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公開日:2021.07.29 更新日:2024.08.21

0円物件(無償譲渡物件)とは?空き家が無料となる理由とデメリット

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空き家探しをしていると見かける「0円物件」「無償譲渡物件」というもの。0円で空き家が手に入るとのことですが、どのような仕組みになっているのでしょうか?

そこでこの記事では、0円物件の仕組みや受け渡しに必要な手続き、落とし穴や注意点を解説します。

0円物件とは?無償譲渡物件の正体について

不動産登記権利情報

0円物件(無償譲渡物件)とは、その名のとおり空き家を無償で取引する物件のことです。

通常、空き家の取引には対価が発生しますが、0円物件の場合はさまざまな事情から、対価が無償となっています。

また、通常の取引では不動産会社が仲介しますが、0円物件は金銭のやりとりが発生しないため仲介は入らないのが一般的です。

空き家を無料(0円)で譲る人がいるのはなぜ?

空き家外観

0円物件が発生する裏には、どのような理由があるのでしょうか?無料や0円という言葉は魅力的ですが、不安や疑問を感じる方も多いはずです。

実際、0円物件には「無償」というメリットと同じくらい、またはそれ以上にデメリットが潜んでいる場合もあります。そこでここでは、0円物件が発生する理由を分かりやすく解説します。

「空き家を無料で差し上げます」のカラクリとは

0円物件が発生する最たる原因としては以下の3点が挙げられます。

  • 経済的に負担である
  • 空き家の管理から解放されたい
  • 特定空き家に指定されるリスクがある

事実、空き家にはさまざまな負担やリスクを抱えた物件が多いのが現実です。空き家を無料でも引き渡したい事情とは具体的にどのようなものか見ていきましょう。

理由(1)経済的に負担である

空き家は所有しているだけで、固定資産税や管理費などの金銭的負担を負わなければいけません。また、売却できる可能性が低い土地や建物を所有している場合は、経済的負担から解放されるために無償譲渡を選択する場合があります。

理由(2)空き家の管理から解放されたい

空き家は清掃や修繕、定期的な見回りなどを行っていないと、さまざまなリスクを引き起こします。倒壊・周辺環境への悪影響(庭木が伸びて隣接物件へ迷惑を与えるなど)だけでなく、不法投棄や不法侵入をはじめとした犯罪に巻き込まれるリスクもあり、思わぬトラブルに発展するケースも少なくありません。

そこで、空き家の管理から早期に解放される目的で無償譲渡が選択される場合もあります。

理由(3)特定空き家に指定されるリスクがある

近年社会問題化している空き家問題の対策として、2015年に政府は「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称「空き家対策法」)」を施行しました。

空き家対策法とは、行政が管轄内の空き家に関する情報収集することを可能にしたり、特に管理状態が悪い「特定空き家」に対して助言または指導、勧告・命令・強制執行の措置を実施できるようにしたりなど、空き家の適正管理を推進するための手続きを定めたものです。

このとき、勧告の措置を受けた特定空き家は、固定資産税を1/6または1/3(※)、都市計画税を1/3または2/3(※2)に減税する「住宅用地の特例措置」が解除され、本来の固定資産税及び都市計画税が課せられます。

そのため、特定空き家に指定される前に空き家を手放す目的で、手軽に譲渡できる無償譲渡が選択される場合があります。

※:住宅一戸につき200㎡までは小規模住宅用地として1/6、200㎡を超える分は一般住宅用地として1/3に減額される

※2:住宅一戸につき、200㎡までは小規模住宅用地として1/3、200㎡を超える分は一般住宅用地として2/3に減額される

理由(4)活用が難しい

空き家には、賃貸物件としての活用、土地活用などさまざまな活用方法が存在しますが、建物の状態や立地によっては効果的な活用方法を見つけるのが難しい場合もあります。特に立地上の問題を抱えている場合は、売却も簡単ではなくなるため、「0円」という付加価値がある無償譲渡が選択されることもあります。

以上のように、内容はさまざまですが、無償譲渡を希望する人はそれぞれ「無料でも構わないから譲りたい・引き取って欲しい事情がある」ということがお分かりいただけたでしょう。

言い方を変えれば、0円物件は何かしらの「訳あり物件」である可能性も高いため、元々の持ち主が「なぜ無料でも良いから手放したいのか?」はきちんと確認しましょう。

0円物件(無償譲渡物件)の探し方・取得に際して必要な手続き

0円物件は、通常、不動産情報サイトや不動産屋などでは見つかりません。不動産情報サイトや不動産屋は有料の物件を扱うため、そもそも無償物件を取り扱っていないのです。

では、0円物件はどこで見つけられるのか、ここでは探し方と入手するために必要な手続きについて解説します。

探し方

0円物件を探すには、主に以下の3つの方法があります。

・空き家バンク
・移住希望先の自治体で探す
・知人経由で空き家を無償譲渡してもらう

一番手を付けやすいのが空き家バンクです。空き家バンクは誰でも閲覧でき、Webサイトにも情報が載っているため、家にいながらさまざまな自治体をチェックできます。

移住希望先が決まっている場合は、その自治体の市区町村役所に問い合わせてみるのも手です。自治体の移住担当部署に問い合わせてみると、具体的な情報を手に入れられる可能性もあります。

また、地域に詳しい知人や親戚がいれば話を聞いてみるのもいいでしょう。中には空き家の管理ができず持て余している人もいるため、声をかけてみるのもひとつの手です。

必要な手続き

贈与をするためには、空き家の「所有権移転登記」を行う必要があります。

そもそも0円物件の取引は、金銭が発生しないため「売買」ではなく、多くの場合「贈与」に該当します。贈与とは、他者に財産を無償で譲り渡すことを言い、費用は発生しませんが、譲り受けたものの価額が合計で110万円以上になると贈与税が発生します

0円物件(無償譲渡物件)の譲渡を受けるメリット

0円物件の譲渡を受けると、譲り受ける側にどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを2つご紹介します。

無償で物件が手に入る

当然ながら、空き家という不動産を無償で手に入れられるのが、0円物件の譲渡を受ける最大のメリットです。通常、建物や土地を購入するには多額の資金が必要ですが、0円物件であれば取得コストがかかりません。

このことにより、古い空き家を譲り受けて、改築などに資金を回すことができます。
空き家をリフォームまたはリノベーションして使用しやすくなり、新築や中古物件を購入するよりも安く住める可能性が高くなります。

また、住むだけでなく、賃貸物件などとして活用する方法も考えられます。

補助金や助成金が利用できる可能性がある

0円で譲り受けた空き家をリフォームする、または建て替えなどのために建物を取り壊す際には、地方自治体からの補助金や助成金を利用できる可能性があります。

こうした補助金や助成金は、地方では主に空き家を再生して住宅として活用することで、人口減少や過疎化に歯止めをかけ、地域の活性化を図ることを目指して設けられています。

また、都市部でも、空き家の解体や改修により、地域の景観や安全性を向上させ、住民の生活環境を改善することを目的とした補助金・助成金を設けていることがあります。
補助金・助成金には、空き家の改修に対するもの、空き家の除却(解体や撤去)に対するものなどがあります。

なお、受給条件は自治体によって異なります。詳しくは、事前に空き家のある自治体に確認してください。

0円空き家(無償譲渡物件)の落とし穴・注意点

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無償というところばかり目が行ってしまうと、デメリットや問題点に気付かず取引をしてしまう恐れがあります。空き家の受け渡しが終わってから返すことは困難であるため、事前に落とし穴や注意点を確認しておきましょう。

ここでは以下3つのポイントについて解説します

・書類作成や手続きが面倒
・完全に無料というわけではない
・修繕やリフォームが必要な空き家も多い

書類作成や手続きが面倒

空き家の売買では、不動産仲介業者が手続きや書類作成を行ってくれますが、無償譲渡の場合は自分たちで行う必要があります。

必要になる主な書類と手続きは以下のとおりです

必要書類

・贈与契約書
・所有権移転登記

必要な手続き

・物件調査
・税額の確認
・書類の収集・作成
・贈与契約書などの作成
・書類を法務局へ提出

これらの作業を自ら行うのは大変なので、手続きだけ司法書士のような専門家に依頼する方法もあります。ただ、依頼した場合は費用がかかってしまいます。

完全に無料というわけではない

0円物件では、確かに空き家の購入費用はかかりません。

しかし、住宅取得時には複数の税金がかかるため、「完全に無料ではない」ことも覚えておきましょう。

【0円物件でかかる税金】

■贈与税:個人からの贈与によって財産を取得した場合、その取得財産に課税される税金。相続税評価額をもとに評価額が算出され、110万円(基礎控除)を超えた額が課税対象となる。

■不動産取得税:土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得したときに、取得した方に対して課税される税金。有償・無償にかかわらず課税となる。原則として固定資産課税台帳に登録された固定資産の評価額を課税標準とし、税率を乗じて算出される。税率は、2024年3月31日までに取得した場合、3%で計算。

■登録免許税:空き家の入手時に必要となる「土地と家屋の所有権移転登記」の際にかかる税金。無償譲渡では「贈与」とみなされるため、固定資産課税台帳に記載された価格の2%が課される。

また、これら無償譲渡の際に発生する税金とは別に、空き家を所有することになれば、固定資産税(場所によっては都市計画税)が年1回課税されるため、毎年税金を負担することになります。

修繕やリフォームが必要な空き家も多い

無償譲渡で引き渡される空き家のほとんどは「価値の付かない空き家」です。

そのため、建物の損傷が激しかったり、設備が劣化していたりと、そのままでは使えない物件も少なくありません。

もちろん、こうしたマイナス部分を解消するにはリフォーム・リノベーションなどが選択肢として挙げられますが、施工内容次第では数百万~1千万円を超えるケースもざらにあります。

せっかく0円で空き家を手に入れたにもかかわらず、高額なリフォーム・リノベーションがかかってしまうと、無償譲渡のメリットが小さくなってしまいますから、事前に物件の状態を診断しておくことをおすすめします。

0円物件(無償譲渡物件)を活用する方法

0円物件として空き家を取得した場合、どのように活用できるのでしょうか。ここでは、0円物件を活用する方法をいくつかご紹介します。

自宅にする

最も一般的な0円物件の活用方法は、空き家を自分の住居として利用する方法でしょう。シンプルにいえば、0円でマイホームを手に入れることができます。

ただし、理想は現状のまま手を加えることなく住むことですが、実際にはリフォームやリノベーションのような改修・修繕が必要となるケースがほとんどです。

それでも全体のコストを抑えられ、マンションなどと比べて自由度の高いリフォーム・リノベーションができるのは魅力的です。自分や家族のライフスタイルに合った生活空間を作り上げることができます。

賃貸物件にする

空き家を賃貸物件として活用することも可能です。この場合も、リフォーム・リノベーションが必要となることがほとんどです。

ファミリー向けの賃貸物件にするだけでなく、シェアハウスにするという選択肢もあります。これらにより、家賃として毎月収入を得られるようになります。

賃貸物件として成立させるには、立地などの周辺環境調査や建物の状況調査を十分に行い、入居者のニーズに合った物件にすることが求められるでしょう。

宿泊施設にする

観光地や交通の便の良い場所にある空き家であれば、宿泊施設として活用することも可能です。民泊やゲストハウスとして運営すれば、観光客などから収入を得られるようになります。

0円で取得した空き家を改修して宿泊施設にすることができれば、初期投資を抑えて宿泊業を始められます。

なお、民泊を始めるには、一般的に住宅宿泊事業者として都道府県知事などに届け出を行う必要があり、年間の提供日数は180日(泊)が上限となります。

また、民泊以外の宿泊施設の運営を始めるには、原則として旅館業法にもとづく許可を得ることが必要です。

福祉施設にする

空き家を福祉施設にするという活用方法もあります。特に高齢化が進む地域では、福祉施設に対する需要が増えています。

福祉施設として運営する際は、さまざまな手続きや許認可の取得が必要です。しかし、それらをクリアすれば、地域社会に貢献することができ、施設運営による収入も得られるでしょう。

シェアオフィスにする

空き家をシェアオフィスとして活用する方法もあります。

空き家をシェアオフィスにする場合、企業やフリーランスの個人が、家屋のスペースをシェアして利用することになります。ほとんどのシェアオフィスは、時間に応じた従量課金か、月額での定額課金を選べるシステムです。

開業にあたってはオフィス家具、電話、複合機、インターネット回線などをそろえる必要があり、コストはかかりますが、立地によっては収益性の高いビジネスとなることが期待できます。

トランクルームにする

空き家をトランクルームにして活用することも可能です。トランクルームは物を収納するスペースを貸し出すサービスで、都市部、郊外、地方などを問わずニーズがあります。

既存の建物をトランクルームに転用するのは、古い貸しビルや貸店舗からというケースが大半ですが、空き家を活用できるケースもあります。また、空き家を取り壊してコンテナを置いて、屋外型のトランクルームにするという方法も考えられるでしょう。

【空き家所有者向け】0円ではじめられる無償譲渡以外の物件活用法「アキサポ」

カメヤキッチン外観

ここまでは、「空き家を0円で手に入れたい人」向けに解説してきましたが、ここからは【空き家を所有している方向け】の内容です。

空き家所有者の中には、「空き家を手放したいが売却は難しい」「ベストな活用方法が見つからない」「取り壊しやリフォーム・リノベーション費用がネックで動けない」など、空き家特有のお悩みを抱えている方も多いでしょう。

もちろん、中には選択肢として無償譲渡を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。

ですが無償譲渡はあくまで「0円で空き家を譲り渡す」方法ですから、利益にはつながりません。そこで新たな選択肢として私たちが紹介したいのは、0円ではじめられる空き家活用法「アキサポ」です。

空き家サイクル図

アキサポでは、物件の周辺環境や立地条件など現地調査を行ったうえで、リノベーション・活用プランを提案し、全額費用負担でリノベーション工事を行った後、賃借人・利用者の募集までアキサポがサポート。とにかく初期費用を抑えて空き家活用をはじめたい人にぴったりの仕組みをご用意しました。

アキサポの魅力

事実、アキサポを利用された方の実に88%は「0円で空き家をリノベーション・活用できた」と回答しています。

空き家を手放したい事情をお持ちの所有者の方にとって、空き家の無償譲渡は確かに有効な選択肢のひとつですが、一度空き家を手放してしまえば、もちろん将来的な活用はできなくなってしまいます。

だからこそ、自分の主有する物件にとってのベストな使い道を見出すためにも、無償譲渡を決める前に、私たちアキサポまでご相談ください。

空き家に関する幅広い悩み・疑問に応えてきた経験を活かし、一人ひとりに合ったベストな提案をさせていただききます。

0円物件(無償譲渡物件)まとめ

空き家に購入費用をかけず、0円で物件を入手できる無償譲渡という仕組みは確かに魅力的ですが、無償譲渡では手続きに手間や時間がかかるだけでなく、物件のほとんどは「0円でも良いから手放したい」という事情を抱えた訳あり物件です。

したがって、無償譲渡を検討する際は、「0円でも良いから手放したい理由」を確認した上で、デメリットやリスクについてもあらかじめ承知しておくことが大切です。

逆に物件所有者の方の場合は、無償譲渡だけではなく、「0円ではじめられる空き家活用」という選択肢もありますので、まずは一度アキサポまでお気軽にお問い合わせください。

よくあるご質問

0円物件とは?

0円物件(無償譲渡物件)とは、その名のとおり空き家を無償で取引する物件のことです。
通常、空き家の取引には対価が発生しますが、0円物件の場合はさまざまな事情から、対価が無償となっています。
また、通常の取引では不動産会社が仲介しますが、0円物件は金銭のやりとりが発生しないため仲介は入らないのが一般的です。

空き家を無料で譲る理由は?

0円物件が発生する最たる原因としては、経済的に負担である、空き家の管理から解放されたい、特定空き家に指定されるリスクがあるなどの背景があります。
0円物件は何かしらの「訳あり物件」である可能性も高いため、元々の持ち主が「なぜ無料でも良いから手放したいのか?」はきちんと確認しましょう。

0円物件を取得する際に必要な手続きは?

0円物件は、金銭の取引が発生しないため「売買」ではなく、多くの場合「贈与」に該当します。贈与とは、他者に財産を無償で譲り渡すことを言い、費用は発生しません。
なお、贈与をするためには、空き家の「所有権移転登記」を行う必要があります。
譲り受けたものの価額が合計で110万円以上になると贈与税が発生します。

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