公開日:2025.02.28 更新日:2025.02.28
【徹底解説】不動産買取とは?流れや価格相場、メリット・デメリットを解説

マンションや一戸建てなどの不動産を売却する方法には、「仲介」のほかに「買取」があります。相続税の支払い期日が迫っていたり、売却活動の手間をかけたくなかったりする場合など、できるだけ早く不動産を売却したいと考える方には、買取での売却がおすすめです。
この記事では、不動産買取の仕組みや売却までの流れのほか、メリット・デメリットについて紹介します。また、仲介との違いや買取相場にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
買取とは不動産会社に不動産を売却すること
不動産買取とは、不動産会社が直接、売主から不動産を購入する方法のことです。一般的な仲介とは異なり、不動産会社が買主となるため、すぐに売却が成立しやすいといった特徴もあります。
不動産会社は買い取った物件にリフォームやリノベーション、修繕などを施し、より売れやすい状態に整えて再販売をします。リフォーム費用などを考慮するため、市場価格よりも買取価格は低めになるのが一般的です。
不動産買取の流れ
不動産買取は、通常の仲介とは異なるプロセスで進行します。売主の立場から買取を利用する際の流れを4つのステップに分けて説明します。
1 事前準備
不動産買取を始める前に、必要な準備をしておくとその後の流れがスムーズです。事前準備には、買取相場の調査や、必要書類の準備が挙げられます。
買取相場を調べることで、自身の物件にどの程度の価値があるのかを把握できます。例えば、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」は、不動産の取引価格や地価公示等の価格情報のほか、防災情報、都市計画情報など、不動産に関するさまざまな情報を無料で閲覧できます。
※参考:不動産情報ライブラリ|国土交通省
また、必要書類も事前に用意しておくとスムーズに取引を進められます。必要となる主な書類は、下記のとおりです。
■不動産買取で必要な主な書類
書類 | 概要 |
---|---|
登記済権利証(権利証) ・登記識別情報 | 不動産の所有者であることを証明する、 登記完了時に法務局から交付される書類 |
固定資産税納付通知書 | 固定資産税の確認や買主の税金負担を算 出する際に必要になる、毎年1月1日時点 の所有者に郵送される書類 |
購入時の売買契約書 | 物件の取得経緯や条件を確認するための 書類 |
購入時の重要事項説明書 | 物件の詳細情報や注意事項を記載した書 類 |
物件の間取り図・設備の仕様書 | 物件の構造や設備の詳細を示す資料 |
2 複数の不動産会社に査定してもらう
次のステップは、物件の査定依頼です。複数の不動産会社に依頼し、比較検討しましょう。
買取では「査定額=買取価格」になることが多いため、複数社に査定を依頼すれば、より良い条件の売却先を見つけられる可能性も高くなります。また、各社の対応や提示される条件を比較すれば、信頼できる会社を見極められます。
3 売買契約を締結する
続いて、査定結果や不動産会社とのやりとりを踏まえて契約先を決定し、売買契約を締結します。契約時には、引き渡しまでのスケジュールや必要書類のほか、家財道具の処分方法、手数料などの条件も確認しましょう。
契約締結の際は一般的に、不動産会社から売却価格の5~10%の手付金が支払われます。
なお、仲介会社を経由して売却した 場合は、不動産仲介者と媒介契約を締結してから 買主を探す売買活動が始まりますが、買取の場合はこのプロセスが省略されるため、迅速に売買契約まで行えます。
4 決済・引き渡し
最後のステップは、決済と物件の引き渡しです。必要書類の最終確認、残金の受け取り、鍵の引き渡しなどが行われます。売主の住宅ローンに残債がある場合は、抵当権抹消登記も行われます。
買取と仲介の違い

不動産売却において、買取と仲介には大きな違いがあります。顕著な違いは、売却先が異なることです。買取の場合、転売を目的とした不動産会社に直接物件を売却しますが、仲介の場合は不動産会社が仲介役となり、主に個人に物件を売却することになります。
仲介は、物件の条件や状態が良く、時間がかかっても高く売りたいと考える方に向いています。相場に近い価格で売却できる可能性が高いため、買取と比べて高額での成約を目指せるでしょう。
不動産買取の相場は仲介の8割程度
不動産買取の価格相場は、一般的な仲介で売却した場合の8割程度の価格になるのが一般的です。前述のとおり、不動産会社は買取した物件に付加価値をつけて再販売することで利益を得ます。そのため、リフォーム費用や宣伝費、販売にかかる手数料などを差し引き、さらに自社の利益を確保できるように価格を決定します。この結果、買取価格は仲介での売却価格よりも低くなり、市場価格の8割程度となるのです。
即時買取と買取保証制度の違い
買取の方法には、「即時買取」と「買取保証制度」があります。両者の違いは、売却期間と売却価格の決まり方です。即時買取と買取保証制度について詳しく説明します。
即時買取
即時買取とは、不動産会社と売主が金額の交渉を行い、合意に達した時点で直ちに不動産会社が物件を買い取る方法のことです。売却期間は7日間~1ヵ月程度と短く、市場価格よりも低い価格での売却となる傾向があります。
売却活動に伴って広告を出したり内覧を行ったりしないため、周囲に知られずに売却できる点も特徴です。
買取保証制度
買取保証制度とは、不動産を一定期間売りに出し、買い手がつかなかった場合、不動産会社があらかじめ約束した価格で不動産を買い取る制度のことです。市場価格での売却にチャレンジしつつ、売れ残りのリスクを回避できます。なお、買取保証額は、市場価格の7~8割前後に設定されることが多いでしょう。
ただし、買取保証をつけられる物件には条件があり、すべての物件に適用できるわけではないため、注意しなければなりません。
不動産買取のメリット
不動産買取は、手間をかけずに不動産を現金化できる点が大きな魅力です。不動産買取のメリットについて、詳しく見ていきましょう。
売却までの期間を短くできる
不動産買取は、仲介よりも売却までの時間を短縮できます。仲介では、買主を見つけるまでに数ヵ月かかることもありますが、買取の場合、買主は不動産会社となるため、売却活動の期間は必要ありません。査定額に納得できれば、最短1週間程度で売却できることもあるでしょう。
仲介手数料がかからない
買取のメリットの1つは、仲介手数料が不要な点です。仲介では、物件の売却時に成功報酬として仲介手数料を支払わなければなりません。仲介手数料は、法律で上限額が定められており、売却価格が400万円を超える場合、「(売買価格×3%+6万円」+消費税」となります。
不動産売買は高額な取引となるため、仲介手数料の負担も大きくなります。買取の場合、仲介手数料が発生しない点は、大きなメリットといえるでしょう。
契約不適合責任を負わない
契約不適合責任とは、売買契約時に伝えられていなかった不具合が売却後に見つかった場合、売主が負う責任のことです。
仲介では、売主が契約不適合責任を負うことになりますが、買取の場合は「契約不適合責任免除」の条件で契約が交わされることも多くあります。そのため、売却後に予期せぬ問題が発覚しても、売主が修繕費用などを負担する必要はありません。売主は、売却後の不安やリスクを軽減できるでしょう。
不動産買取のデメリット
次に、不動産買取のデメリットについても見ていきましょう。特に注意したい2つのポイントを紹介します。
仲介よりも売却価格が安くなる
買取の大きなデメリットは、前述のとおり、仲介と比較して売却価格が安くなる点です。買取価格は市場価格の8割程度になることが多いでしょう。
買取に対応している不動産会社を探す手間がある
買取のデメリットには、不動産会社を探す手間がかかることも挙げられます。特に一戸建て住宅の買取に対応している不動産会社は限られているため、依頼先を探すのに手間がかかることもあります。
一戸建ての買取ならアキサポがおすすめ
不動産買取は、迅速な売却を望む所有者にとって利用価値の高い選択肢です。通常の仲介と比べて売却期間が大幅に短縮され、手続きも簡素化されるため、急ぎの資金調達や遠隔地の物件処分に適しています。
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