公開日:2025.02.10 更新日:2025.02.10
不動産買取の注意点は?よくあるトラブルと回避方法をわかりやすく解説

不動産買取は、中古住宅などをすぐに売るための方法として、人気があります。不動産買取の場合、買主は不動産会社となるため、迅速かつ確実に売れるケースが多く、魅力を感じる方もいるでしょう。
一方で、不動産買取には注意しなければならない点もあります。
そこで今回は、不動産買取に関する注意点やよくあるトラブルのほか、それらの回避法について解説します。
目次
不動産買取に関する注意点
不動産の買取を利用する際には、いくつか注意すべきことがあります。ここでは、不動産会社に物件を買い取ってもらうときに、知っておくべき注意点を見ていきましょう。
不動産買取の価格は仲介よりも安くなる可能性がある
不動産買取の価格は、仲介による売却と比べて安くなる傾向があります。買取の場合、不動産会社は買い取った不動産の再販によって利益を得ます。そのため、売却益のほかに、買い取った家屋を解体したり、リフォームやリノベーションしたりする費用も考慮して、買取価格が決まるためです。
「即時買取」と「買取保証」について理解する
不動産の買取には、「即時買取」と「買取保証」の2つの方法があります。
即時買取とは、その名のとおり、不動産会社に不動産物件を即時に買い取ってもらう方法のことです。買取完了までの期間は最短3日~1週間程度と短く、買主が不動産会社と決まっているため、内覧や販売活動が不要といったメリットもあります。一方で、前述のように、比較的安い価格で手放す可能性が高くなります。
対して買取保証とは、仲介と買取を組み合わせて、物件を売却する方法のことです。不動産会社に仲介を依頼して買主を探し、3~6ヵ月程度の一定期間売れなかった場合は、不動産会社と事前に合意した価格で買い取ります。メリットは、仲介期間中に市場価格で売却できる可能性があることです。少しでも高く売りたいけれど、売り切らなくてはならない期限が決まっている方に適しています。
不動産会社によって引き渡しの条件が異なる
物件の売却後は、不動産会社によって物件を引き渡す際の条件が異なります。中でも注意しなければならないのが、家財道具を事前に処分するかどうかです。
家財道具を処分してから引き渡す場合は、自治体のルールに従って粗大ゴミなどを処分する必要があります。専門業者に処分を依頼する場合は、一戸建てで12万~50万円程度かかる場合もあります。
また、家財道具を置いていく場合も、処分費用は売主負担となるのが一般的です。ただし、契約内容によっては買主である不動産会社が負担してくれる場合もあり、この点についても事前に確認する必要があるでしょう。
税金や手数料が発生する場合もある
不動産の売買により利益が発生した場合は、所得税、復興特別所得税、住民税を合算した、譲渡所得税が課税されます。税率は不動産の保有期間や用途によって異なります。
また、マイホーム(居住用財産)を売却した場合は、3,000万円の特別控除が適用できるケースもあり、これを利用できれば支払いは発生しません。特例の主な条件は下記のとおりです。
<3,000万円特別控除が適用できる主な条件>
・現在住んでいる家屋であること
・住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
・過去3年間に3,000万円特別控除を適用していないこと
・売主と買主が特別な関係(親族など)でないこと
住宅ローンの残債を完済する必要がある
物件を売却する際は、基本的に住宅ローンを完済する必要があります。これは、住宅ローンを組んだ不動産の抵当権を抹消するためです。抵当権とは、借り手が債務を履行できない場合に、金融機関などの融資先が不動産を担保として優先的に債権を回収できる権利です。
住宅ローンの残債を一括返済するには、不動産を売却した利益をあてることが多いでしょう。売却代金だけでは不足する場合、自己資金で補填するか、住み替えローンを組むなどの方法があります。
不動産買取時には必要書類が多数ある
不動産買取を利用して物件を売却する際には、多くの書類が必要となります。主な必要書類は、下記のとおりです。
■不動産買取で必要な主な書類
書類 | 概要 |
---|---|
登記済権利証(権利証)・登記識別情報 | 不動産の所有者であることを証明する最も重要な 書類で、登記完了時に法務局から交付される |
固定資産税納付通知書 | 固定資産税の確認や買主の税金負担を算出する際 に必要で、毎年1月1日時点の所有者に郵送され る。 |
購入時の売買契約書 | 物件の取得経緯や条件を確認するための書類 |
購入時の重要事項説明書 | 物件の詳細情報や注意事項を記載した書類 |
物件の間取り図・設備の仕様書 | 物件の構造や設備の詳細を示す資料 |
買取不可の場合がある
物件の状況によっては、再販が期待できず、不動産会社から買取を断られるケースがあります。
例えば、立地条件が悪い物件です。最寄り駅からの距離が極端に遠い、周辺に病院やスーパーといった生活に必要な施設がない場合などは、立地条件が悪い物件といえます。また、雨漏りやシロアリの被害が進行していたり老朽化が激しかったりするなど、建物の状態が著しく悪い場合も買取不可の可能性があります。
さらに、再建築不可物件に該当する場合、将来的な活用が制限されるため、買取が困難になる可能性も高いでしょう。再建築不可物件とは、建築基準法上の道路と接していない物件など、建物を解体した後に新たな建物を建てることができない土地のことです。
不動産買取におけるよくあるトラブル

不動産買取をスムーズに進めるためには、想定されるトラブルについても事前に把握する必要があります。ここでは、不動産買取でよくあるトラブルの例を紹介します。
適正価格を大きく下回る金額で買取となった
不動産買取におけるよくあるトラブルの1つは、市場の相場から見て、適正価格を大きく下回る金額で買取に応じてしまうケースです。1社のみに査定を依頼して売却を決めた場合や、価格交渉をしなかった場合にこうした問題が起きやすくなります。
事前に把握していなかった追加費用を請求された
不動産買取のトラブルには、契約後や引き渡し後に、事前に伝えられていなかった費用を請求されるケースもあります。本来、不動産買取では不動産会社に支払う仲介手数料は発生しません。しかし、中には自社ではなく他社に買い取らせるサービスを買取と称している不動産会社も存在し、思わぬ形で仲介手数料を請求されることもあります。
また、修繕費や不用品の処分費用などを後から請求されるトラブルもあります。
契約後に価格を下げられた
価格に合意し契約を交わした後、引き渡し時に市況の変化や家の損傷などの理由をつけて、買取価格を下げられるといったトラブルもあります。例えば、契約から引き渡しまでの間に不動産市場が急激に冷え込んだ場合、買取業者が「近隣の物件価格が下落したため、当初の価格では買い取れない」として減額を要求するケースです。また、契約後に物件の詳細な調査をした結果、物件の損傷や設備の不具合が見つかったとして、減額を迫るケースもあります。
不動産買取時のトラブルを回避する方法
不動産買取時のトラブルを防ぐには、どのような自衛策を講じるべきなのでしょうか。トラブル回避のために役立つポイントを2点紹介します。
事前に買取相場を調べておく
不動産買取を依頼する際は、不動産会社に任せきりにするのではなく、自身でも相場を調べることが大切です。
例えば、国土交通省が運用している「不動産情報ライブラリ」は、不動産の取引価格や地価公示等の価格情報、防災情報、都市計画情報など、不動産に関するさまざまな情報を無料で閲覧できます。
なお、査定は少なくとも3社以上の不動産会社に依頼し、提示された価格を比較するといいでしょう。価格交渉をするためにも、できるだけ自分自身で正確な相場を知っておくことが重要です。
※参考:不動産情報ライブラリ|国土交通省
不動産会社とのやりとりは文字で残しておく
トラブルを回避するためには、買取金額、引き渡しの時期、違約金、手数料、追加でかかる費用などの重要事項について、文字として残す必要があります。口頭でのやりとりが多くなると、後から確認ができず、不明確なことが増えてしまうためです。重要なやりとりは、メールで行うことを心掛けるといいでしょう。
不動産買取に適したタイミングとは?
不動産を高値で売却するには、買取に適したタイミングを逃さないという点にも留意しなければなりません。ここでは、築年数と季節の観点から、不動産買取に適したタイミングについて解説します。
築年数
中古住宅はできるだけ築年数が浅いうちに売却を検討するのが得策です。遅くとも築20年まで売りに出すのが、適したタイミングといえるでしょう。
建物は築年数が経過するほど、価値は減少するのが一般的で、築20年までが高い価格で売れやすいタイミングといわれています。例えば、築10年の中古一戸建ての建物価値は、新築物件に比べて半分程度になる場合が多くあります。特に木造戸建ては、法定耐用年数の22年を超えると査定金額が著しく下降するため、注意してください。
季節
1年の中で最も家が売れやすいタイミングは、一般的に不動産売却市場の繁忙期である1~3月といわれます。転勤や子供の進学など、新生活が始まる4月に向けて、引っ越しをする方が多くなるためです。1月頃から購入希望者が増え、2月から3月にかけては不動産の成約件数が増加します。
また、9月から11月にかけては、不動産取引が活発になる第二の繁忙期とされています。
不動産買取は「アキサポ」もおすすめ!
不動産買取には、迅速な売却や手続きの簡便さといったメリットがある一方、適正価格を下回る買取や予期せぬ追加費用の発生など、注意すべき点も多くあります。不動産買取を検討する際は、よくあるトラブルについて把握し、回避策も講じましょう。
また、不動産買取に悩んでいる場合は、株式会社ジェクトワンが運営する「アキサポ」の利用もおすすめです。アキサポでは、立地条件が悪い物件、管理ができておらず老朽化した物件など、不動産会社に買取を断られた物件でも買取が可能な場合があります。まずはお気軽にお電話やお問い合わせフォームからご連絡ください。