公開日:2024.11.15 更新日:2024.11.18
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空き家ビジネスは儲からない?成功のポイントや具体例を解説
近年、注目を集める空き家ビジネス。しかし、「本当に儲かるの?」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。空き家ビジネスを成功させるには、空き家の可能性を引き出して収益性を確保する必要があります。
ここでは、空き家ビジネスを成功させるポイントを解説します。さらに、空き家ビジネスが広がった背景や、空き家ビジネスの具体例についても紹介しましょう。
空き家ビジネスが広がった背景
総務省による「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家の数は900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高を記録しました。こうした状況のもと、所有している空き家をビジネス活用する方や、空き家を買い取ってビジネスを始める方が増えています。
空き家ビジネスの広がりに大きな影響を与えたのが、2014年に制定され2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)」です。
この法律は、適切に管理されていない空き家が、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることを踏まえ、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、および空き家の活用促進を目的としています。
特定空き家などの認定による影響が、空き家ビジネス普及の一因
空家等対策特別措置法にもとづき、自治体は倒壊のおそれなどがある空き家を「特定空き家」や「管理不全空き家」に認定することが可能になりました。
特定空き家や管理不全空き家に対する勧告を受けた場合、固定資産税・都市計画税の住宅用地特例の軽減措置が適用されなくなる点は、空き家の所有者に大きな影響を与えました。
管理の行き届いていない空き家は、たとえ建物が現存していても、税負担が増えてしまうことにより、空き家の活用や売却をする所有者が増加し、結果的に空き家ビジネスの普及につながったのです。
また、空き家を活用した事業は、地域の活性化や交流人口の増加に寄与する可能性があることから、社会貢献度の高いビジネスとしても注目されるようになりました。
2023年には、空家等対策特別措置法の一部改正が行われ、より実情に沿った制度としての改善も図られています。今後、自治体や企業も含め、空き家ビジネスへの取り組みがいっそう強化されることが期待されているのです。
2023年の空家等対策特別措置法改正について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
空き家ビジネスの成功のポイント
空き家ビジネスを成功させるためには、どのようなビジネスを行うか、そして資金をどう準備するかがカギとなります。ここでは、空き家ビジネスを成功させるために必ず押さえておきたい、2つの重要なポイントについて解説しましょう。
空き家の立地に適したビジネスを選ぶ
空き家ビジネスを成功させるためにまず重要なのは、空き家の立地条件と地域のニーズを十分に考慮し、その場所に最適なビジネスモデルを選択することです。場所ごとにどんな活用法が適しているのか、一般的な傾向を見ていきましょう。
・都市部の空き家
都市部の空き家は、賃貸物件、あるいはシェアハウスやゲストハウスとしての需要が高いのが特徴です。また、ここ数年は、コワーキングスペースとしての活用事例も増えています。
・観光地近くの空き家
観光地に近い場所なら、宿泊施設や民泊施設としての活用が候補に挙げられます。特に、外国人観光客向けの体験型宿泊施設は人気があります。
また、カフェやレストランとしての活用も、観光客の需要を取り込めるでしょう。
・郊外の空き家
郊外の空き家は、地域コミュニティの交流拠点や高齢者向けのデイサービス施設としての活用が考えられます。また、人気の高い活用法として、駐車場付きのコインランドリーとしての活用なども考えられるでしょう。
・田舎の空き家
田舎の空き家は、都市部の人々に田舎暮らしを体験してもらう機会を提供する、グリーンツーリズム施設としての活用法が挙げられるでしょう。さらに、地域の特産品を活かしたカフェや直売所としての活用も考えられます。
空き家活用に役立つ補助金を利用する
空き家ビジネスの初期費用を抑え、事業の立ち上げをスムーズに行うために、空き家活用に役立つ補助金制度を利用することも必要です。
国土交通省の「空き家対策総合支援事業」では、空き家の活用や除却に関する費用の一部を補助しています。
また、多くの自治体が、独自の空き家活用支援制度を設けています。例えば、兵庫県の「空き家活用支援事業」は、空き家の改修費用の一部を補助する制度です。
東京都の「政策課題解決型空き家活用支援事業」では、空き家を子育て世帯向け住宅や地域の居場所づくりに活用する場合、最大450万円の補助金が受けられます。
空き家ビジネスの具体例
空き家ビジネスが可能な具体例を多く知っていれば、それだけビジネスを成功させるための選択の幅を広げることができます。続いては、ビジネスモデルとして参考になる、空き家の7つの活用法を紹介します。
賃貸物件
空き家を賃貸物件として転用するのは、一般的な空き家活用法のひとつです。戸建ての空き家をリフォームして賃貸住宅として提供すれば、毎月の安定した家賃収入を得ることができます。
間取りが2LDK以上の空き家であれば、ファミリー層をターゲットとした戸建て賃貸にすることが可能です。
また、入居者によるDIYや改装ができるよう、「DIY型賃貸借」という契約を結んで貸し出す方法もあります。DIY可の賃貸物件はニーズが高く、所有者にとっても建物の維持を入居者に任せて、ランニングコストを節約できるといったメリットがあります。
空き家を賃貸物件として活用することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
コワーキングスペース
テレワークの普及により、コワーキングスペースの需要が高まっています。空き家をリノベーションしてコワーキングスペースとして活用すれば、フリーランスやリモートワーカー、スタートアップ企業の従業員などによる利用が見込めます。
高速インターネット環境や会議室などの設備を整えることで、物件としての付加価値を高められるようにもなるでしょう。
また、基本的にオープンスペースで運用するコワーキングスペース以外にも、個室や固定席を設けた占有スペースを作り、月単位や年単位で契約するレンタルオフィスとすることも可能です。
空き家をコワーキングスペースとして活用することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。※シェアハウスの共用部に、入居者専用のコワーキングスペースを設置した活用事例
宿泊施設
空き家を宿泊施設として活用する方法も、収益化が期待できます。民泊やゲストハウスとして運営することで、海外を含む観光客や長期滞在者向けの宿泊施設を提供できるでしょう。
特に近年では、古民家を改修して宿泊施設にする事例が増えており、地域の魅力を活かした特色ある宿泊体験を提供することが可能です。
空き家を宿泊施設として活用することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
シェアハウス
空き家をシェアハウスとして活用すれば、若者や単身者向けの住まいとして提供することができます。共用スペースを設ければ、入居者同士のコミュニケーションを促進し、コミュニティ形成にも貢献できます。
また、クリエイター向け、外国人向けなど特定のコンセプトを持ったシェアハウスを運営すれば、差別化を図ることも可能です。
空き家をシェアハウスとして活用することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
介護施設
高齢化社会の進展に伴って需要が高まっているのが、介護施設です。空き家を改修して、デイサービスセンターや小規模多機能型居宅介護施設などの介護施設として活用することができます。
介護施設として成立させるためには、バリアフリー化や安全設備の導入など、高齢者に配慮した改修が必要ですが、社会的ニーズの高い事業として注目されている空き家の活用法です。
空き家を介護施設として活用することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
飲食店
空き家を改修して、カフェやレストラン、バー・居酒屋などの飲食店として活用する方法もあります。特に、古民家を活かしたカフェなどは、レトロな雰囲気を楽しめる人気のスポットとなる可能性があります。地域の特産品を活かしたメニューを提供すれば、地域活性化にも貢献できるでしょう。
飲食店営業許可の取得、建築基準法や消防法などの関連法規への適合について対応することが必要ですが、特に飲食店経営のノウハウがある方にとっては魅力的な選択肢です。
空き家を飲食店として活用することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
トランクルーム
空き家をトランクルームや収納スペースとして活用する方法は、空き家の規模や構造が適してさえいれば初期投資が比較的少なく、継続的な収益が見込めるビジネスモデルです。
都市部や住宅密集地では、収納スペースの需要が高く、立地条件が良くない空き家でも活用できる可能性があるでしょう。
また、空き家を解体して、その土地にコンテナを設置し、屋外型のトランクルームとする方法も考えられます。屋内型、屋外型のいずれの場合も、運営はトランクルーム会社に建物や土地を貸し出す、あるいはフランチャイズ契約を結ぶ、業務委託を受けるといったやり方があります。
空き家をトランクルームとして活用することについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
空き家ビジネスを、儲かるビジネスにしよう
空き家を活用したビジネスは、収益性を確保しつつ、地域の課題解決にも役立つ社会貢献型のビジネスとして注目されています。
空き家ビジネスを成功させるには、空き家の立地や状態、地域のニーズなどに応じたビジネスモデルを選択することが重要です。そのためにも、なるべく多くの具体例を候補に挙げ、必要な許認可や法規制、改修コストなどを含めて検討し、シミュレーションを行いましょう。
株式会社ジェクトワンが運営する空き家解決サービス「アキサポ」は、空き家に関するさまざまな課題解決に総合的に取り組んでいます。
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