公開日:2024.05.17 更新日:2024.05.17
空き家を障害者グループホームにして有効活用!メリットや注意点を解説
空き家を何らかの形で有効活用したいというとき、障害者グループホームにするという選択肢があることをご存じでしょうか。今、所有している空き家をリノベーションするなどして、障害のある方たちが日常生活の介護や支援を受けながら、共同生活する住宅へと変えることができます。 ここでは、空き家を障害者グループホームにするとどのようなメリットが得られるのか、そして注意点はあるのかなど、気になるポイントについて解説します。
障害者グループホームとは?
障害者グループホームとは、障害を持つ方が共同で生活するための住宅のことです。この住宅は、さまざまな障害を持つ方が、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)にもとづく共同生活援助を受けて、自立した日常生活を送ることを目的として設置されます。設置するのは社会福祉法人やNPO法人、医療法人などで、建物はマンションやアパート、戸建てなどの一般的な住宅が活用されます。
障害者グループホームに入居するのは、身体障害、精神障害、知的障害、難病を持つ方たちです。知的障害など障害種別が同じ方同士で暮らす場合もあれば、さまざまな障害種別の人がいっしょに暮らす場合もあります。入居者の生活面や健康面に関する管理は、グループホームを設置する法人が定期的に派遣する世話人や生活支援員によって行われます。
空き家を障害者グループホームにするメリット
空き家を障害者グループホームにすることは、空き家の所有者様にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、3つのメリットについてご紹介します。
社会貢献になる
障害者グループホームは、障害を持ち、自立した日常生活を送ることを目指す方たちが共同で暮らす住まいを提供するものです。利用者はそこで必要な介護や支援を受け、地域社会とのつながりも持ちながら、共同で日常生活を営んでいくことができます。
障害者グループホームの数は、全国で増加傾向ではあるものの、まだ十分に確保されているとはいえません。特に近年は、高齢者の障害者が増えていることもあり、適切な住居を供給する必要性が高まっています。
こうした現状の中、空き家を障害者グループホームとして提供すれば、供給不足の解消に役立ちます。障害を持つ方々が地域社会のなかで自立した生活を送る機会を作り出すことに寄与でき、その家族に対しても安心感を与えることができるでしょう。
自治体によっては補助金がもらえる
空き家を利用して障害者グループホームにする際には、自治体などからの補助金が利用できる可能性があります。
例えば、「社会福祉施設等施設整備費補助金」は、社会福祉法人や民間事業者が、障害者福祉サービスを開始するために施設を整備する際に支給される補助金です。営利・非営利法人のどちらでも利用できます。整備費の2分の1を国が、4分の1を自治体が補助し、全体で整備に要する経費の4分の3が補助されます。
この補助金は、空き家を障害者グループホームとして改修する場合や、新たに施設を整備する場合、大規模修繕をする際などに利用することが可能です。補助額が大きいのがポイントですが、反面、実際の補助金受給までに時間がかかり、申請に必要な書類が多い点には注意が必要です。
このほかにも、自治体によっては、施設の整備に関する費用、円滑な運営を促進するための費用などを支援する補助金を支給しています。詳しくは、地域の障害福祉課などへお問い合わせください。
空き家を放置するリスクがなくなる
空き家を放置していると、維持管理費が発生するだけでなく、建物の劣化や倒壊、火災または放火、ごみなどの不法投棄、不法侵入、景観の悪化による近隣からの苦情といったさまざまな問題を引き起こすおそれがあります。
空き家を障害者グループホームにすれば、こうしたリスクの回避や防止を図ることが可能です。障害者グループホームの運営は、所有者様と契約を結んだ社会福祉法人や民間事業者が行うため、建物や設備の管理も基本的に任せることができ、管理を行き届かせることができます。
空き家を障害者グループホームにするときの注意点
空き家を障害者グループホームにするときには、注意すべき点もあります。事前に、注意点についてもしっかりと把握しておきましょう。
設備基準を満たす必要がある
空き家を障害者グループホームにするには、特定の基準を満たす必要があります。
建物のタイプは一戸建て、アパート、マンションのうちどれでも良く、個人所有、法人所有、賃貸のいずれでも問題ありません。設置場所は、住宅地または住宅地と同程度に、利用者の家族や地域住民との交流の機会が確保される地域とされています。
入居者の定員は、新築の場合はグループホーム1棟につき2人以上10人以下ですが、既存の建物を利用する場合は、定員要件が20人までに緩和されます。
居室については、基本的に1人部屋で、個室の面積が収納設備を除いて7.43平方メートル(約4.5畳)以上なければいけません。また、日常生活に必要な共有施設、食堂や台所、トイレ、洗面設備、浴室などを備えていることが求められます。ほかにも、建築基準法(新耐震基準に適合もしくは同等であることなどが前提)や消防法などの各種法令に適合している必要がありますので、しっかりと確認しておきましょう。
リフォーム費用がかかる
前述したように、設備基準があるため、空き家を障害者グループホームにするには、リフォームやリノベーションが必要なことがほとんどです。
そのための費用は、物件の状態や必要な改修の範囲によって変わります。そのため事前に詳細な見積もりを行い、予算を確保しておくことが大切です。補助金を利用すれば初期費用を抑えられるので、そのことも含めて計画的に資金を準備しましょう。
なお、障害者グループホームとして運用を開始すると、家賃やサービス料による安定した収入が得られることが期待できます。障害者グループホームを利用する方も、その料金をすべて自己負担するのではなく、自治体からの補助金や給付制度を利用して軽減することが可能です。
近隣住民の理解を得る必要がある
障害者グループホームの運営にあたっては、近隣住民の理解と協力が不可欠です。障害者グループホームの開設が近隣住民に与える影響を事前に考慮し、設置前に住民説明会を開催するなどして、積極的にコミュニケーションをとることが推奨されます。
近隣住民との良好な関係は、障害者グループホーム運営を成功させるための重要な要素です。相互理解の促進や、住民からの懸念点・疑問点の解消、施設の信頼性の獲得などのために、必ず説明をする機会を設けるようにしましょう。
空き家の活用は「アキサポ」がお手伝いします
空き家を障害者グループホームにすると、社会貢献・地域貢献につながり、空き家管理の負担も軽減することができます。自治体からの補助金を得られれば、一般向けの戸建て賃貸にする場合などと比べて、初期費用を抑えられる可能性もあります。
では、空き家を障害者グループホームにする以外には、どのような活用方法が考えられるのでしょうか。
株式会社ジェクトワンが運営する空き家解決サービス「アキサポ」は、お持ちの空き家についてご相談いただければ、活用や売却などさまざまな選択肢の中から最適なプランをご提案します。
空き家を所有していて、売却や活用をお考えの方は、まずはお気軽にお電話やお問い合わせフォームからご連絡ください。