公開日:2023.12.12 更新日:2024.02.14
富山県の空き家活用方法を徹底解説!自己資金0円でリノベーションし賃貸収入を得る方法とは?
富山県は世界遺産に登録されている「白川郷・五箇山の合掌造り集落」をはじめとした古き良き古民家が点在するエリアですが、空き家問題の深刻化に伴い、空き家の活用方法にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、富山県の空き家事情についてデータを交えながら解説するとともに、空き家をリノベーションし賃貸物件として活用する方法や具体的な事例、補助金制度など、空き家活用関連の情報を分かりやすくまとめます。
さらに、「自己資金0円でリノベーションし活用する方法」も公開しますので、空き家の使い道に悩んでいる方はぜひチェックしてください。
目次
富山県の空き家事情
富山県の空き家事情を知るために、まずは過去と現在の空き家に関するデータを見てみましょう。
上記は1963年(昭和38年)~2018年(平成30年)にかけての富山県における空き家数および空き家率の推移を示したグラフです。
ご覧のとおり、富山県では空き家数・空き家率共に50年以上にわたって増加の一途をたどっていることが分かります。
富山県の空き家率 | 全国平均の空き家率 | |
---|---|---|
1998年 | 9.8% | 11.5% |
2003年 | 11.6% | 12.2% |
2008年 | 12.3% | 13.1% |
2013年 | 12.8% | 13.5% |
2018年 | 13.3% | 13.6% |
また上記のデータを見てみると、全国平均の空き家率は時間の経過に伴って上昇傾向が緩やかとなっているのに対し、以前まで全国平均を大きく下回っていた富山県の空き家率は近年、全国平均と同程度の水準にまで肉薄している状況であることが分かります。
空き家の数も過去10年間で1.38倍、過去20年間では1.85倍にまで増加していますが、今後は居住世帯数の減少も見込まれることから、空き家数がさらに増加するのではないかと懸念されています。
富山県で空き家活用する際に押さえておくポイント
富山県で空き家活用を進める際には、周辺のニーズを把握した上で適切な活用方法を検討することが求められます。
極論ですが、例えば人の行き交いが少ない山間部で「シェアオフィス」として空き家を活用するのが難しいように、エリアごとのニーズを見極めた上で最適な活用の仕方を絞り込む必要があるのです。
そこでニーズを見極めるための参考情報として、異なる2つのデータを用意しましたのでご覧ください。
【データ①:富山県内の空き家率トップ10市町村(2018年時点)】
順位 | 市町村名 | 空き家率(%) |
---|---|---|
1 | 魚津市 | 20.7% |
2 | 黒部市 | 15.3% |
3 | 高岡市 | 14.9% |
4 | 氷見市 | 13.8% |
5 | 上市町 | 12.9% |
6 | 小矢部市 | 12.7% |
7 | 富山市 | 12.7% |
8 | 滑川市 | 12.6% |
9 | 南砺市 | 12.0% |
10 | 射水市 | 11.4% |
【データ②:富山県の市町村地価ランキングトップ10
市町村 | 地価平均 | |
---|---|---|
1位 | 富山市 | 6万8445円/m2 |
2位 | 魚津市 | 4万3357円/m2 |
3位 | 高岡市 | 3万6707円/m2 |
4位 | 砺波市 | 3万6500円/m2 |
5位 | 小矢部市 | 2万9460円/m2 |
6位 | 射水市 | 2万9176円/m2 |
7位 | 黒部市 | 2万7557円/m2 |
8位 | 氷見市 | 2万7216円/m2 |
9位 | 入善町 | 2万6660円/m2 |
10位 | 舟橋村 | 2万5100円/m2 |
出典:土地代データ
まずデータ①の空き家率ランキングからは、富山県内においてどのエリアで空き家率が高くなっているのかを把握することができます。
富山県全体の平均を上回っているのは、氷見市、高岡市、黒部市、魚津市の4つ。いずれも中心部である富山市の北側である日本海側に位置する自治体となっており、県北部で空き家率が高くなっていることを示しています。
ただし、空き家率が高いだけで需要を判断することはできません。
続いてデータ②の地価ランキングを見てみましょう。
県の中心である富山市が1位なのは当然であるとして、トップ3のうち2つは前述の空き家ランキングで上位に位置していた魚津市と高岡市であることが分かります。
これらのデータから、富山県では空き家率が高いエリアであっても不動産需要が多いケースが存在していることが読み取れますので、空き家率や地価、各エリアの特色などさまざまな要素を踏まえてニーズを分析し、適切な空き家の利活用に役立てましょう。
富山県で空き家をリノベーションし賃貸物件として活用する方法
空き家を賃貸物件として活用する前にリノベーションしておこうと考える方は多いですが、その際にやはり気になるのが費用の問題です。
そこでここからは、リノベーション費用の相場を詳しく紹介するとともに、自己資金負担0円でリノベーションした上で空き家活用をはじめる方法についても解説します。
空き家のリノベーションには費用がかかる
当然ながらリノベーションにはお金がかかりますが、大切なのは「何に、いくらお金がかかるのか?」という点です。
そこでまずは工事箇所・内容別のリノベーション費用相場を一覧表にまとめてご紹介します。
居住空間関係
水回り関係
内装・外装関係
その他
出典:部位別リフォーム費用一覧(国土交通省)
費用相場を見ていくと、箇所別の費用は数万円~数十万円程度で収まるものが多いものの、建物全体をリノベーションするとなると数百万円~数千万円規模の費用がかかるケースが多くなることが分かります。
もちろん手を入れるほどクオリティは高くなりますが、コストがかかり過ぎてしまっては回収も厳しくなりますので、現状を踏まえて優先順位を付けた上で予算に合わせてリノベーションを段階的に進めていくのも手です。
リノベーション費用の詳細や事例などについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
自己資金負担0円でリノベーションし活用する方法
空き家を賃貸物件として活用する方法は魅力的ではあるものの、やはり数百万円以上の費用をかけてリノベーションするのは難しいと考える方も多いでしょう。
ですが現在では、空き家活用においてネックとなる「高額なリノベーション費用」の負担を抑える方法が用意されています。
私たち「アキサポ」の場合ですと、現地調査からプランニング、リノベーション工事、入居者募集など、空き家活用に必要なサービスをワンストップで対応するだけでなく、所有者様の自己負担0円(※)でリノベーションすることが可能です。
仕組みとしては、所有者様から空き家を借り受け、リノベーション工事後に一定期間転貸するサービスとなっており、初期費用の問題で空き家活用に悩んでいた方からは特にご好評をいただいています。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
富山県で空き家リノベーション活用する場合の具体的なイメージ・事例
空き家を賃貸物件として活用する方法は、「住居用」だけに留まりません。
ここでは、空き家活用の自由度の高さをイメージしていただくために、アキサポで手掛けた活用事例を紹介しますので、参考にしてみてください。
事例1:【神奈川県愛甲郡】空き家になった大切な自宅は新たな賃貸住居へ
建築年月 | 1972年4月 |
延床面積 | 39.74㎡ |
構造 | 木造2階建 |
活用事例 | 賃貸住居 |
築50年超の空き家を活用した事例です。
こちらの物件は10年間空き家となっていましたが、所有者様が定期的に管理を行っていたため、長期間空き家だったと思えないほど良好な状態でした。そこで、水回りをはじめとした必要最低限のみリノベーションを実施し、新たな賃貸住居へと再生しました。
事例2:【文京区小石川】築年数不明の3棟連なる木造長屋は繁盛店へ
建築年月 | 不明 |
延床面積 | 文京区小石川 |
構造 | 木造2階建 |
活用事例 | バル&カフェ |
3棟連なる木造長屋の活用事例です。
元々は8坪の小さな住居でしたが、近隣には地域住民の方がゆっくりと過ごせる飲食店がなかったこともあり、店舗としての活用を検討。結果的には、近隣住民からのニーズと「カフェバルを創業したい」という若者のニーズがマッチし、地域密着型のバル&カフェへと生まれ変わりました。
事例3:【墨田区東向島】学生向け賃貸アパートだった建物は駐車場へ
建築年月 | 1990年9月 |
延床面積 | ①1階 65.27㎡/ 2階 63.62㎡/延床 128.89㎡②1階 48.95㎡/ 2階 48.95㎡/延床 97.9㎡ |
構造 | 鉄骨造4階建 |
活用事例 | 駐車場 |
学生向け賃貸アパートとして使われていた建物の活用事例です。
こちらの物件は30年以上空き家状態が続いていたこともあり、倒壊の懸念を感じるほど老朽化が進んでいました。
また、外から見ると工場に隠れてアパートの建物が見えないという問題もあったため、敷地内の工場とアパートを同時に取り壊すとともに、時間貸し駐車場への活用を行いました。
富山県の政府や自治体による空き家活用関連の補助金制度
空き家問題解消のため、近年では空き家活用に関わるさまざまな補助金が各自治体で用意されています。
補助金のタイプは主に、「空き家の解体」「空き家の改修」「空き家の取得」の3種類に分かれていますが、具体的にどのような補助金が用意されているのかは自治体によって異なります。
参考までに、富山県内で用意されている空き家関連の補助金をいくつかご紹介します。
名称 | 補助金の概要 | 対象エリア |
富山市空き家再生等推進事業補助金 | 空き家の改修工事費や除却工事費の一部を補助 | 富山市 |
沼田市空き家解体補助金 | 中古住宅、中古マンションの購入の補助 | 高岡市 |
射水市空き家対策支援事業 | 空き家の解体および解体後の住宅の新築・増築・跡地購入などの費用を一部補助 | 射水市 |
空家リフォーム支援事業補助金 | 空家バンクに登録されていた空家を購入した後のリフォーム費用を補助 | 魚津市 |
富山県の空き家を活用するその他の方法・手段
賃貸物件としての活用以外にも、空き家は以下のようなさまざまな選択肢があります。
1.リノベーションして賃貸物件として活用 2.建物ごと売却する 3.建物を解体して土地を売却する 4.不動産会社に買取してもらう 5.無料譲渡する 6.自分で住む 7.空き家バンクの利用 |
ここではそれぞれの概要や特徴を解説しますので、適した活用方法の検討に役立ててください。
①リノベーションして賃貸物件として活用
リノベーションした上で賃貸物件として活用する方法には、以下のような豊富なメリットが備わっています。
・空き家を活用して毎月家賃収入を得られる ・空き家を手放す必要がない ・第三者が物件を継続的に利用するため、維持・管理の手間が軽減される ・活用の仕方が豊富(住居、店舗、駐車場、宿泊施設など) |
ざっと並べただけでもこれだけのメリットがあり、何といっても活用の自由度が非常に高いため、立地や建物の特性、所有者の要望などを踏まえて「どのような形で活用するのか」を選べる点が魅力的です。
② 建物ごと売却する
建物ごと売却する方法は手軽にまとまった現金収入を得られることから、空き家を有効活用する手段として昔から人気を集めています。
更地にする必要がないため手間やコストを抑えられるのが主なメリットですが、一方で立地や建物の状態次第では買い手がなかなか付かないケースも珍しくありません。
売却という選択肢の場合は、後述する「更地にして売却」「不動産買取」など他の方法も用意されていますので、状況に応じて相性の良さそうな方法を模索していくのがおすすめです。
③ 建物を解体して土地を売却する
建物を解体して土地を売却する方法は、主に以下のようなケースに該当する場合に有効です。
・建物の倒壊リスクや周辺環境へ悪影響を及ぼす危険性などを抱えている ・建物自体の資産価値が低い ・「新築物件を建てたい」というニーズが多いエリアである |
特に新築物件のニーズが見込まれるエリアの場合、解体して更地にした方が流通性は高くなりますので、専門家に相談しながら検討すると良いでしょう。
④ 不動産会社に買取してもらう
この方法は仲介と異なり、買い手が不動産会社となるため、売却がスピーディに進むメリットがあります。
仲介の場合、取引成立まで一戸建てで平均9〜12ヵ月程度の時間がかかってしまいますから、とにかく早めにお金に変えたいという方は買取を検討してみると良いでしょう。
ただし、買取相場は仲介の7割程度であるため、「多少安くても早く手放したい」という方におすすめの方法です。
⑤ 無料譲渡する
無料譲渡(無償譲渡物件)とは、土地・建物の価格を0円で譲り渡す物件のことを指します。
「0円」と聞くと何のメリットもないように感じるかもしれませんが、そもそも空き家には以下のようなリスクが潜んでいます。
・倒壊や周辺環境へ悪影響を及ぼすリスク ・犯罪に巻き込まれるリスク ・周囲の景観を損ねるリスク ・特定空き家に指定されるリスク |
もしも特定空き家に指定されてしまうと、行政による指導や命令の対象になるばかりか、固定資産税などの優遇措置が解除されて税金が跳ね上がってしまう可能性まであります。
また、空き家は活用していない状態でも税金や維持費がかかりますから、売却が難しい場合に「0円でも良いから空き家を手放したい」と考えるのも自然な発想だといえます。
空き家のリスクや維持・管理の手間、コストなどに悩んでいる場合は、無料譲渡を検討するのもひとつの手でしょう。
⑥ 自分で住む
空き家に自分で住む場合には、事前にリノベーションしておくことをおすすめします。
理由は至ってシンプルで、空き家は往々にして劣化が進んでおり、安全性に懸念があるケースが多いからです。
また、時代の流れとともに変化する住居へのニーズとマッチしていない住環境となっていることも多いため、住みやすさを向上させるという意味でもリノベーションは効果的です。
早めにリノベーションしておけば、将来的に異なる形で活用する際にもプラスに働きますので、長期的なビジョンでリノベーション計画を立てましょう。
⑦ 空き家バンクの利用
空き家バンクとは、「空き家を貸したい・売りたい人」と「空き家を借りたい・買いたい人」をマッチングするサービスのことです。
空き家所有者は空き家バンクに登録するとともに物件情報を掲載し、利用希望者が出てきた場合には当事者同士で交渉・手続きを行うのが大きな特徴です。
富山県の場合、空き家バンクでの住宅取得や取得後の改修などに使える補助金が用意されていますので、他の方法で売却できなかった場合でも購入希望者が現れる可能性はあるでしょう。
【借りたい方向け】富山県での空き家の探し方
ここからは「空き家を借りたい方向け」に、富山県での空き家の探し方を紹介します。
物件探しについては主に以下4つの方法があり、順に解説していきますので参考にしてください。
1.空き家マッチングサービスの利用 2.地域の不動産屋を利用する 3.賃貸・不動産のポータルサイトを利用する 4.空き家バンクで探す |
① 空き家マッチングサービスの利用
空き家マッチングサービスとは、「空き家を買いたい・借りたい人」の悩みや要望を事前にヒアリングした上で相性の良い物件を紹介するサービスです。
前述の空き家バンクの場合、物件情報はWebサイトなどに公開されており誰でも確認できる状態となっていますので、魅力的な物件は競争になってしまうことも珍しくありません。
一方の空き家マッチングサービスでは、世間に出回っていない物件を紹介してもらえるため、思わぬ掘り出し物に出会える可能性があるのが大きなメリットです。
アキサポでもお客様からの希望条件などをもとに物件探しのサポートをしていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
② 地域の不動産屋を利用する
空き家を借りたいエリアがある程度絞り込めている場合は、地元の不動産屋を直接訪ねるのも手です。
気になる空き家があるエリアの不動産屋を利用すれば一般市場に出回っていない物件を紹介してくれる可能性がありますし、そこでしか聞けない詳細情報を得られるのが大きなメリットでしょう。
ただし、気になるエリアが遠方の場合は時間やコストの問題がありますので、事前に下調べをした上で候補地を絞り込んでから足を運ぶのがおすすめです。
③ 賃貸・不動産のポータルサイトを利用する
SUUMO、HOME’Sなどの賃貸・不動産のポータルサイトは、大まかな物件情報を把握したい際に便利なサービスです。
エリアだけでなく、物件のこだわりなども細かく指定して検索できますし、インターネットですから時間や場所に縛られることもありません。
ただし、掘り出し物に出会える可能性は少なく、掲載されている情報だけでは不十分なケースも多いため、気になるエリア・物件が見つかった場合は現地に出向くか、不動産会社に直接問い合わせることをおすすめします。
④ 空き家バンクで探す
富山県では全15市町村が空き家バンクを設置しているため、物件探しにも活用できます。
ただし、登録されている物件の大半は「売買用」となっており、賃貸用の物件は少ないのが現状です。
もちろん交渉次第で借りられる可能性もありますが、物件数自体が少ないことを考えると、他の方法と並行しながら利用するのが効率的でしょう。
富山県の空き家リノベーション・活用のまとめ
富山県では近年急速に空き家率が増加していますが、全15市町村が空き家バンクを設置するなど、空き家の利活用促進に向けて行政も力を入れています。
ただし、空き家の使い道は豊富に用意されているだけに、立地や建物の特性などに合わせた適切な使い道を選択できるかどうかが成功の秘訣だといえるでしょう。
適切な判断を下すためには専門的なノウハウや経験が求められますので、多種多様な空き家の利活用をサポートしてきたアキサポまでお気軽にお問い合わせください。