公開日:2022.04.04 更新日:2024.01.08
内装リフォームの費用相場と注意点
自分で住むためであったり、誰かに貸し出したりするなど、空き家を使っていこうと考えて内装のリフォームを検討するケースは多いです。
そこで今回は、そもそも内装リフォームって何?というところから、内装リフォームの種類と費用相場、注意ポイントなどについて解説します。
1.内装リフォームとは?
まず、内装リフォームとはどのようなものを指すのでしょうか。
内装は、部屋の内側の部分である壁や天井、床などの装飾、水回りの設備などを指し、その一部もしくは全てのリフォームを行うことを内装リフォームといいます。
内装のリフォームといえば、水回りの工事をしたり家族構成の変化によってバリアフリー化をしたりなど幅広くいろいろなことができます。より住みやすくなったり、気分も変わったりなどの利点があるのが内装リフォームです。
ただ、多くの箇所を一気にリフォームすると多額の費用がかかることも。気になる部分から優先して一部のみリフォームをして、最小限のリフォームで住みやすくすることもできます。
2.内装リフォームの種類と費用の相場
具体的に内装リフォームにはどのようなものがあって、いくらくらいかかってくるのでしょうか。内装リフォームの種類と費用相場について見ていきましょう。
2-1.内装リフォームの種類
内装リフォームの種類は大きく分けて以下のようなものがあります。
・クロスの張り替え ・フローリングの張り替え ・お風呂リフォーム ・トイレリフォーム ・キッチンリフォーム |
それぞれの内容についても見ていきましょう。
2-1-1.クロスの張り替え
クロスは英語で布や生地という意味で、リフォーム業界でクロスといえば壁紙を意味します。
壁紙は布や紙でできていたり、土壁や漆喰などの塗り壁であったりと種類がさまざまありますが、日本の住宅の多くは、塩ビ素材という、ビニールクロスが使用されています。
クロスを張り替えるタイミングは、劣化や汚れが目立ってきたり破れてしまったり、部屋の印象をガラッと変えたいときであったりと状況によりけり。目安としては、クロスの耐用年数は6年といわれており、6年以上経つと下地を保護する機能なども低下してくるので、張り替えを検討する段階に入って来るでしょう。
2-1-2.フローリングの張り替え
床材には、主に以下の5種類があります。
・フローリング ・クッションフロア ・フロアスタイル ・カーペット ・畳 |
種類と工法、張り替える面積によって張り替え費用が変わってきます。
床材が剥がれたり傷が目立ってきたり、日焼けによる色あせが目立ってきたりなどした場合に床材の張り替えを検討するのが一般的です。
また、床材の種類によって、フローリングは15~20年、畳は10~15年、クッションフロアは10年ほどが張り替え時期の目安です。
2-1-3.お風呂リフォーム
お風呂には、在来浴室とユニットバス、ハーフユニットバスの3種類あります。
在来浴室はタイル張りで、ユニットバスはパーツを組み立ててできているものです。
在来浴室は昔ながらの浴室工法で、築20年くらいを過ぎるとタイルがひび割れをしてきて水漏れが起きたり、シロアリが発生したりなどのトラブルが発生する可能性が高くなります。
ユニットバスは壁や天井、浴槽などのそれぞれのパーツを工場で作ったあと、施工現場で組み立てる形式をとっています。
全体として継ぎ目のない構造で水漏れトラブルのリスクが在来浴室に比べて少なかったり、パーツを組み立てるタイプなので工期が短くなりやすかったりとメリットも多いため、お風呂のリフォームでは在来浴室をユニットバスに交換するものが多くなっています。
ハーフユニットバスは、一般的に床から浴槽の立ち上がり、壁の下部部分までが一体となっているものを指します。システムバスの下半分がユニット化されたものと考えるとイメージしやすいでしょう。
ハーフユニットバスは、壁の上の部分や天井の仕上げを自由にできる点がいちばんの魅力。ユニットバスと在来浴室のいいとこどりで、好みの素材を取り入れた空間を実現できます。
2-1-4.トイレリフォーム
トイレのリフォームは、便器の交換や和式から洋式への交換、新設工事や壁紙や床材の張り替え、交換などがあります。他にも手すりをつけることもあります。
トイレのリフォームは内容にもよりますが数日かかるのが一般的なので、その間は近所のコンビニなどを利用したり、介護用ポータブルトイレや災害用の簡易トイレを用意したりして対策します。
2-1-5.キッチンリフォーム
キッチンのリフォームは、リフォーム内容によって大きく変わってきます。
コンロやレンジフード、食洗機の交換のみの部分的な工事から、壁材や床材も張り替えたりシステムキッチンを導入したりと全体的な工事までさまざまあります。
システムキッチンは壁付け式のI型やL型だったり、人気の対面式のペニンシュラ型やアイランド型だったりとキッチンの種類によって値段が変わってきます。
2-2.内装リフォームの費用相場
内装リフォームの種類ごとに費用相場を見ていきましょう。
2-2-1.クロスの張り替えの費用相場
クロスの張り替えにかかる費用相場は、以下のとおりです。
・一般型クロス:1,000~1,500円(1㎡あたり) ・量産型クロス:800~1,000円(1㎡あたり) |
一般型クロスは量産型クロスに比べると高額ですが、デザインも独創的でおしゃれなものが多く、こだわりのある人におすすめです。アクセントクロスとして一般型クロスをあて、大きい面積の部分は量産型クロスをあてると費用を抑えられるでしょう。
2-2-2.フローリングの張り替えの費用相場
フローリングの張り替えにかかる費用相場は以下のとおりです。
・集成材を使ったフローリング:50,000~100,000円(6畳あたり) ・無垢材を使ったフローリング:100,000~250,000円(6畳あたり) |
フローリングのリフォームにかかる費用は、床材の材質によって大きく変わってきます。
無垢材とは、丸太から切り出した自然な状態のままの木材を指し、品質にばらつきはあるもののひとつひとつの木材に味があるのが特徴です。集成材は無垢材に比べて費用が安くなりやすく劣化もしやすいのが特徴です。
2-2-3.お風呂リフォームの費用相場
お風呂リフォームにかかる費用相場は以下のとおりです。
・ユニットバス交換:800,000~1,500,000円 ・在来浴室からユニットバスへの工事:1,000,000~1,500,000円 |
お風呂リフォームの中でも、手すりを設置したりドアを交換したりなどであれば数万~数十万円で済む場合が多いのですが、細かな部分のリフォームを複数回に分けて行うと全体リフォームに比べて割高になってしまう可能性があります。
そのため、築10年以上であれば全体のリフォームを考えたほうが長期スパンで見ると安くなるかもしれません。
2-2-4.トイレリフォームの費用相場
トイレのリフォームにかかる費用相場は以下のとおりです。
・便器の交換:100,000~300,000円 ・和式から洋式への変更:200,000~500,000円 ・トイレの新設工事:500,000~700,000円 |
トイレのリフォームにかかる費用は、トイレのグレードであったり、和式から洋式へと変更する際の工事内容によっても変動があったりします。
和式から洋式への変更では、もともとの和式が水洗式か汲み取り式かによっても費用が大きく変わり、汲み取り式の和式から洋式への変更は工事様式によって変わりますが400,000円~高ければ2,000,000円ほどかかる場合もあります。
2-2-5.キッチンリフォームの費用相場
ここではシステムキッチン導入のリフォームにかかる費用相場を見てみます。
・スタンダードグレードシステムキッチン:300,000~1,000,000円 ・高グレードシステムキッチン:1,000,000~1,500,000円 |
システムキッチン導入のリフォームは、導入するキッチンの種類やグレード、キッチンの位置によって大きく価格が変動します。
壁付けのキッチンではなく、対面式のアイランド型のキッチンなどにリフォームする場合だと、電気・ガス・水道の配線を変えるために壁の工事をしなければならないなど大がかりになればなるほど費用もかかります。
3.内装リフォームで注意しておきたいポイント
内装リフォームで注意しておきたいポイントは以下のとおりです。
・完成後のイメージを丁寧にしておく ・最適なタイミングや時期を考える ・今後の使用目的を考える |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.完成後のイメージを丁寧にしておく
完成後のイメージをしておくことが大切です。
クロスやフローリングの張り替えに使う材質を、一部のサンプルだけ見て早急に決定すると全体に貼ったときにイメージと大きく違うということが起きる可能性があります。
クロスの出来上がりイメージは、できるだけ大きめのサンプルを用意してもらったり、サンプルを実際に張り替える壁にあててみることで想定に近づけることができます。
フローリングは、デザインだけでなく手触りも大切です。小さなお子さんがいる家庭であったり、寝転がって過ごすことが多かったりする場合にはより一層の配慮が必要です。
また、リフォームした部分と既存の部分の調和が取りにくいのがリフォームの難しいところ。内装の一部のみリフォームする場合、全体のバランスを見て行わなければ一部だけ浮いてしまい、統一感のなさに納得できなくなってしまうので注意が必要です。
3-2.最適なタイミングや時期を考える
内装リフォームをしようと考えるタイミングは、住宅設備が壊れたり家が古くなってきたなと感じたり、間取りを変えて気分も変えたかったり、老後に備えたかったりとさまざまです。
それぞれのリフォームに最適な時期の目安は、住宅設備の耐用年数によって判断できます。
あくまでも目安ですが、参考にしてみてください。
築5~10年 | フローリングの補修 クロスの張り替え 天井の塗り替え 浴室ドアの交換 システムキッチンのシンク交換 |
築10~15年 | 畳の張り替え 木材系の壁の補修 天井のメンテナンスキッチン、トイレなど水回りの部分修理 |
築15~20年 | カーペット・フローリングの張り替え壁の塗り替え |
築20年以上 | タイル床の補修 |
3-3.今後の使用目的を考える
現在住んでいる住居のリフォームなら今後のライフスタイルを考慮し、さらに空き家のリフォームであれば、貸出をしたり売却をしたり自分で住んだりなど、使い方の幅も広く検討でき今後どのような使い方をしていくのかをしっかり考えなければなりません。
使用目的によってリフォームの仕方が変わってくることもあるからです。
たとえば、自分で住んでいくのであれば家族構成によってはバリアフリーを積極的に考えたり、小さなお子さんに合わせた設計にしたりすることもあるでしょう。
貸し出す場合でも、住居用で貸すのか、事業用で貸すのかによっても変わるでしょう。目的を考えると自分でリフォームをしないほうがいいケースなどもあります。
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4.まとめ
内装リフォームは、家全体のイメージを変えたり不具合を解消したりできる反面、計画性を持って実施したり複数会社に相見積もりをとったりしなければ思わぬミスに繋がってしまうこともあります。
少しでも費用を抑える工夫をするために必ず相見積もりをとることと、失敗して後悔しないためにも計画性を持って行いましょう。