公開日:2022.08.30 更新日:2024.11.20
本当に解体して大丈夫?空き家解体のメリット・デメリット、その他の手段について
空き家を解体するか否か、空き家を持っている方にとって大きな悩みですよね。「管理は大変だけど壊すのはもったいない」というケースが多いはずです。この選択肢を決断するためには、空き家解体のメリット・デメリットや費用相場などを知る必要があります。
この記事では、空き家解体をどう決断していくべきか、基礎からわかりやすく解説します。
目次
空き家を解体することのメリット・デメリットを抑えよう!
家を解体することには、状況によってメリットもデメリットもあります。
メリットとデメリットについて、それぞれ3つずつ紹介します。
解体の3つのメリット
家を解体することのメリットは、以下の3つです。
1.家の倒壊や防犯リスクがなくなる 2.売却における流通性が高くなる 3.管理・維持コストを削減できる |
ひとつずつ見ていきましょう。
① 家の倒壊や防犯リスクがなくなる
家を解体すると、倒壊・防犯リスクがなくなります。
住み続けていれば問題ないですが、人が住んでいない家であれば劣化のスピードは想像以上に早いもの。表面上は見えない基礎の部分や柱や梁などがシロアリに食い荒らされてボロボロになったり、度重なる地震で家にダメージが与えられたりと、倒壊のリスクは上昇していきます。
また、一軒家に日常的に人がいる気配がなければ犯罪者の住処となるリスクや、放火犯に狙われるリスクもあります。
家を解体することでこれらのリスクがなくなるメリットがあります。
② 売却における流通性が高くなる
売却を検討している場合、家を残したまま売却する方法と、家を解体して売却する方法の2種類があります。家がかなり古くなっていたり劣化が激しかったりする場合には、解体してから売却するほうが売れやすいことが多いです。
土地の購入を検討している人は、新築を建てようと考えているケースが多いため、古い家が建っている土地では解体するところからやらなければならないため、購入を敬遠されやすくなります。そのため、解体したほうが売却における流通性が高くなります。
③ 管理・維持コストを削減できる
家を解体すれば、管理・維持コストを削減できます。実家を相続した場合などで、自分が住まなくても維持・管理をしなければならない場合も考えられます。
例えば、遠方であれば通うための交通費や、建物の修繕費、庭の手入れのための費用など、思った以上に費用と労力がかかります。定期的に巡回しにいくだけでも大変でしょう。
これらのコストを削減できるメリットがあります。
解体の3つのデメリット
家を解体することの3つのデメリットは以下のとおりです。
1.解体費用がかかる 2.減税措置が受けられなくなる 3.建物ありの方が売れるケースがある |
それぞれ見ていきましょう。
① 解体費用がかかる
家を解体するには多額の費用がかかります。構造や規模などにもよりますが、例えば木造住宅では3~5万円/坪が相場となっているため、30坪だと90~150万円はかかるでしょう。そのため、数十万~数百万円はかかると見積もっておかなければなりません。
② 減税措置が受けられなくなる
家を解体すると、固定資産税と都市計画税の減税措置が受けられなくなります。
建物がある状態であれば、固定資産税は最大で1/6、都市計画税は最大で1/3まで減額されます。解体して建物がなくなると減税措置が適用されなくなるので、家を解体しない人も多く、空き家が増える原因にもなっています。
③ 建物ありの方が売れるケースがある
建物なしのほうが売れやすいケースもありますが、反対に建物ありのほうが売れるケースもあります。例えば、古民家をリノベーションして住みたい、土地によっては建物を新しく建てられないから最初から建物付きの土地を買いたいなどの需要があります。
解体したほうが売れやすいと予想して解体したとしても逆に売れにくくなってしまう可能性があるデメリットがあります。
空き家解体は一長一短。目的に応じて慎重に検討しましょう!
空き家解体のメリットデメリット
メリット | デメリット |
家の倒壊や防犯リスクがなくなる | 解体費用がかかる |
売却における流通性が高くなる | 減税措置が受けられなくなる |
管理・維持コストを削減できる | 建物ありの方が売れるケースがある |
メリット・デメリットの中で最も重視すべきなのが「家の倒壊や防犯リスクがなくなる」点です。安全は何よりも優先すべき点であり、周囲に実害を与えることは避けねばいけません。
その点が問題無ければ、解体した場合としない場合のコスト面を比較して検討しましょう。デメリットの「減税措置が受けられなくなる」点は、長期化するほど負担が大きくなるため注意が必要です。
もし、空き家解体後の土地活用や解体の判断に迷ったら空き家の専門家である「アキサポ」までぜひお気軽にご相談ください。アキサポでは、空き家を解体せず建物をリノベーションする場合、所有者様の費用負担0円でリノベーション可能です。所有者様のご希望やお考えもお聞きしたうえで、どのように活用するかを一緒に検討していきましょう。
空き家の解体費用相場を知ろう!
一軒家の空き家の解体費用は、立地や構造などのさまざまな要素によって大きく変わってきます。
解体費用を左右する要素と、解体費用相場について解説します。
解体費用はなににより変わるのか?
解体費用は建物の立地・構造・規模により変わります。
例えば、建物の立地が悪く解体作業を行うための重機が入っていけずに人力での作業が増える場合は値段が上がります。また、建物の構造が木造なのか鉄骨造なのか、1階建てか2階建てなのかの構造によっても費用が変わります。当然、解体にかかる労力が変わるために規模の大きさによっても費用が変わります。
解体の費用相場表
一軒家の空き家解体にかかる、構造×規模の費用相場は以下のとおりです。
木造 | 3~5万円/坪 |
鉄骨造 | 5~7万円/坪 |
鉄筋コンクリート(RC)造 | 6~8万円/坪 |
つまり、例えば40坪の一軒家を解体する際にかかる費用は、木造住宅なら120~200万円、鉄骨造なら200~280万円、鉄筋コンクリート(RC)造なら240~320万円程度が相場になります。
また、都道府県別に見る相場は、クラッソーネさんの一戸建て解体費用の坪単価(地域別相場)の地域ごとの相場一覧によると、以下のとおりです。
都道府県 | 家屋解体費用の坪単価相場(木造30坪程度) |
---|---|
北海道、宮城県、秋田県、富山県、石川県愛媛県、高知県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県 | 20,000~30,000円 |
青森県、岩手県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、福岡県、長崎県、鹿児島県 | 25,000~35,000円 |
東京都、神奈川県 | 30,000~40,000円 |
最後に付帯工事別の相場は以下のとおりです。
付帯工事の種類 | 費用 |
---|---|
家屋内の残置物撤去 | 8,000~10,000円/約1㎡ |
ブロック塀解体 | 10,000円/1本 |
庭木の撤去 | 2,000~3,000円/約1㎡ |
庭石の撤去 | 10,000円/約1t |
倉庫の撤去 | 20,000~30,000円/1個 |
門・フェンスの撤去 | 20,000円/1組 |
参考: 解体費用シミュレーター|2021〜2023年度国土交通省空き家対策モデル事業採択|提供:株式会社クラッソーネ
解体費用を左右する要素
解体費用を左右する要素は以下のとおりです。
・建物の立地 ・建物の構造 ・建物の規模 ・その他 |
それぞれ見ていきましょう。
建物の立地
立地が悪ければ建物の解体がしにくくなるため、費用が上がる要因になります。
例えば、立地が悪く、解体用の重機が入っていけない場合には人力で解体する部分が増えることにより労力がかかるために費用がかかります。重機が入れても動きにくかったり、電線が張り巡らされている立地や傾斜地だったりと、解体に不利な立地であればあるほど費用が上乗せされます。
建物の構造
建物が何で造られているかによって解体費用が変わってきます。
例えば、木造なのか、鉄骨造なのか、RC(鉄筋コンクリート)造なのかなどによって、解体のしやすさが変わるため坪単価が変動します。
また、造りだけでなく建物が1階建てなのか2階建てなのかのように、住宅の階数によっても費用が変わります。ちなみに、例えば同じ坪数であれば、意外に感じるかもしれませんが平屋より2階建てのほうが解体費用が安くなる傾向にあります。平屋のほうが費用のかかりやすい基礎部分や屋根の部分が広くなるからです。
建物の規模
建物の規模が大きくなればなるほど当然、解体費用は高くなります。
また、建物の規模が大きく、敷地いっぱいに建っている場合、重機を搬入できずに使用できないことも。そうすると、重機が敷地内に入れないので建物周辺の道路を使って解体することになります。道路の使用許可をとったり、警備員を配置する必要があったりと手間がかかる分費用が高くなる傾向にあります。
また、一部を手作業で解体してスペースを確保した後に、重機を入れて本格的な解体作業をする場合も、すべてを重機で解体する場合に比べると高くなりやすいです。
その他
空き家の中の残置物や庭木の撤去、ブロック塀の解体などの付帯工事があると、追加で費用がかかります。また、有害物質であるアスベストが使用されている場合には、解体時に特別な処理が必要となるため費用が上乗せされます。
空き家を解体する前に、有効活用できないかを考えてみよう!
空き家は解体する前に、有効活用できないか考えてみましょう。空き家を活用する方法として、主に以下の5つがあげられます。
1.空き家を建物ごとそのまま売却 2.空き家を解体し更地にして売却 3.不動産業者に直接売却 4.第三者に無償で譲渡 5.リノベーションして貸し出す |
大きく分けて「売却」「譲渡」「有効活用」の3種類に分けられます。それぞれメリット・デメリットがあるため詳しく見ていきましょう。
①売却|空き家を建物ごとそのまま売却
空き家をそのまま売却する方法は、なるべく早く、手間をかけずに空き家を現金化したい場合におすすめの方法です。主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
・費用を抑えられる ・すぐに売却に動くことが可能 |
デメリット
・売れにくい場合がある ・売却が長引くと建物の劣化が進む ・残置物撤去が必要な場合が多い |
費用や時間を節約できる反面、空き家の状態によっては売れにくかったり、売り手が付かないと余計に劣化したりといったデメリットがあります。この方法を検討する際には、建物が買い手が付きそうな状態か不動産会社に確認しておきましょう。
また、仲介売却の場合、不動産会社に3%+6万円から5%の仲介手数料が発生します。建物に残置物がある場合、残置物撤去費用も必要になります。
②売却|空き家を解体し更地にして売却
更地にしてから売却する方法は、自由に建物を建築できるため、空き家がある状態より買い手が見つかりやすい傾向にあります。建物の劣化がひどく価値が無い場合や土地の価値が高い場合などに検討したい方法です。
メリット
・建物付きより売れやすい傾向がある |
デメリット
・解体する時間と費用がかかる ・固定資産税が高くなる |
解体費用の相場は、木造が120万~200万円、鉄骨造が200万~280万円、鉄筋コンクリートが240万~320万円ほどです。
ちなみに、アスベストが含まれている場合は、追加費用として1平方メートルあたり1万~8万5,000円が必要になることが一般的です。
③売却|不動産業者に直接売却
いち早く売却したい場合は、不動産業者に直接売却、つまり空き家買取を活用しましょう。買い手を見つける手間がないため、時間もコストも少なく済みます。
ただし、空き家買取の相場は仲介売却の約7割と安くなっています。空き家自体の資産価値が高い場合は、売却方法をよく考えた方が良いでしょう。
メリット
・買い手を見つける手間が省ける ・売却までが早くすぐ現金化出来る |
デメリット
・買取価格が安くなる |
また、売却手数料ですが、空き家買取に手数料は必要ありません。
④譲渡|第三者に無償で譲渡
「売却が難しい」、「とにかく早く処分したい」という場合は、他人に譲り渡す「譲渡」を選ぶ方法もあります。ただ、空き家の状態が悪すぎたり、土地に価値がなかったりすると譲渡先を見つけるのが難しくなるため注意しましょう。
メリット
・はやく手放しやすい ・売却が難しい物件を処分可能 |
デメリット
・売却益がない |
また、完全な譲渡ではありませんが、市区町村が運営している空き家バンクを利用する方法もあります。空き家バンクはより多くの人に見てもらえるため、格安で登録してみるのも一つの手です。
なお、譲渡は手数料がかかりませんが、個人が法人に譲渡する場合、譲渡側にみなし譲渡所得税が発生する場合があります。
⑤有効活用|リフォーム・リノベーションして貸し出す
空き家を貸し出すことができれば、今まで負債だった空き家が継続収入を生み出す資産として生まれ変わります。空き家の状態が良い場合や立地が良い場合、リノベーションをする余力がある場合などは検討してみましょう。
メリット
・自己負担0円でリノベーション、資産価値の向上ができる ・毎月家賃収入が入ってくる |
デメリット
・元の姿のままの保持は難しい |
空き家を貸し出す場合に課題となるのが「初期投資」です。空き家をそのまま貸し出せるケースはまれで、多くの場合、水回りや破損個所などのリノベーション・修繕が必要になってきます。これらの相場は100万~1000万円以上で、空き家を貸し出す大きなハードルとなっています。
じつは、そんな課題を解決する方法として「空き家活用サービス」というものが存在します。例えば「アキサポ」では、アキサポがオーナー様から空き家を借上げ、アキサポの費用負担でリノベーションや修繕を実施、借り手を見つけて月々の賃貸料の一部からそれらの費用や利益を得るという仕組みで運営しています。
つまり、自己負担0円で空き家の活用が始められるということです。空き家で少しでも悩んでいる方は、一度検討してみてはいかがでしょうか?
空き家を解体するべきか否か、判断基準は?
空き家の解体はまず資産価値の有無から考えること。そして、解体した場合の影響についても考えましょう。
まず前提として、特定空き家に指定されている場合は解体を検討しましょう。特定空き家に指定されるほど空き家の状態が悪いと考えられるため、資産価値がないケースが多いです。
特定空き家に指定されていなくても、空き家の劣化・破損がひどい場合は解体が選択肢に入ってきます。
また、土地に価値があり、空き家がない方が買い手を見つけやすい場合も解体を検討すべきです。
一方で売却や賃貸を検討すべきなのは、空き家の状態が良く、空き家に価値がある場合です。
また、特殊な例として、空き家を壊してしまうと再建築が難しくなる場合も売却や賃貸を検討しましょう。例えば、市街化調整区域というエリアでは、更地から住宅を建築できる「人」が限定されている場合があります。しかし、既存の建物を建て替える、用途を変更するといった手段であれば、人が限定されないこともあるのです。
この判断は「都市計画法」や「建築基準法」などの法律によって行われます。専門知識を有するため、不動産会社に相談するのが良いでしょう。
空き家解体には費用がかかる、自己負担0円で活用という手段も検討!
空き家の解体費用は安くても100万円以上必要で、場合によっては数百万円に及ぶことも。解体後に回収できる見込みがないと手が出しにくいですよね。
じつは、そんなときの解決策として「空き家活用サービス」という選択肢があるのをご存知でしょうか?
空き家活用サービスとは、事業者が空き家を借上げてリノベーション・修繕を行ったのちに貸し出すというもの。自己資金0円から始められますし、さらに月々の賃料の一部が還元されるため継続収入にもつながります。
私たち「アキサポ」はそんな空き家活用サービスの第一人者で、数多くの空き家活用に取り組み、そしてオーナー様や地域の方々に喜んでもらえるように生まれ変わらせています。
空き家を「負債」として判断してしまうのは簡単ですが、資産としての可能性をすぐに諦めてはいけません。
空き家を少しでも活用したいと考えているなら、ぜひ一度アキサポにご相談ください。
まとめ
空き家の解体費用の相場は、木造が120万~200万円、鉄骨造が200万~280万円、鉄筋コンクリートが240万~320万円ほどとかなり高額。しかし、空き家を放置したリスクも大きいため放置はできません。
ほかの解決策として、売却、賃貸、譲渡、アキサポをはじめとする空き家活用サービスの検討も考えてみましょう。
アキサポでは空き家関連のお悩みを幅広くサポートしていますので、興味がありましたらお気軽にご相談ください。