主な注意点は以下の3つです。
・定期的な管理が必要
・ある程度の費用がかかることも
・物件管理に関する知識が必要
まず、大前提として空き家は定期的に管理・メンテナンスを施してこそ良好な状態を保ちやすくなるため、「月に1回」などの形で定期的な管理を行う必要があります。
いくら自分で管理していても「年に1回」など、足を運ぶ頻度が少なすぎれば、当然空き家の劣化やリスク管理は難しくなってしまうでしょう。
また、自分で管理する場合は管理代行サービスに対する費用はかからないため無料と言えますが、まったくお金がかからないとは限りません。
空き家に足を運ぶ際の交通費、管理・メンテナンス時の清掃用具や備品代などの費用がかかることがあるからです。
その他にも、水道・光熱費、町内会費など、そもそも物件を所有している時点でかかる費用もありますので、事前に整理しておくと良いでしょう。
そして最後のひとつ、「物件管理に関する知識が必要」という注意点ですが、放置された空き家がもたらすリスクを軽減するには、「適切な知識に基づく、効果的な管理」を定期的に行うことが何より大切です。
物件管理に関する知識や経験の有無は、管理の質や効率の良し悪しを大きく左右するため、事前の情報収集はもちろん、不安な場合は管理の一部を代行してもらうなど、自分なりのベストなやり方を工夫してプランニングするのもひとつの手でしょう。
管理の手間を抑える「空き家活用」という選択肢
空き家の管理について知れば知るほど、「空き家を放置するのは危険すぎる…」「でも管理って色々と面倒…」などと感じる方も多いでしょう。
そんな空き家の管理にお悩みの方には、空き家の管理と資産の有効活用を同時に進められる「空き家活用」がおすすめです。
空き家活用は一石三鳥
今回紹介する空き家活用とは、「所有する物件を賃貸する」活用方法のことです。
どんな物件であれ、空き家のままでは何の収入も生み出しません。
ですが賃貸物件として第三者に貸し出せば、家賃収入を毎月得られるため、資産の有効活用が可能です。
さらに、今回の記事で紹介した空き家が抱える多種多様なリスクのほとんどは、日常的に物件に人がいれば解決できます。
賃貸物件として第三者が入居する物件であれば、異常を発見しやすいだけでなく、入居者による定期的なメンテナンスが行われるため、所有者の管理の負担まで軽減されるのです。
つまり、空き家活用は「空き家が抱えるリスクを軽減し、管理の手間を抑え、資産を有効活用できる」まさに一石三鳥の選択肢だと言えるでしょう。
私たちアキサポでは、空き家の管理の難しさや所有者の方の声などを参考にしながら、以下のような独自の仕組みをご用意しました。
【アキサポの特徴】
・始めに、物件の周辺環境や立地条件など現地調査を実施
・調査に基づき現状分析を行い、リノベーション・活用プランを提案
・全額費用負担でリノベーション工事を実施
・賃借人・利用者の募集まで行う
・空室や滞納が発生しても安心の定額保証付き
空き家活用の際にネックとなる「高額なリノベーション費用の負担」についても、アキサポなら「全額費用負担でリノベーション工事を実施」できますので安心です。
空き家の管理を手軽にしたい。できれば空き家を有効活用したい。費用面の問題でリノベーションが難しい。
などなど、空き家でお困りの方はぜひ一度、アキサポまでお気軽にご相談ください。
空き家の管理まとめ
空き家対策法の影響もあり、空き家を管理する重要性は以前にも増して高いものとなっています。
放置された空き家はさまざまなリスクを生み出すため、最近では空き家の管理代行サービスを利用する人も増えていますが、費用面を考えれば、自分で管理するのがやはりお得でしょう。
とはいえ、空き家の管理には正しい知識が必要なだけでなく、時間・手間・体力が必要ですから、一筋縄にはいきません。
ならばいっそのこと、管理の手間を抑えながら資産を有効活用できる空き家活用を考えてみてはいかがでしょうか?
アキサポでは、お客様のお悩みや要望をお聞きしながら、一軒一軒にマッチした活用のご提案を行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。