公開日:2022.01.13 更新日:2024.02.14
静岡県の空き家活用方法を徹底解説!自己負担0円でリノベーションし賃貸収入を得る方法とは?
静岡県の空き家をリノベーションして活用するには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか?静岡県内の空き家事情や空き家の需要はもちろん、かかる費用も気になりますよね。
そこでこの記事では、静岡県で空き家活用をする際の基礎知識やポイント、リノベーションの費用相場などを解説します。
目次
静岡県の空き家事情
まずは総務省による「平成30年住宅・土地統計調査」をもとに、静岡県の空き家事情を説明します。
静岡県 | 全国順位 | |
---|---|---|
空き家数 | 281,600軒 | 10位 |
空き家率 | 16.4% | 13位 |
静岡県は、空き家数が全国10位、空き家率が全国13位と、空き家数・空き家率共に高くなっています。
空き家数・空き家率共に高いのは全国的に見ても珍しいエリアです。例えば、空き家数全国1位の東京都は空き家率が全国45位ですし、空き家数第2位の大阪府は空き家率が全国22位です。空き家数全国9位までを見ても、空き家率の順位とは差があります。
静岡県の空き家数と空き家率が高い理由は、「二次的住宅」つまり別荘の多さが一因と考えられます。別荘地エリアの空き家率を見ると、熱海市で52.7%、伊東市で39.3%、伊豆市で35.8%など、極めて高くなっています。
二次的住宅を除くと、空き家率の順位は全国27位まで下がります。つまり、静岡県の空き家率の高さには、別荘地の存在が大きくかかわっているのです。
ちなみに、二次的住宅は基本的に管理されているので、一般的な空き家のように問題になることは多くありません。
静岡県で空き家活用する際に抑えておくポイント
まず覚えておきたいのが、静岡県は「移住希望者が多い」という点です。
出典:2020年移住希望地域ランキング(認定NPO法人ふるさと回帰支援センター)
上記は、2020年に「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」に移住相談があった、移住希望地のランキングです。20歳代以下から60歳代まで、すべての年代で静岡県が1位になっています。
静岡県の人気が高い原因については、「移住者の関心事だけでなく、地域の食材や地酒、謎解きなど、様々なテーマによる集客に成功し、首都圏以外からの参加者を増やした」と解説されており、地域の魅力を多角的に高めようとしているエリアだと考えられます。
また、静岡県は行政による空き家対策のサポートが充実しています。
例えば、空き家相談は、不動産・法律・税金・建築の専門家にワンストップで相談できる「空き家に関する相談会」がありますし、空き家の流通を助ける「空き家バンク」は、「ふじのくに空き家バンク」という県全域の空き家を検索できるWebサイトがあります。
つまり、静岡県は空き家の需要が高く、空き家のマッチングがしやすい環境が整えられたエリアと言えるでしょう。
静岡県で空き家をリノベーションし賃貸物件として活用する方法
静岡県で空き家活用を始めるには、エリアの需要に合わせた用途の提供を念頭に置いて取り組みましょう。そこで必要になるのが、空き家に新たな価値を与える「リノベーション」です。
エリアごとの特徴や空き家需要はおおむね以下のようになっています。
・伊豆地域(熱海市、伊豆市、伊東市など):首都圏からのアクセスに優れ、温泉地をはじめとした観光地として人気 ・東部地域:(沼津市、三島市、富士市など):富士山にほど近く、豊かな水に育まれた食材が豊富。新幹線をはじめとした交通アクセスに優れる ・中部地域(静岡市、焼津市、藤枝市など):静岡県における商業・文化の中心。北部には南アルプス、南部には駿河湾と、多様な自然環境が広がる ・西部地域(浜松市、磐田市、掛川市など):愛知県に隣接し、中京圏へのアクセスに優れる。自動車関連産業をはじめとしたものづくりが盛ん |
エリアによって特徴や需要が大きく異なることが分かります。では、実際にリノベーションをするにはどの程度費用が必要なのか、具体的な相場を見ていきましょう。
空き家のリノベーションには費用がかかる
箇所別のリノベーションの費用相場は以下のとおりです。
居住空間関係
水回り関係
内装・外装関係
その他
出典:部位別リフォーム費用一覧(国土交通省)
総合的なリノベーションの額を見積もるには、上記の表から必要な工事を選んで積み上げます。
例えば、住居として貸し出すのであれば、キッチンやトイレなどの水回りや、居室の床、壁などを工事することが多いですし、飲食店として貸し出すのであれば、キッチンや間取りの大幅な工事が必要になることが多いです。
なお、リノベーション費用は、使う材料のグレードや施工範囲の広さによって変動します。
例えば、高級なシステムキッチンは単体の価格が高いですし、高機能な屋根材・壁材は面積あたりの施工額が高くなるため合計額が大幅に上がる可能性があります。
なお、空き家全体を「フルリノベーション」する場合は、さまざまな工事が含まれているため、㎡単価で計算するのが一般的です。
以下の記事では、リノベーション費用のさまざまな疑問点を解説しています。費用が気になる方は一度目を通してみてください。
自己資金負担0円でリノベーションし活用する方法
リノベーションの相場表を見て、費用の高さからリノベーションを諦めようと考えた方も多いのではないでしょうか。実際、空き家のリノベーションは費用の高さがネックで、初期費用が捻出できずに諦める人も多いのです。
そんな悩みを解決できるのが、自己負担0円(※)から空き家活用を始められる「アキサポ」です。
「アキサポ」は、空き家のマッチングをサポートする「空き家活用サービス」の1つです。リノベーション費用を全額アキサポが負担し、マッチング成立後の賃料から収益を得る仕組みをとっているので、空き家オーナーは元手を用意することなく空き家活用が始められます。
マッチング成立後は、賃料の一部を空き家オーナーに還元しますので、継続収入に繋がります。また、物件の管理や事務手続きもアキサポが行いますので、空き家オーナーの負担が増えることもありません。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
静岡県で空き家リノベーション活用する場合の具体的なイメージ・事例
ここからは、実際に「アキサポ」を利用して空き家リノベーションをした事例を紹介します。今回紹介するのは、以下の3種類です。
1:美容室 → 美容室 2:社員寮 → 大型シェアハウス 3:クリーニング店 → シェアキッチン |
同じ用途で活用した事例もあれば、ガラッと用途を変えた事例もあります。空き家にさまざまな使い道があることを知ってもらえればと思います。
事例1:【東京都品川区】「特定空き家」認定寸前の空き家を美容室へ再生
建築年月 | 不詳 |
延床面積 | 47.75㎡ |
構造 | 木造瓦葺2階建 |
活用事例 | 美容室 |
美容室に使われていた物件を、再度美容室に活用した事例です。東京都品川区「立会川駅徒歩2分」という好立地物件ですが、活用前は約20年間空き家になっていました。
長期間空き家になっていたことにより、建物の外壁は半分なくなり雨ざらし状態に。さらに玄関サッシの割れや、建物の傾きなども発生しており、行政から特定空き家に認定される直前まで進んでしまいました。
そこで、地域ニーズが見込める美容室として活用することに。外壁の張替えや屋根の葺き替え、構造体補強工事など大がかりな工事が必要になりましたが、真新しい美容室に生まれ変わらせることができました。
事例2:【神奈川県川崎市】元社員寮は全77室の大型シェアハウスへ再生
建築年月 | 旧館:築50年、新館:築32年(お問合せ時) |
延床面積 | 2,050.48㎡ |
構造 | 旧館:鉄筋コンクリート造4階建新館:鉄骨造陸屋根3階建 |
活用事例 | 大型シェアハウス |
社員寮として使われていた物件を、20〜30代をターゲットにした大型のシェアハウスに活用した事例です。
大型の物件である点を活かし、個室サウナやコワーキングラウンジ、シアタールームといったさまざまな共有施設を設置。部屋数も全77と、大型シェアハウスならではのメリットが多く詰まっています。
ちなみに、シェアハウスという活用方法は、オーナー様の要望から始まったものです。アキサポが実現可能か調査をした結果、「20〜30代をターゲットにした大型シェアハウス」という方法で実現に至りました。
事例3:【神奈川県横須賀市】60年間続いたクリーニング店は横須賀市内初の空き家を活用したシェアキッチンへ再生
建築年月 | 不明 |
延床面積(2棟) | 約81.18㎡ |
構造 | 木造亜鉛メッキ鉄板板葺2階建 |
活用事例 | シェアキッチン・事務所 |
60年間地域から親しまれていたクリーニング店を、シェアキッチンに活用した事例です。オーナー様からの「立地を活かして賃貸をしたい」という発案から、空き家活用が始まりました。
活用方法は、地域から親しまれていたことを踏まえて、地域の町おこしをコンセプトにすることに。1階は地域の交流の場としてシェアキッチンに、2階は事務所に生まれ変わりました。
なお、1階のシェアキッチンには、横須賀市の「創業チャレンジ拠点整備支援補助金」が活用されています。
静岡県の政府や自治体による空き家活用関連の補助金制度
政府や自治体では、リフォームを対象にした補助金を、目的別に用意しています。主な補助金の種類は以下のとおりです。
≪リフォームを対象にした補助金≫
・バリアフリーリフォーム補助金 手すりやスロープの設置など、バリアフリー化を伴うリフォームが対象 ・耐震リフォーム補助金 耐震診断や耐震改修を伴うリフォームが対象 ・省エネリフォーム補助金 太陽光発電パネルの設置や照明のLED化など、省エネ化を伴うリフォームが対象 |
≪空き家を対象にした補助金≫
・自治体ごとの独自補助金 区や市町村が独自で用意している補助金。内容は自治体ごとに異なる ・古民家解体費用の補助金 老朽化した空き家や危険な空き家を対象とした、解体に使える補助金 |
これらの補助金はほとんどの市町村で用意されていますが、補助額や支給条件は異なっている場合が多いです。また、自治体によっては取り扱っていない場合もあります。
市町村ごとの情報を手に入れるには、静岡県公式の移住・定住情報サイト「ゆとりすと静岡」が便利です。市町村ごとの補助金情報が一覧表や検索から探せます。ただ、最終的には必ず市町村の担当窓口で確認しましょう。
静岡県の補助金を調べる方法は、以下の記事でより具体的に解説しています。補助金の特徴も解説しているので、併せてチェックしてみてください。
静岡県の空き家を活用するその他の方法・手段
空き家活用というと賃貸を想定している方が多いと思いますが、場合によっては売却や解体など、他の方法が選択肢にあがることもあります。
では、どのような場合に他の選択肢を検討するべきなのか、ここでは賃貸を含む7つの方法を解説します。
①リノベーションして賃貸物件として活用
リノベーションして賃貸物件として活用する「空き家活用」は、賃貸物件としての需要が見込めることが基本条件になります。静岡県はエリアによって需要が異なるので、まずは需要のリサーチをして、対応可能か検討しましょう。
ただ、個人で需要のリサーチをするのは難しく、正確な情報を手に入れられない恐れがあります。必ず空き家事情に詳しい専門家に相談して検討しましょう。
「アキサポ」はリサーチや検討を含めて自己負担0円(※)から利用できます。空き家を専門に取り扱ってきた情報やノウハウを活かし、空き家オーナーに最適な方法を提案いたします。
② 建物ごと売却する
建物ごと売却する方法は、建物や土地の価値が高く、まとまった金額が得られる可能性がある場合に選択肢としてあがってきます。売却すると以降の維持管理費がかからなくなるため、固定資産税が気になる場合も選択肢になります。
ほかにも、相続時の清算に際して空き家を換金する場合は、売却を選ばざるを得ません。
なお、売却には以下のように複数の税金や手数料がかかります。額面の売却額と最終的な手取り額には差があるので注意しましょう。
不動産の売却時にかかる税金や手数料
・仲介手数料 ・登録免許税 ・譲渡所得税 ・住民税 ・印紙税 |
空き家の売却時にかかる税金や手数料は、以下の記事で詳しく解説しています。額の算出方法も解説していますので、具体的に知りたい場合はチェックしてみてください。
③ 建物を解体して土地を売却する
建物の状態が極めて悪い場合、なかでも土地の需要がある場合は、建物の解体が選択肢にあがってきます。
空き家を探している人のなかには、土地の立地を求めている人が含まれています。このとき、目当ての土地にボロボロの空き家があると、空き家を解体する費用がかかるので、購入を諦めてしまうかもしれません。
このような場合、先に空き家を解体しておくことで、土地が売れやすくなる可能性があります。
ただ、建物を解体して長期間更地にしておくと、固定資産税が高くなる可能性があります。以下の記事で説明しているので、メリット・デメリットを把握してから解体を検討しましょう。
空き家の解体については以下の記事で詳しく解説しています。
④ 不動産会社に買取してもらう
仲介の手間を省きたい場合や、早く空き家を手放したい場合は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法があります。売却価格が仲介による売却の約7割に下がってしまうデメリットはありますが、仲介より早く・確実に空き家を売却できるメリットがあります。
買取を依頼するときは、複数の不動産会社から見積もりを集めましょう。買取価格は不動産会社によって異なり、100万円以上の差がつくこともあります。
また、エリアの買取相場を知りたい場合は、そのエリアの販売価格を調べて、7割の額を求めると大まかな額を知ることができます。
静岡県の買取相場については、以下の記事で紹介しています。買取のメリット・デメリットをより詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
⑤ 無料譲渡する
売却や買取が難しい場合の最終手段として、無料譲渡という選択肢があります。お金にはなりませんが、空き家を維持管理する手間や費用がかからなくなるので、負担を減らす効果は期待できます。
無料譲渡をするには、知人や親戚に相談するのが一般的です。そのほかに、空き家バンクにただ同然の価格で掲載してもらう方法もあります。
また、譲渡時の注意点として、所有権を移すときに「所有権移転登記」手続きの手数料がかかることを覚えておきましょう。手続き額は、司法書士に依頼する費用を含めて2〜3万円程度です。
⑥ 自分で住む
空き家に自分で住むのも、立派な空き家活用の一つです。居住者がいれば建物の劣化速度が遅くなりますし、放火や盗難などの犯罪リスクも下がります。
住むにあたって、リフォームやリノベーションが必要なことも多いと思います。使えるリフォーム補助金がないか忘れず調べましょう。
⑦ 空き家バンクの利用
空き家バンクは、不動産会社に依頼するよりも気軽に始められる方法です。無料で使えるうえに、自治体が運営しているので安心感もあります。
利用方法は、空き家のある自治体の担当窓口へ行き、所定の書類を用意し、登録手続きをすればOKです。登録に必要な書類も多くありません。
買い手・借り手が見つかったあとは、不動産会社にその後の仲介手続きが引き継がれます。仲介手続きでは、不動産会社に報酬を支払う必要があります。
以下の記事でより詳しく解説しています。空き家バンクを検討するなら、メリット・デメリットや登録条件などを把握しておきましょう。
【借りたい方向け】静岡県での空き家の探し方
ここからは、静岡県で空き家を探している方向けの内容です。空き家を探す方法は主に以下4つの方法があります。
①空き家マッチングサービスの利用 ②地域の不動産屋を利用する ③賃貸・不動産のポータルサイトを利用する ④空き家バンクで探す |
どの方法を選ぶかは、検討段階や空き家を探す目的などから決めます。エリア決めをする段階であればポータルサイトが便利ですし、詳細な条件まで検討したいのであれば、空き家マッチングサービスが適しています。
より詳しく知るために、方法ごとの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
① 空き家マッチングサービスの利用
「アキサポ」をはじめとする空き家マッチングサービスは、空き家の条件にこだわりたい方におすすめの方法です。空き家オーナーと利用希望者の両者に事前聞き取りを行い、条件をすり合わせるので、自分に合った物件を探せます。
取り扱っている物件は、通常の不動産屋やポータルサイトで取り扱っていない場合が多いので、隠れた物件を見つけられる可能性があります。
さらに、「アキサポ」のような空き家専門業者であれば、空き家の情報や活用ノウハウに詳しいメリットも。物件にこだわりたいなら、ぜひ活用したい方法です。
② 地域の不動産屋を利用する
大まかなエリアが決まっているのであれば、そのエリアにある、地域の不動産屋を訪れてみましょう。大手の不動産屋よりも地域に特化した情報が手に入る可能性があります。
なかでも、そのエリアで長く営業している不動産屋は、エリアの住民や業者と交流がある場合があります。大手の不動産屋では手に入らない、ローカルな情報を持っているかもしれない点も訪れるメリットの一つです。
希望に合う物件の取り扱いが無い場合でも、希望条件を伝えておけば、あとで連絡をくれることがあります。物件探しを手伝ってもらいたい場合に頼るのも一つの手です。
③ 賃貸・不動産のポータルサイトを利用する
賃貸・不動産のポータルサイトは、エリアの大まかな特徴を把握したり、相場や環境を比較したりするときに便利です。例えば、ポータルサイトで候補エリアを決めて、空き家マッチングサービスや地域の不動産屋を訪れるという使い方ができます。
ほかにも、情報を一覧で見られたり、地図上で視覚的に物件の場所を把握したりできるのも便利です。これから空き家探しを始めるなら、ポータルサイトを眺めることから始めてみてもよいでしょう。
④ 空き家バンクで探す
空き家バンクは、割安な穴場物件を見つけたいときにチェックしてみましょう。空き家バンクに物件を掲載する人は、その手軽さから利用する場合が多いので、不動産屋には登録されていない、ここだけの物件を見つけられる可能性があります。
静岡県の空き家リノベーション・活用のまとめ
静岡県はエリアごとに地域特性や空き家需要が異なる特徴があります。
だからこそ、空き家リノベーションで空き家に新たな価値を与えることが大切です。しっかり事前調査をして、需要に応えられる使い道を考えましょう。
「アキサポ」なら、事前調査から提案、リノベーションまで、自己負担0円(※)から始められます。本来必要な専門知識や初期費用がなくても、空き家活用を始められるので、ぜひ一度ご相談ください。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。