公開日:2021.03.24 更新日:2024.01.08
関東・首都圏の空き家事情とは?0円で出来る空き家活用法や事例を紹介
日本では全国的に空き家が増え続けていますが、地域・立地によって空き家の発生原因や課題は異なりますが、明確な違いをご存じの方は少ないかもしれません。
しかしながら、自分が持つ空き家が位置する地域の傾向やニーズを把握することは効果的な空き家活用には欠かせい要素でもあります。
そこで今回は、一都三県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)で空き家活用をサポートしてきた「アキサポ」が、関東における空き家事情についてさまざまなデータを交えながら解説するとともに、賢い空き家活用のポイントをまとめました。
関東での空き家活用をお考えの方はぜひ参考にしてみてください!
関東・首都圏の空き家に関する現状
全国的に空き家が増え続け、社会問題化しているのをご存じの方は多いでしょうが、ここでは関東の空き家事情に絞って、その実態を見ていくことにしましょう。
以下は「都道府県別の空き家率(平成25年)」に関する分布データです。
色が濃くなっている部分が空き家率の高い地域ですが、甲信・四国地方などで空き家率が高い事実を示している一方で、関東圏での空き家率は低い水準となっているのが分かります。
一見すると関東の空き家率は低く、それほど問題視すべきではないと感じるかもしれませんが、実はそうとも言い切れません。
というのも、そもそもの総住宅数が関東圏は多く、全国の中でも最多は東京都の736万戸、次いで大阪府が459万戸、神奈川県が435万戸、愛知県が344万戸、埼玉県が327万戸となっており、総住宅数全国トップ5のうち、3つも関東圏の都道府県が占めているのです。
この点を踏まえて。引き続き以下のデータをご覧ください。
【関東都市圏の空き家実数全国ランキング】
東京都:1位-805,000件
神奈川県:3位:462,100件
埼玉県:5位:345,800件
千葉県:6位:343,800件
データを見れば一目瞭然。関東都市圏の都道府県における空き家実数は軒並み全国上位となっており、空き家の数自体は関東圏に非常に多いのがよく分かります。
都市圏では新築供給が活発で次々に新築が供給される一方、世帯数の増加が頭打ちとなっており、今後高齢化の影響も受けて空き家の数自体もさらに増加する可能性は十分に考えられるでしょう。
例えば東京都の世帯数増加は、2010~15年で4.4%、2015~20年1.9%、2020~25年で0.4%予測となっており、世帯数は今後マイナスに転じると予想されているため、現状空き家率が全国平均を下回っているとはいえ、全く予断を許さない状況にあります。
当然、空き家実数が多い地域では空き家の供給量も比例して多くなりますので、効果的な空き家活用を行うには、他の空き家との差別化・工夫を凝らしたプランニングが重要なポイントとなるでしょう。
参考:総務省「平成25年住宅・土地統計調査」
関東・首都圏特有の空き家発生原因や問題について
個々が所有する空き家を効果的に活用するためには、立地や地域性などの現状分析を行ったうえで適切なプランニングを立てることが大切です。
そこで関東圏特有の空き家発生原因や今後の課題に関する調査データをもとに、空き家活用に役立つ情報をここから洗い出すことにしましょう。
関東都市圏では戸建て割合が少ない
まずは以下のデータをご覧ください。
【共同住宅の割合-都道府県(平成25年)】
【一戸建の割合-都道府県(平成25年)】
上記は各都道府県の「共同住宅の割合」「戸建ての割合」を示すデータですが、関東都市圏では共同住宅が多く、戸建ての割合が少ない傾向が顕著に表れているのが分かります。
特に「共同住宅割合」では東京都が70.0%、神奈川県が56,1%と全国1位・2位の結果となっており、関東都市圏全体で見ても「戸建て割合」はわずか41.2%(全国平均54.9%)しかありません。
都市部では元々賃貸物件の需要が多いため共同住宅の割合も増えていると考えられますが、一方近年では、大都市において賃貸住宅の空き家率が増加していることを示すデータも存在しますので、共同住宅の空き家対策に今後ますます力を入れる必要が出てくると予想されます。
参照:日本不動産学会誌
大都市における空き家問題(木密、賃貸住宅、分譲マンションを中心として)
上席主任研究員 米山 秀隆
発効日:2015年4月
関東の空き家発生原因や特徴
関東の中でもとりわけ都市圏では、世帯数の増加が頭打ちとなっている点が空き家増加の一因となっており、今後世帯数がさらに減少すれば空き家問題が深刻化されていくことが予想されます。
また、その他にも都市圏における空き家発生の原因、および空き家の特徴には以下のような要因が挙げられます。
・中古戸建ての流動化が遅れている(中古戸建より新築を好む傾向が強い)
・賃貸住宅や分譲マンションのストックは多いが、新築需要が多く、古い集合住宅物件の空き家が増えている
・木造住宅密集地域が存在しているが、高齢化や権利関係、接道条件などの要因で建て替えが進んでいない
・敷地が未接道や狭小なため、単独建替えが難しいところも多い
・中心商店街の衰退によって店舗兼住宅が空き家化している
これらはいずれも都市圏特有の空き家発生原因、また今後の課題であり、該当地域に空き家を所有している場合は、自分の物件がどのような課題を抱えているのか現状分析を行うことが効果的な空き家活用の第一ステップといえるでしょう。
参照:日本不動産学会誌
大都市における空き家問題(木密、賃貸住宅、分譲マンションを中心として)
上席主任研究員 米山 秀隆
発効日:2015年4月
関東・首都圏で効果的な空き家活用の仕方
関東都市圏における空き家には、集合住宅が多い、建替えが難しいところが多い、店舗兼住宅が空き家化しているケースが多い、といった特徴が挙げられます。
これらの点を踏まえ、効果的な空き家活用を考えた場合、やはり建て替えや土地活用などの大掛かりな仕掛けよりも、既存の状態を活かした「リノベーション+活用」のスタイルが関東での空き家活用では有効な手段だといえるでしょう。
そもそも建て替えを含めた大掛かりな改修には高額な費用がかかるためハードルが高く、空き家所有者全てにとって万能な手段とはいえません。
とはいえもちろんリノベーションにもまとまった費用がかかりますから、「リノベーション費用を捻出するのが難しい…」とお困りの方もいらっしゃるでしょう。
ですが現在、リノベーション負担ゼロで空き家活用をはじめられるのをご存じでしょうか?
私たち「アキサポ」では、リノベーション負担ゼロをはじめとして、「空き家活用」に必要なこと、面倒なことにお応えするため、幅広いサービスを提供しています。
【アキサポでできること】
・物件の周辺環境や立地条件など現地調査を実施
・調査に基づき現状分析を行い、リノベーション・活用プランを提案
・全額費用負担でリノベーション工事を実施
・賃借人・利用者の募集まで実施
やはり大きな特徴は、空き家活用でネックになりがちな「リノベーション費用の負担を0にできる」ところ。
リノベーションにかかる費用はアキサポが全額費用負担しますし、くわえて、面倒な業者選びやプランニングに至るまで一括サポートが可能ですから、リノベーション関連の費用や手間がネックで空き家活用に乗り出すことができていない方には特におすすめです。
対応エリアは一都三県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)となっており、関東・首都圏における空き家特有のお悩みにも適切な提案が可能ですので、興味がありましたらお気軽にご相談ください。
関東・首都圏での空き家活用事例
集合住宅や店舗兼住宅の空き家が多い関東・首都圏では、実際にどのような形で空き家活用を行っているのか気になる方も多いでしょう。
そこでここからは、アキサポが実際に手掛けた関東・首都圏での空き家活用事例をいくつか紹介しながら、活用の背景や活用後の状況についてまとめることにします。
店じまいにより使い道に悩んでいた商店街の履物店
東京都板橋区、東武東上線・大山駅前の「ハッピーロード大山商店街」内に位置する空き家活用事例です。
こちらの物件は、商店街の一角で80年以上に渡り履物屋を営んできましたが、後継者に恵まれずやむなく閉店。まさに「中心商店街の衰退によって店舗兼住宅が空き家化する」という関東都市圏特有の空き家事情と関連深い背景を抱えていました。
オーナーは「たとえ履物屋でなくなったとしても、何もせず手放すではなく、街のために何らかの形で活かしたい」と考え、空き家活用へ乗り出します。
活用の方向性を見出すにあたっては、大山商店街自体が再開発などの影響を受けて商店街分断の懸念を抱えていたこともあり、「地縁型コミュニティの核となれる存在」を目指したシェアキッチンとしての活用を決定します。
結果的に、履物屋からシェアキッチン「かめやキッチン」へと生まれ変わり、オープン後は「キッチン・販売・接客の3スペース完備」という特徴を活かして、製造~販売までを幅広く行えるスペースとして幅広い利用者から愛用されるまでに発展。
また、飲食起業塾や地域交流イベントなど、シェアキッチンの枠組みを超えた活用もされるなど、一軒の空き家が商店街全体のコミュニティ活性化にまで貢献できる多様な可能性を示す活用事例となりました。
築52年の旧社宅
東京都渋谷区に位置する築52年の鉄筋コンクリート造陸屋根4階建構造物件の空き家活用事例です。
地上4階建のこちらの物件はもともと社宅として用いられており、「集合住宅が老朽化して空き家化する」という関東都市圏特有の傾向に合致していました。
しかし、ビジネス・カルチャーの発信源である渋谷という立地にはシェアオフィスのニーズが見込まれたため、リノベーションを加えることによって集合住宅とは異なる新たな空間として再生させることに。
デザイン性・機能性を両立したリノベーションによって、現在ではクリエイター向けのシェアオフィスとして活用されています。
築年数不明・8坪の木造長屋
築年数は不明ですが、少なくとも昭和34年以前に建てられた3棟連なる木造長屋の活用事例です。
8坪の小さな住居スペースは築年数の増加に伴い老朽化が進んでいましたが、「近隣住民からの気軽に飲める場が欲しい」という希望と「カフェバルを創業したいという若者のニーズ」が見事にマッチ。
現在では、昼も夜も近隣住民で賑わう繁盛店となりました。
関東の空き家活用まとめ
関東は全国的にも空き家の数がトップクラスに多く、今後高齢化の影響などでさらにその数は増加することが予想されます。
また、戸建てが少なく集合住宅が多い、建替えが難しい物件もある、といった地域性を踏まえると、大掛かりな改修や建替えではなく、リノベーションを施したうえで活用を進めるのが関東での空き家活用では有効となるケースが多いといえるでしょう。
とはいえ、適切な活用方法は空き家それぞれの状態や立地によって変わるものですから、まずは空き家活用に精通した専門家に現状分析やプランニングに関する相談を行うのが最初のステップとしてはおすすめです。
アキサポではこれまで、一都三県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)の空き家に関するさまざまなお悩みに応えてきましたので、興味がある方はお気軽にお問い合わせください。