公開日:2025.02.10 更新日:2025.02.10
空き家が売れない4つの理由!所有リスクと売却できないときの対処法

「空き家を売りたいと考えているのになかなか買い手がつかない」「すぐには売れそうもない」といった悩みを抱えている方は少なくありません。空き家が売れないときには必ず理由があります。立地条件や建物の老朽化のほか、再建築不可の問題など、さまざまな要因が影響しているでしょう。
そこで今回は、空き家が売れない理由や所有しているリスクと併せて、売却を促進するための具体的な対処法を紹介します。
空き家が売れない理由
空き家が売れない場合、どのような理由があるのでしょうか。空き家が売れない、主な理由を見ていきましょう。
立地条件が悪い
空き家売却に大きな影響を与えるのが、立地条件です。国土交通省の調査によると、中古住宅を購入した世帯における住宅の選択理由として、46.9%の方が「住宅の立地環境が良かったから」と回答しています。
立地条件が悪いとされるポイントには、駅から遠いといった交通アクセスの悪さ、スーパーや病院、学校が少ないといった生活利便施設の不足のほか、騒音や災害リスクといった周辺環境の問題などがあります。
建物の老朽化が進んでいる
建物の老朽化も、空き家が売れない大きな理由の1つです。購入希望者は、費用をかけず、すぐに住めるマイホームを探している方がほとんどです。木造で築30年など、築年数を経て老朽化が進んだ空き家は、そのまま住むことが難しいため、なかなか買い手がつきません。
雨漏りする、床が抜けている、柱や梁が腐食している、配管が劣化しているといった場合、売主側で修繕やリフォームをして、購入者の負担を軽減する必要があるでしょう。また、建物の価値がほとんどない場合には、更地にして売却することも選択肢となります。
再建築不可物件のため建て替えができない
再建築不可物件と呼ばれる土地に建っている空き家も、売却するのが困難です。再建築不可物件とは、現存の建物を解体して更地にすると、その場所には新たに建物を建てることができない物件(土地)のことです。
具体的には、都市計画区域と準都市計画区域内にあって、建築基準法に準じた道路に接していない土地や、建築基準法に準じた道路に接していても、道路に接している長さが2m未満の土地などが該当します。
都市計画区域と準都市計画区域が定められている都市計画法ができたのは1968年、建築基準法ができたのは1950年です。そのため、1950年以前または1968年以前に建てられた家屋は、現在の建築基準を満たしていないことがあり、その場合、再建築は認められません。建物の老朽化や災害による被害があっても建て替えができないため、土地自体の利用価値を大きく低下させる要因となります。
再建築不可物件は一般的な不動産市場での需要が低く、売却できたとしても、市場価格の5~6割程度になるケースが多いでしょう。
隣地との境界線が不明確
隣地との境界線が不明確な土地に空き家が建っている場合も、売却できない原因となります。買主が空き家を購入した後で、隣地の所有者との間に敷地をめぐるトラブルが発生することも懸念されるためです。買主にとっては、大きな不安要素となるでしょう。
境界線については法務局で調べられますが、明確ではない場合、専門家に依頼して境界線を確定させる必要があります。
空き家を所有しているリスク
空き家を所有し続けることにはリスクが伴うため、売れないからといってそのままにすることは、おすすめできません。ここでは、特に注意すべきリスクについて解説します。
固定資産税の支払い
空き家を所有していると、それだけで毎年、固定資産税の支払いが必要です。また、空き家の管理状態によっては、固定資産税が増加する可能性もあります。
空き家を適切に管理せず放置していると「管理不全空き家」とみなされます。管理不全空き家とは、適切な管理が行き届いておらず、そのまま放置が続くと「特定空き家」になる可能性のある家のことです。特定空き家は、そのまま放置し続ければ倒壊のおそれのある状態や、衛生上有害となるおそれがある状態を指しますが、管理不全空き家はその1つ前の段階といえます。
管理不全空き家の指定を受けると、固定資産税の「住宅用地の軽減」が適用されなくなり、更地と同じ課税になります。住宅用地軽減が適用されなくなった場合の固定資産税への影響は、下記のとおりです。
<住宅用地の軽減が適用されない場合の固定資産税>
・小規模住宅用地(200平方メートル以下)の場合:固定資産税は6倍に増加
・一般住宅用地(200平方メートル超)の場合:固定資産税は3倍に増加
近隣住民とのトラブル
空き家の放置は、近隣住民とのトラブルへと発展することもあります。空き家を保有したまま、手入れや管理を怠ると「景観の悪化」「害虫・害獣の発生」といったことが起こります。また、人目につきにくい空き家であれば、不法投棄を誘発する可能性もあるでしょう。不法侵入が繰り返され、治安の悪化につながることも考えられます。
これらの問題は、近隣住民の生活環境を著しく損ないます。所有者に対する苦情や批判が起きる要因となり、トラブルに発展する可能性は否めません。
空き家が売れないときの対処法

空き家が売却できないときは、どのようなことをすれば状況を打開できるのでしょうか。空き家が売れないときに考えられる対処法について解説します。
隣地や近隣の地権者に相談する
隣地や近隣の地権者に、空き家の売却について相談することで、思わぬ解決策を見つけられる可能性があります。
隣地や近隣の地権者は、空き家や土地に関心を持っているケースも少なくありません。例えば、隣地の所有者は、空き家が建つ土地を購入することでいびつな形をしていた土地を整形地に変えられたり、接道条件を改善できたりする場合があります。単純に敷地面積が広がって活用の幅が増えるケースも少なくないでしょう。地権者にとって魅力的な購入機会となるかもしれません。
不動産仲介会社を変える
売却が進まないときは仲介を依頼している不動産仲介会社を変えることも検討すべきです。
不動産仲介会社を変更する際は、今一度、空き家や古民家を専門としている不動産仲介会社を慎重に探しましょう。空き家の売却に関する実績が多い不動産仲介会社ほど、適切な買い手を見つけるノウハウや、現状の問題に対する解決策を持っています。
空き家マッチングサイトを利用する
空き家マッチングサイトとは、空き家の購入希望者と売却希望者のマッチングを目的とした、民間企業が運営するウェブサービスのことです。
空き家マッチングサイトのメリットは、不動産会社ではあまり取り扱っていないような空き家も売れる可能性がある点です。空き家マッチングサイトで空き家を探すユーザーの中には、DIY目的で空き家を購入する方も多く、いわゆる訳あり物件でも売却できる可能性があります。また、全国の購入希望者の目にふれるため、売却のチャンスも広がるでしょう。
更地の状態にする
老朽化が著しく、利用価値の低い空き家の場合は、更地にしてから売却する方法も考えられます。更地にすると、買主が購入してから家屋を解体する労力と費用の負担がなくなり、土地の活用方法の幅が広がります。そのため、家屋付きで売りに出す場合よりも、売却価格が上がる可能性もあるのです。
ただし、更地にする際の解体費用は、当然ながら売主負担です。不動産会社や専門家に相談するなどして、費用対効果について慎重に検討しましょう。
リフォームをする
リフォームしてから売却するという方法も、ときには有効です。壁紙やキッチンなどをリフォームすれば、物件としての魅力が増し、買主も購入後にリフォームする手間がなくなります。リフォーム費用を上乗せして売却できる可能性もあるでしょう。
一方で、リフォームのための費用と工期がかかる点に、考慮しなければなりません。費用対効果や市場のニーズを十分に検討し、適切な範囲でリフォームをすることが重要です。
空き家を売りに出す前に確認すべきこと
空き家を売りに出す際は、事前に確認するべきことがいくつかあります。適切に準備をして、スムーズに売却できるようにしましょう。
土地の境界
前述のとおり、土地の境界の確定は、空き家売却の際の必須事項です。土地の面積が確定していないと、正確な土地の価格を評価できません。
法務局で地積測量図を取得しても境界が不明確な場合や、境界標を探して調べてもはっきりしない場合は、土地家屋調査士に依頼して調べるのが確実です。専門家の助けを借りることで、正確な境界確定ができます。
解体の必要性
空き家を売りに出す際は、解体が必要かどうかも慎重に検討する必要があります。解体して更地にすれば、土地の活用方法の幅が広がり、売却価格が上がるケースもあるためです。
ただし、空き家の解体は、物件の状態や立地のほか、市場動向などを総合的に判断する必要があるため、不動産仲介会社とよく相談し、専門家からのアドバイスを受けましょう。
相続登記
不動産は名義人にしか売却できないため、相続した空き家を売却するときには相続登記も必要不可欠です。
相続登記とは、亡くなった方が所有していた空き家の名義を、相続した方の名義に変更する登記手続きのことです。名義が亡くなった方のままの場合、売却時の所有権移転登記は原則行えません。
また、2024年4月1日からは相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に登記申請を行う必要があります。この相続登記は複雑な手続きを伴うため、司法書士に依頼するのが一般的です。早めに手続きを済ませることで、スムーズな空き家売却につながります。
空き家に関するお悩みは「アキサポ」にお任せ
空き家が売れない場合は、立地条件や建物の状態のほか、市場動向などを多角的に評価し、適切な対策を講じなければなりません。対処法には、不動産仲介会社を変更したり、空き家マッチングサイトを活用したりするといった方法があります。状況に応じて適切に判断することで、空き家売却に行き詰まったときの解決策となります。
空き家が売れずに困っている方は、株式会社ジェクトワンが運営する空き家解決サービス「アキサポ」に、ぜひご相談ください。空き家の売却について、さまざまな選択肢の中から最適なプランをご提案いたします。
また、物件によっては、アキサポが空き家を借り上げて、リノベーションを行うといったサービスも実施可能です。リノベーション費用はアキサポが負担するため、所有者様はコストゼロ(※)で空き家を有効活用できます。まずはお気軽に、お電話やお問い合わせフォームからご連絡ください。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。