公開日:2021.06.29 更新日:2024.09.02
空き家を相続したらどうする?かかるコストや状態別の対処法を解説
空き家を相続すると、さまざまなコストが生じます。さらに、相続後に空き家を放置し続ければ負担ばかりかかってメリットを得られません。空き家を相続したときにかかるコストを知り、それを上回るメリットを得られるように対処していくことが大切です。
ここでは、空き家を相続した際にかかるコストを解説します。併せて、相続した空き家の対処法を、空き家に資産価値のある場合とない場合に分けてご紹介します。
目次
空き家を相続した場合にかかるコスト
空き家を相続したときは、お金や労力といったコストが生じます。まずは、空き家を相続したときにかかるコストを2つご紹介します。
空き家にかかる固定資産税
毎年1月1日時点で不動産を所有している方は、固定資産税を支払わなければなりません。空き家を相続すると、空き家にかかる固定資産税を支払う義務が生じます。
空き家を含めた住宅用地は、固定資産税などの軽減措置を受けられます。この軽減措置は、小規模住宅用地(住宅やアパートなどの敷地で200平方メートル以下の部分)の場合、固定資産額が6分の1、都市計画税が3分の1まで減額され、一般住宅用地(住宅やアパートなどの敷地で200平方メートルを超える部分)の場合は、固定資産額が3分の1、都市計画税が3分の2まで減額されるというものです。
固定資産税などの軽減措置について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
空き家の維持・管理コスト
空き家を所有すると、適切な管理も行わなければなりません。例えば、空き家の壁が劣化して倒壊し、通行人にケガを負わせるようなことがあると、所有者の管理に問題があるとみなされ、賠償責任を負うことになってしまいます。
定期的に空き家を訪問して換気と清掃を行い、修繕が必要な部分はメンテナンスを行うといった対応が必要です。
また、空き家を放置して周辺に悪影響を及ぼす可能性がある状態になると、特定空き家や管理不全空き家に認定される可能性があります。こうした空き家に認定されて、状態の改善がなされない場合は、前述した固定資産税などの特例措置が利用できなくなるので注意しましょう。
さらに、特定空き家に認定されると、50万円以下の過料の支払い、自治体が強制的に行う解体費用などの負担といった多くのデメリットが生じる可能性もあります。そのため、所有している空き家を適切に管理することが大切です。
空き家を相続した場合は相続登記が必要
2024年4月1日以降、不動産を相続した方は、その後3年以内に相続登記の申請をしなければならないと定められました。空き家の場合も、必ず相続登記を行わなければいけません。
相続登記のためには、登記申請書の作成のほか、戸籍謄本、遺産分割協議書、不動産を相続した全員の住民票の写しといった書類が必要になるため、書類をそろえるだけでも手間がかかるでしょう。相続関連の手続きと併せて、早めに必要書類の取得や登記申請を進めておくことをおすすめします。
空き家の相続登記の義務化について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
相続した空き家に資産価値がある場合の対処法
相続した空き家に資産価値があるときは、状況に合わせて、これからご紹介する方法で対処するようにしましょう。空き家の劣化を防ぐためにも、できるだけすみやかに対処することが大切です。
売却する
空き家を売却すれば、それ以降の管理や固定資産税の支払いといった負担がなくなります。空き家を手元に残しておくよりも売却してすっきりしたいという場合は、購入者を探してみましょう。
空き家を売却する際は、不動産仲介会社に仲介を依頼して購入者を見つけてもらうのが一般的です。購入者が決まると仲介手数料を支払う必要がありますが、見つからなければ費用はかかりません。
売却額の目安なども査定してもらえますから、複数の会社から見積もりをとった上で、依頼する不動産仲介会社を選定することが大切です。
空き家の売却について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
賃貸物件にする
空き家の資産価値が高ければ、賃貸物件にして入居者を募集することも可能です。入居者さえいれば、賃料収入を継続的に得られるというメリットがあります。
ただし、賃貸物件は入居者が入らないと利益を得られません。立地や設備などを確認して、入居者を見込めるかどうか検討しましょう。また、賃貸物件は継続して管理を行う必要があります。管理会社などに一任することもできますが、その場合は別途管理費の負担が生じます。
なお、将来自分や家族が住む可能性があるため一時的に賃貸物件にするなど、状況に合わせて資産を柔軟に活用できる点も、空き家を賃貸物件にするメリットです。
自分の住居にする
空き家を相続した後、自分や家族が住むことも可能です。例えば、これまで住んでいた賃貸物件を引き払って空き家に住めば家賃の節約になりますし、人が住むことで自然と空き家の管理も行えるでしょう。
空き家を住居にできるかどうかは、空き家の立地や現在の住まいの状況によって変わります。無理に引越しをして生活が不便になるようでは本末転倒ですが、現在の住まいよりも生活環境や利便性が向上するのであれば、無理なく空き家を有効活用できます。
相続した空き家に資産価値がない場合の対処法
相続した空き家に資産価値がないときは、放置せずに対処法を検討しなければいけません。放置すると、特定空き家や管理不全空き家への認定、周辺住民とのトラブル発生といった問題に発展するおそれがあるためです。これからご紹介する、いずれかの対処法を参考にしてください。
空き家を解体して更地にする
空き家を解体して更地にしてしまえば、倒壊などのおそれがなくなります。また、不動産の売却を考える際も、資産価値のない空き家が建っているよりは、更地にしたほうが売却しやすいでしょう。
ただし、空き家を解体して更地にすると、前述した固定資産税などの軽減措置が利用できなくなるので注意が必要です。
なお、自治体によっては、老朽化した空き家などを解体した場合は、固定資産税の軽減を一定期間継続する制度を設けているところもあります。これは、固定資産税を理由に、老朽化した空き家が放置されるのを防ぐために設けられている措置です。
寄付する
自治体やNPO法人などが土地の寄付を受け付けているのであれば、寄付するという方法もあります。また、隣の土地の所有者など、土地を有効活用できそうな個人に寄付できる可能性もあります。
とはいえ、寄付を受け付けてもらえるのは、該当の土地に利用価値がある場合なので、必ず寄付が可能とは限りません。更地であることを条件に寄付を受け付けるといったケースもあります。詳細は自治体などに問い合わせてください。
さらに、自治体以外に寄付をした際には、寄付された側に贈与税や譲渡所得税などが課せられる可能性があります。寄付後のトラブルを避けるために、寄付する側、される側双方の税金の発生有無を、税務署などで確認しておくことが大切です。
相続放棄する
空き家を相続した後の対処に困りそうなときは、そもそもの相続自体を放棄する方法もあります。相続放棄をすると、空き家を含むすべての遺産を相続する権利を失います。空き家に住んでいるなど、現に占有していると認められる事実がなければ、管理を行う義務もありません。
もちろん、固定資産税を負担する必要もなく、空き家にかかる手間やコストを回避できます。
ただし、相続放棄をする場合は、自分以外の相続人とのあいだにトラブルが起こらないように注意しなければなりません。相続人となりうる方全員と、事前に話し合いをしておきましょう。
空き家を相続するときは、対処法を検討しよう
相続財産に空き家が含まれる場合は、空き家をその後どうすべきか検討しておきましょう。放置するとコストがかさむばかりでなく、空き家の劣化も進みます。早い段階で売却や賃貸、解体などの対処を行うことが大切です。
とはいえ、具体的にどうすればいいかわからないときは、株式会社ジェクトワンが運営する空き家解決サービス「アキサポ」をおすすめします。空き家のお悩みに対して親身に寄り添い、活用や売却などのさまざまな選択肢の中から最適なプランをご提案いたします。
相続した空き家の対処方法についてお困り事のある方は、まずはお気軽にお電話やお問い合わせフォームからアキサポにご連絡ください。