公開日:2021.05.19 更新日:2024.08.30
古民家をリノベーションして賃貸物件に!メリットや活用事例を紹介
古民家は近年関心や需要が高まっており、リノベーションを行い、賃貸として貸し出す方も増えています。
しかし、具体的な方法や使い道などが分からない方は多いと思います。そこでこの記事では、古民家をリノベーションして賃貸に出す方法やメリット、事例などを解説します。
目次
古民家は賃貸に最適!?具体的な6つのメリットとは
まずは古民家を賃貸に出すメリットを紹介します。古民家と賃貸は意外と相性が良く、主なメリットとして以下のような項目が挙げられます。
1)古民家関心・需要が年々高くなっている 2)リノベーションと相性が良い 3)借主の費用負担が少ない 4)資産価値の維持・向上 5)税金控除になるケースがある 6)社会的な意義がある |
ざっと見ると、社会的な背景からも適しているだけでなく、古民家の特定や費用面からもメリットが得られることが分かります。それぞれ詳しく見てみましょう。
1)古民家関心・需要が年々高くなっている
古民家の関心・需要は年々高まっており、今や古民家は一つのブランドとして成立しています。
基本的に、物件の価値は築年数の経過に伴い低下します。しかし、ひと昔前に建てられた古民家は、独特の雰囲気や空間などから一般的な中古物件との違いが入居者に分かりやすく、「築年数の経過が独自の価値を生む」ケースが多々あります。
Web上の注目度を測る「グーグルトレンド」で見てもこの傾向は確かで、「古民家」というワードの注目度は、ここ5年間で約1.5~2倍の伸びを見せています。
近年では、宿泊施設や飲食店など、古民家の個性を全面に押し出したビジネスでの活用ケースも増加しています。
賃貸物件において一定の需要を得るためには、「競合物件との差別化」が重要なポイントとなりますので、築年数が経っていても、古さを独自の価値として打ち出せる古民家は、賃貸に適した物件と言えるのです。
2)リノベーションと相性が良い
建物は年月とともに傷んでいくだけでなく、時代の変化に伴い、利用者に求められるデザイン・内装なども移り変わるものです。
そのため、中古物件では事前にリノベーションを施したうえで賃貸物件として活用するのが、利用者のニーズを満たす重要なポイントとなります。
建物の構造は、「木造」「RC(鉄筋コンクリート)造」「鉄骨造」のいずれかに分類されますが、リノベーションの自由度が高いのは古民家をはじめとした木造であるため間取りを変更しやすく、リノベーションと相性が良いメリットを持っています。
3)借主の費用負担が少ない
古民家を所有していない人が「古民家に住む・使う」ためには、基本的に購入するか賃貸するかのどちらかを選ぶこととなります。
物件を購入するとなれば当然高額な費用がかかる一方で、賃貸なら費用負担を大きく抑えられるため、「高額な費用をかけたくない層」にとっては魅力的です。
ちなみに、古民家を賃貸に出す場合は、リノベーションをしてから貸し出すと、より借主の負担が少なくなり、借り手が見つかりやすくなります。古民家のリフォームは100万円以上、ときには1,000万円以上かかるケースもありますが、「空き家活用サポート」という、事業者がリノベーション費用を出してくれるサービスを使えば、実現は難しくありません。
「アキサポ」では、自己負担0円からの空き家活用が可能となっており、さらに賃料の一部を空き家オーナー様が受け取れる仕組みが用意されています。古民家のリノベーションと賃貸を同時に解決したい方におすすめのサービスです。
4)資産価値の維持・向上
古民家を貸し出すにあたって、多くの場合リノベーション工事が必要になります。その結果、資産価値の維持・向上が起こる可能性があります。
古民家を貸し出す場合、借主が実際に使うにはリノベーションが必要不可欠です。居住用でも水回りのリノベーションは発生しますし、事業用となると水回りだけでなく床や壁まで手を加えることも多くあります。
資産価値が維持・向上できれば、将来的な活用幅も広がります。せっかくの古民家を空き家のまま放置するのではなく、今後も資産として活用できる方法を考えましょう。
5)固定資産税が増えるリスクを回避できる
古民家を放置するリスクの一つに、特定空き家に指定された場合に起こりうる「固定資産税減額の解除」があります。
土地にかかる固定資産税は、住宅が建っている場合に限り、200㎡までを1/6、それ以上を1/3に減額する特例措置があります。
しかし、特定空き家に指定され、さらに「勧告」という措置を受けるとこの特例措置が解除されてしまいます。特定空き家は、その空き家に特に問題があると認められた場合に指定されるため、すべての空き家に当てはまるわけではありませんが、放置が続けば指定されるリスクも出てきます。
古民家を貸し出しておけば、このリスクを心配する必要もありません。早めのリスク回避で将来的なコスト増を回避しましょう。
6)社会的な意義がある
古民家は、建物としての価値以外にも、文化的・精神的な価値があり、いわば「古き良き日本の景色」を今に伝えるシンボル的な存在といえます。
そのため、古民家を維持・活用することは、日本の文化や精神を今に伝える、社会的な意義もあるのです。
また、古民家は観光とも相性が良いですし、インバウンド需要に繋げやすい特徴もあります。地域活性化に活用できれば、地域からも歓迎されるのではないでしょうか。
古民家をリノベーションして貸し出すときのデメリット
リノベーションする際の大きなデメリットと言えば、やはり「費用面」です。
リノベーションする箇所・施工内容は物件によりますが、基礎(玉石基礎等)、梁や柱などの骨組み以外を取り壊してから作り直す「スケルトンリフォーム」工法を実施した場合、工事が大掛かりになるため、比例して費用も高額になります。
また、古民家は築年数が浅い物件と比較して、耐震補強や断熱対策にも手を入れることが多くなるため、必然的に費用が高額になりがちです。
フルリノベーションともなると1,000万円以上を超えるケースも多々ありますので、所有者にとって費用面の負担はやはり大きな懸念材料でしょう。
また、物件をリノベーションするとなれば、工事会社の選定はもちろん、設計デザインが必要となるだけでなく、「リノベーションに失敗する可能性」もデメリットのひとつです。
賃貸目的でのリノベーションは「所有者のため」ではなく、「利用者のため」に行うものであるため、リノベーションの仕方次第では「利用者にとって魅力的ではない仕上がり」となってしまう可能性もあるのです。
もちろん、利用者にとって魅力的ではないリノベーションを行ってしまうと、賃貸物件として活用するのは難しくなりますので、この点にも注意が必要でしょう。
デメリットの解決策
解決策を述べる前に、改めて古民家をリノベーションして貸し出すときのデメリットを整理しておきましょう。
・リノベーションの費用負担 ・手間や時間がかかる(業者選定や設計デザインの用意など) ・効果的なリノベーションに失敗する可能性 |
これらのデメリットを所有者自身のアイデアや独自の対策で解消するのは至難の業です。
ですが、私たちアキサポは以下の解決策を用意し、効果的な古民家の活用を数多くサポートしてきました。
・物件の周辺環境や立地条件など現地調査を実施して現状を把握 ・現地調査に基づき現状分析を行い、物件に合った効果的なリノベーション・活用プランをご提案 ・アキサポが全額費用負担でリノベーション工事を実施 |
大きなネックであるリノベーションの費用負担をなくし、そのうえで物件所有者の方の時間と手間を抑えるため、活用についてのトータルサポートを提供します。
もちろん、現地調査に基づいて分析を行い、これまで培ったスキル・ノウハウを掛け合わせて効果的な活用プランを練ったうえでリノベーションを実施しますので、「利用者にとって魅力的な仕上がり」を実現できます。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
古民家を賃貸物件として活用する代表的な3つの方法
古民家を賃貸物件として活用する方法には、主に以下の3種類があります。
・ビジネス用途 ・宿泊施設 ・地域活性化の拠点 |
古民家は、住宅利用よりも古民家ブランドを活かした事業活用が多いです。ここでは、それぞれ具体的にどのように活用されているのかを見ていきましょう。
①ビジネス用途
ビジネス用に賃貸した場合の代表的な活用方法には、以下のようなものがあります。
・貸店舗 ・シェアキッチン ・シェアオフィス ・シェアハウス ・民泊 |
古民家は独特の雰囲気や空間などを活かし、宿泊施設として利用できるほか、物件のつくりや立地によっては店舗・オフィスとして活用するなど、幅広いビジネス展開が可能です。
古民家に限らず、「不動産はひとつとして同じものがない」という特徴を持つため、物件のつくりや性質に合わせて活用しやすい古民家は、ビジネスとして中古物件を活用したい方にとってはもってこいの物件だと言えるでしょう。
② 宿泊施設
古民家を宿泊施設に活用する場合、運用形態として以下のような選択肢があります。
・民宿 ・旅館 ・民泊利用 |
なかでも近年注目が集まっているのが民泊利用です。民泊は、年間の営業可能日数が最大180日以下という規制がありますが、民宿や旅館よりも始める手続きのハードルが低く、個人でも始めやすい業態となっています。
具体的な手続きは、住宅宿泊事業法に基づき、住宅宿泊事業届出書を提出する形になります。以下の記事で解説していますので、ぜひ一度目を通してください。
③ 地域活性化の拠点
地方における古民家という存在は、ときに地域のシンボル的な存在や、地域交流の場になることもあります。例えば、地域活性化の拠点として、以下のような活用方法が挙げられます。
・地域コミュニティ施設 ・文化交流施設 ・イベント会場 ・アトリエ |
古民家には、いろりや縁側、広い庭など、さまざまな人が集まりやすい空間が内包されています。世代や地域、国などを超えて、古民家に集まり、交流する機会を創出するというのも一つの手です。
古民家を賃貸するときの具体的な流れ・手続き
ここでは古民家・空き家を貸し出す際の流れを紹介します。
今回は、一般的な流れと、活用サポートを行っている「アキサポ」を利用した場合、2つのパターンについてそれぞれ具体的に紹介します。
一般的な流れ・手続き
不動産会社に賃貸を依頼する場合、一般的に以下の流れで進められます。
①不動産会社の選定
不動産会社によって得意とする分野が異なるため、必ず複数の会社を比べる。古民家の取り扱い実績がある会社が良い
↓
②媒介契約または代理契約の締結
媒介契約や不動産会社が入居者を募集し、貸主が誰を入居させるかを決める。代理契約は、不動産会社が貸主に代わって契約手続きまで行う。
↓
③賃料や入居条件などの決定
賃料、敷金・礼金、ペット禁止や喫煙の可否など
↓
④入居者の募集
↓
⑤内覧
所有者は必ずしも立ち会わなくてもよい
↓
⑥賃貸契約の締結
貸主と借主の条件が合えば契約を締結する
「アキサポ」の流れ・手続き
①お問い合わせ・ヒアリング
物件所有者の要望やお悩みをヒアリング
↓
②現地調査
物件所有者立会いのもと、アキサポが現地に赴き、調査を実施
↓
③プランのご提案
現地調査の結果をもとに、活用方法やリノベーションなどに関するプランをご提案
↓
④契約締結・利用者の募集開始
借上げ契約締結、利用者の募集開始
↓
⑤工事開始
アキサポが工事内容の精査や工事業者の選定を行います
↓
⑥利用者との契約
利用者との賃貸借契約
↓
⑦所有者への賃料のお支払い開始
アキサポにおける主な手続きの流れは上記のとおりですが、その他の古民家・空き家活用会社でも基本的な流れは同じです。
ただし、「賃貸するにあたって事前にリノベーションするパターン」に関しては企業により対応が異なります。
物件のリノベーションは所有者自身が費用を負担したうえで実施されるのが一般的ですが、アキサポでは「全額費用負担でリノベーション工事を実施」※できます。
古民家の活用において、リノベーション費用は大きなネックとなる部分であるため、この点をカバーすることで、活用の敷居をグッと下げられるのがアキサポの大きな特徴です。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
古民家のリノベーション・賃貸物件としての活用事例
ここでは、アキサポが実際に手掛けた古民家のリノベーション・賃貸物件としての活用事例をご紹介します。
古民家の具体的な活用イメージを膨らませるためにも、ぜひご覧ください。
事例1:母から受け継いだアパートは面影を残して新たな賃貸住宅へ
建築年月 | 1972年4月 |
延床面積 | 39.74㎡ |
構造 | 木造2階建 |
活用事例 | 賃貸アパート |
お風呂の付いていない築50年以上のアパートのリノベーション例です。ユニットバスを設置するために間取りを変更し、内装は新築さながらのキレイな仕上がりに。一方で外装は思い入れのあるイメージを大切にするために塗装のみ行いました。
その変わりようにオーナー様からは「こんなに綺麗にしていただいて、母も喜びます」と嬉しいお声をいただきました。
事例の詳細はこちら
事例2:設備周りを一新し使い勝手の良い賃貸住宅へ
建築年月 | 1975年3月 |
延床面積 | 115.33㎡ |
構造 | 木造2階建 |
活用事例 | 戸建て住宅 |
築47年の空き家をリノベーションした事例です。劣化した内装や設備を改修し、繁茂した草木の解消や破損したカーポートの撤去などを行い、使い勝手の良い賃貸住宅に生まれ変わりました。
事例の詳細はこちら
事例3:ポイントを抑えたリノベーションを施し新たなご家族へ
建築年月 | 1983年6月 |
延床面積 | 約127.54㎡ |
構造 | 木造瓦葺平屋建 |
活用事例 | 戸建て住宅 |
相続した実家を活用したいという想いから、新たな借り手が見つかるようにリフォームした例です。この物件はすでに内装の表層リフォームが完了していたため、アキサポでは水回りの改修や一部倉庫の補修を実施。結果、リノベーション後すぐに新しい借り手が見つかりました。
事例4:築115年超の京町家
築115年の歴史ある京町家を後世に残すため、リノベーション~活用までを手掛けた事例です。
活用するうえで大切にしたのは、地域の「空き家対策」および文化・街並みの象徴である京町家の「保存・再生」2つの観点。
古民家ならではの伝統文化の本質を残しながら、さらに魅力を引き出すアイデアを随所に盛り込み、現在では1日1組限定のラグジュアリーな宿泊施設へと生まれ変わりました。
事例5:築年数不明の木造長屋
築年数は不明ですが、少なくとも昭和34年以前に建てられた3棟連なる木造長屋の活用事例です。
8坪の小さな住居スペースは築年数の増加に伴い老朽化が進んでいましたが、「近隣住民からの気軽に飲める場が欲しいという希望」と「カフェバルを創業したいという若者のニーズ」が見事にマッチし、昼も夜も賑わう繁盛店となりました。
※現在はカフェバルは移転し、近隣住民で賑わうバーとして利用されています。
古民家リノベーション賃貸物件をお探しの方はこちら!
最後に、古民家のリノベーション物件を探している方に物件情報を紹介します。
空き家活用サービスのアキサポでは、賃貸物件情報を随時公開しています。どの物件もリノベーション内容を相談しながら決められるので、幅広い選択肢に対応可能。リノベーションはアキサポの負担で行うので、初期費用も少なく抑えられます。
気になる物件がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
古民家の賃貸まとめ
ここ数年、古民家人気は高まっており、さらに今回ご紹介したとおり、古民家には賃貸物件として活用する独自のメリットが備わっているため賃貸に適した物件だと言えます。
ただし、古民家は築年数経過の影響による修繕・改修の必要性が高く、より魅力的な物件に仕上げるためにもリノベーションを施したうえで活用するのが有効ですが、手間や時間、費用面がデメリットであるのは事実です。
アキサポなら「リノベーション費用全額負担※」により費用負担を抑えながら、個々の物件にマッチした活用を進められますので、興味がある方はお気軽にご相談ください。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。