公開日:2021.03.25 更新日:2024.08.21
空き家の売却に潜む落とし穴とは?売却方法や税金から効果的な活用の仕方を知る
空き家の売却は、空き家管理から解放される方法の一つです。所有権を手放せるうえに、収入も得られるため、メリットが大きいイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、空き家の売却はポイントを抑えないと思わぬ落とし穴にハマってしまう可能性があります。そこでこの記事では、空き家を売却するときに気を付けたいポイントを、売却方法と税金面から解説します。
目次
空き家を売却する4つの方法
空き家の売却方法は主に以下の4種類です。
1.そのまま売却 2.解体して更地にして売却 3.不動産会社に売却・買取 4.空き家バンクで売却 |
それぞれの売却方法は、一概にどれが優れているというものではありません。それぞれ、状況に応じて適した方法を選ぶことで、メリットを享受できます。そこでここでは、各方法の具体的な内容とメリット・デメリットを解説します。
方法①:そのまま売却
最初に紹介するのは、空き家の整理やリフォーム・リノベーションを行わず、そのまま売却する方法です。
この方法のメリットは、手間とコストの両方が少なくて済む点です。空き家になって間もない場合や、住宅の管理が行き届いている場合など、そのままでも買い手が見込める場合に適しています。
しかし、物件の状態が悪い場合は、買い手がなかなか見つからない可能性が高くなります。特に、土地の価格が低い場合は、土地・建物共に価値が低いとみなされ、買い手が見つかりにくいと考えられます。また、買い手がついても、期待する価格がつかない可能性もあります。
方法②:解体後、更地にして売却
空き家の建っている土地を更地にしてから売却する方法です。
この方法のメリットは、土地の需要が高い場合に、買い手を見つけやすくする効果が期待できることです。土地の需要が高い場合、建っている空き家が邪魔になってしまう可能性があります。購入した人が新築を考えたとき、空き家を解体する費用がかからないように、更地にしておくと売れやすくなるでしょう。
一方デメリットは、空き家を取り壊さないといけないことです。空き家に思い入れがある場合、取り壊してしまうのは寂しいものがあると思います。また、取り壊し費用を負担する必要があるため、取り壊し費用を回収できるだけの売却額が見込めるかどうか、事前に検討しましょう。
売却方法③:不動産会社に売却・買取を依頼
不動産会社に媒介や売却をまとめて依頼する方法です。
この方法のメリットは、不動産会社の情報網や広告力などを活用して、迅速な売却を見込めることです。売却を急いでいる場合や、手間をかけたくない場合にはこの方法が適しています。
また、買取の場合、買い手を探す必要がないため、短期間で現金化ができます。更には、仲介手数料が不要で契約不適合責任も免責となり、案件によっては解体・測量費用も売主様負担なしでご売却することも可です。
一方デメリットは、直接売却するよりも利益が少なくなる可能性があることです。不動産会社に売却してもらう場合は、手数料がかかりますし、買取の場合は、不動産会社が販売する都合から、買取価格は市場価格よりも低くなります。
方法④:空き家バンクで売却
全国の市区町村が行っている空き家バンクに登録して売却する方法です。
空き家バンクのメリットは、手数料がかからない点と、公的機関の信頼性があることです。また、空き家バンクに登録している物件を対象に、一定の補助金制度を利用できる場合もあります。
一方デメリットは、売却価格が割安になりがちなことです。なかなか買い手が見つからず、安くてもいいから売りたいという場合に利用することをおすすめします。
空き家バンクについて詳しく知りたい方はこちら
メリット・デメリット / 比較
上記で紹介したメリット・デメリットを表にまとめました。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
そのまま売却 | ・手間とコストがかからない | ・物件の状態が悪いと買い手が見つかりにくい |
解体して更地にして売却 | ・土地の需要が高いと買い手が見つかりやすい | ・建物を失う・取り壊し費用がかかる |
不動産会社に売却・買取を依頼 | ・不動産会社の情報網や広告力を活用し、迅速な売却が見込める・買取の場合、買い手を探す必要が無い | ・売却に手数料がかかる・買取の場合、買取価格は市場価格より安くなる |
空き家バンクで売却 | ・無料で利用できる・公的機関の信頼性がある | ・売却価格が割安になりがち |
一覧で見ると、どの方法も一長一短で、異なる特徴があることが分かります。大切なのは、自らが抱えている課題に対して、最適な方法を選ぶことです。
例えば、すぐに売却したい場合、利益よりもスピードを重視したいのであれば、不動産会社に依頼する方法が考えられますし、なるべく費用をかけたくないのであれば、そのまま売却または空き家バンクを使う方法の優先度が上がるでしょう。
また、空き家がマイナス要因に働いていると考えられれば、思い切って解体して更地にして売却するのも手です。売却の方法は課題解決の手段なので、自分の置かれている立場から慎重に確認しましょう。
空き家を売却するメリット、放置することのリスク
空き家を売却する主なメリットは、以下の2つです。
1.固定資産税を始めとした維持管理費の負担が無くなる 2.管理の手間から解放される |
維持管理費と管理の手間は、空き家にまつわる代表的なデメリットです。その両方を同時に解決できるため、経済的・精神的な負担が大きく軽減されるでしょう。
一方で空き家を放置するリスクは、以下のようなことがあります。
1.費用面のリスク(維持管理費の負担が続く) 2.防犯面のリスク(放火や空き巣など) 3.周辺環境のリスク(草木の繁茂や虫の発生など) 4.特定空き家や管理不全空き家に指定されるリスク |
維持管理費と管理の手間がいつまでも付きまといます。さらに、手入れを怠ると状態が悪化し、さらに負担が大きくなるケースもあります。特に、特定空き家や管理不全空き家に指定された場合、固定資産税の減税措置が解除により、税負担が重くなる可能性があるので注意が必要です。
具体的なリスクとそれぞれの対策については以下の記事を参照してください。
空き家売却の基本的な流れ
空き家を売却する際の基本的な流れは以下のとおりです。今回は、不動産会社に仲介を依頼した場合を紹介します。
1.査定依頼 2.依頼先の決定・媒介契約 3.売却価格の決定・売出し開始 4.買い手との交渉 5.契約・引き渡し |
このときに覚えておきたいのが、必ず査定依頼は複数の不動産会社に依頼するということです。査定額は不動産会社ごとに大きく変わるもので、100万円以上の差がつくこともあります。個別に査定を依頼するのが大変であれば、まとめて査定を依頼できる「一括査定サービス」を活用するのも手です。
査定には、書類上で概算を算出する「机上査定」と、現地で具体的な額を見積もる「訪問査定」の2種類があります。いきなり訪問査定を依頼してもよいですが、まず机上査定で見比べてから、高く売れそうな何社かをピックアップして、訪問査定を依頼するとスムーズです。
流れの詳細や必要な書類などは、以下の記事で詳しく解説しています。売却時の注意点も紹介しているので参考にしてください。
得するとは限らない!空き家売却に潜む落とし穴とは?
空き家の売却は、メリットばかりに目が行きがちですが、注意点にも目を向けておかないと、思わぬ落とし穴にハマってしまう可能性があります。そこでここでは、空き家の売却に関する代表的な注意点を5つ解説します。
ここでは簡単に解説するので、より詳細な情報が知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
1.希望する条件でなかなか売れない
空き家に限らず、モノを売買する場合は、売り手だけでなく買い手が存在しなければ売買は成立しません。
したがって、空き家を売買したいと考えても、立地や状態の良し悪しによっては買い手が見つからないケースも珍しくありません。
そもそも売却時には不動産会社の選定や各種手続きが必要ですから、希望する条件・タイミングで売れなかった場合の金銭的なデメリットだけでなく、手続きにかかる手間や時間も売主の負担となることを覚えておきましょう。
2.資産として残らないため、長期的な経済リターンが得られない
空き家を売却すれば、当然土地や建物は持ち主の手を離れ、他人のものとなってしまいます。
不動産を所持している限りは将来的な活用や子供に残すといった選択が可能ですが、売却してしまえばそういった将来的な活用の可能性はなくなります。
不動産の価値は常に変動するものですから、将来的によりお得な使い道の可能性を残したいのであれば、売却以外の使い道を模索するのもひとつの手でしょう。
3.売却のために高額な費用がかかることも
売却を成立させるためには、買い手に「欲しい」と感じさせる物件でなければいけません。
そのため、より魅力的な物件に仕上げる目的でリノベーションや修繕を施したり、建物を解体して更地にしたりするのは、効果的な売却を進める有効な手立てのひとつです。
しかしながら、これらの手法を用いる際には当然リノベーション費用や解体費用が発生することになりますから、売却前に手を加える場合には持ち主がすべての費用を負担しなければなりません。
また、仮に手を加えたとしても、希望する価格で空き家が売却できるとは限りませんから、金銭的なリスクが高くなる点にも注意が必要でしょう。
4.売却に時間がかかり、結局維持費用がかさんでしまう
空き家の売却にあたり、買い手が見つかるまでに思ったより時間がかかるケースは多いです。特に、物件の状態や立地に問題があったり、市場価格とのギャップがあったりする場合、長引くことが多いです。
この間、空き家の固定資産税や維持管理費は引き続き発生します。これらの経費は、期間が長くなるほど負担が大きくなり、実質的な売却益が少なくなります。そのため、売却を考える際には、売却までの期間とそれに伴う維持費用を考慮に入れることが重要です。
5.条件を満たしていないと税制控除が受けられない
空き家を売却するときには、空き家の売却や自宅の売却など、いくつかの税制控除が受けられます。ただし、税制控除はそれぞれ条件が異なり、条件を満たさないと控除が受けられない可能性があります。
例えば、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」という、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除可能な制度を使う場合、建築年や所有者の状況、相続時の居住者状況などの条件が定められています。
条件を満たしていないと、控除が受けられず、予想以上の税金が発生する可能性があります。売却を検討する際には、税制上の条件を事前に確認し、専門家に相談することをお勧めします。
売却せずに空き家を「活用」するのも選択肢のひとつ
売却は確かに空き家の使い道のひとつとしてさまざまなメリットに期待できますが、前述のとおり、複数のデメリットや落とし穴が存在するため、全ての空き家にとってベストな選択肢とはいえません。
場合によっては、売却のメリット・デメリット、所有物件の特性を踏まえて他の使い道を選択したほうが結果的に得するケースも多々あります。
さまざまな空き家の使い道の中でもここ最近とりわけ人気なのが、第三者に空き家を貸し出す「空き家活用」です。
ここからは、空き家活用独自の魅力を紹介しながら、「なぜ近年空き家活用が人気を集めているのか?」を解説することにしましょう。
空き家活用の魅力とは
空き家活用の魅力は、以下のメリットを享受できる点にあります。
・活用の選択肢が豊富なため、空き家ごとに適した活用方法を選べる ・継続的な家賃収入を得られる ・資産を手元に残すことで、将来的な活用の幅が広がる ・長期不在を防げるため、倒壊や周辺環境への悪影響・犯罪トラブルなどを軽減できる |
なかでも魅力的なのが、「選択肢が豊富なこと」です。住居用の賃貸はもちろん、貸店舗、シェアキッチン、シェアハウス、民泊、貸倉庫など、空き家の立地や設備の特性に合わせて相性の良い使い道を選ぶことが可能なため、さまざまな空き家に対応できる万能さを備えています。
また、物件を所有し続けられるため、将来的に再利用したり、子供に譲ったりなど、長期的な資産となる点も見逃せません。
ほかにも、高額な売却とは異なり、あくまで賃貸であるため利用者を見つけやすい点や、利用者によって定期的にメンテナンスが行われるため放置による物件の損耗を防ぎやすいメリットもあります。
空き家活用はリノベーション費用の負担ゼロではじめられる!
空き家活用を実現するには、貸し出す前にリノベーションをする必要があります。しかし、ここでネックになるのがリノベーション費用です。安くても100万円以上かかるため、初期費用が捻出できず諦める人も多いと思います。
そんなときには、「アキサポ」を活用した空き家活用がおすすめです。
「アキサポ」とは、空き家を借り受け所有者様の自己負担0円(※)でリノベーション工事後一定期間転貸するサービスです。アキサポが所有者様の空き家を借上げ、アキサポの費用でリノベーションをしてから、利用希望者に貸し出すため、所有者様は自己負担0円(※)から空き家活用が始められます。
また、利用者が見つかったあとは、月々の賃料の一部を所有者様に還元しますので、継続的な収入にも繋がります。初期費用がネックで空き家活用が始められないという方は、お気軽にご相談ください。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。
空き家売却で損をしないための3つのポイント / 注意点
空き家の売却は一見簡単なようでいて、様々な注意点があります。適切な知識を持たずに進めると損をする可能性もあります。ここでは、空き家売却で損をしないための3つの重要なポイントについて詳しく説明します。
[1]売却にかかる5つの費用
ここでは、空き家の売却時にかかる主な5つの費用を解説します。以下にそれぞれの概要と必要な金額をまとめました。
費用 | 概要 | 必要な金額 | |
---|---|---|---|
1 | 空き家の片づけ・解体費用 | 空き家を売却するときに、屋内外の片づけをする費用。空き家の状況によっては修繕や解体が必要な場合も | 1坪あたり4万~5万円が相場 |
2 | 仲介手数料 | 空き家やその土地など不動産の売買時に支払う手数料 | ・200万円以下は5%(税込み 5.40%)・200万円を超えて400万円以下は4%(税込み4.32%)+2万円・400万円超は3%(税込み3.2%)+6万円が上限 |
3 | 登録免許税 | 売却に伴う名義変更などの手続き費用 | 土地と建物で費用が異なり、また、売買や相続など所有権移転の原因によっても費用が変わる |
4 | 譲渡所得税・住民税 | 売却益に対する所得税と住民税 | 短期譲渡所得(所有期間5年以下)の場合「所得税率30.63%、住民税率9%」、長期譲渡所得(所有期間5年超)の場合「所得税率15.315%、住民税率5%」 |
5 | 印紙税 | 買契約書に貼付する印紙代 | 契約額に応じて、400円(200円)から60万円(48万円)まで |
これらの費用を把握していないと、売却益が思ったより手元に残らない恐れがあります。売却価格を決める前に、関連費用がいくらかかるか把握しておきましょう。
以下の記事で売却に関する詳しい費用を解説しています。
[2]売却時に利用可能な3つの控除
空き家の売却時には、以下の3つの税金控除が適用される場合があります。
制度名 | 制度概要 | 適用条件 | 控除金額・軽減税率 |
---|---|---|---|
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 | 被相続人居住用家屋またはその敷地などを相続または遺贈により取得した場合、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除可能 | 下記の条件すべてに該当すること・昭和56年5月31日以前に建築されたこと。 ・区分所有建物登記がされている建物でないこと。 ・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。 | 最高3,000万円 |
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除 | 居住用財産(マイホーム)を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除可能 | 下記の条件すべてに該当すること・自分が住んでいる家屋の売却または家屋とともにその敷地や借地権の売却であること(※1) ・売った年の前年および前々年に同様の特例やマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと ・売った年の前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと ・収用による特別控除を始めとするほかの特例を受けていないこと ・売手と買手が、親子・夫婦などの特別な関係にないこと | 最高3,000万円 |
マイホームを売ったときの軽減税率の特例 | 居住用財産(マイホーム)売却の際に通常より低い所得税率が適用される | 下記の条件すべてに該当すること・該当の建物・土地が日本国内にあること ・売った年の1月1日に時点で所有期間が10年を超えていること ・売った年の前年および前々年に同様の特例を受けていないこと ・売った建物・土地がマイホームの買換えや交換の特例をはじめとする別の特例を受けていないこと。ただし、居住用財産を譲渡したときの3,000万円の特別控除の特例は重ねて受けられる ・売手と買手が、親子・夫婦などの特別な関係にないこと | 6,000万円以下の部分:所得税10% 6,000万円を超える部分:所得税15% |
※1:空き家の場合は、居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。取り壊す場合、災害で滅失した場合は別途条件あり。
※2:空き家の場合は、居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。取り壊す場合、災害で滅失した場合は別途条件あり。
ただし、これらの控除を受けるためには、それぞれに一定の要件を満たす必要があります。ここでは、それぞれの控除の概要と条件を見ていきましょう。
被相続人の居住用財産(空き家)を売却する際の特例
「被相続人の居住用財産(空き家)を売却する際の特例」とは、相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または被相続人居住用家屋の敷地等を、相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる控除制度です。この制度は期限付きで、2027年(令和9年)12月31日までとなっています。
「被相続人居住用家屋」とは、相続の開始の直前において被相続人が住んでいた家屋のことで、以下3つの要件すべてに当てはまるものをいいます。
イ 昭和56年5月31日以前に建築されたこと。 ロ 区分所有建物登記がされている建物でないこと。 ハ 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。 |
また、「被相続人居住用家屋の敷地等」は空き家にの敷地にあたり、相続の開始の直前において、被相続人居住用家屋の敷地に使われていた土地と、その土地に関する権利をいいます。
なお、この制度を適用するには、さらに5つの適用要件に該当する必要があります。この要件は条件が細かいため、国税庁のWebサイトで直接確認することをおすすめします。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除
自らが居住していた自宅を売却した場合、その譲渡所得に対して最大3,000万円の特別控除を受けることが可能です。所有期間は関係なく、特例を受けるための6つの条件に適合していれば、控除を受けられます。
(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(注)住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件すべてに当てはまることが必要です。
イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
(2)売った年の前年および前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
(3)売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
(4)売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
(5)災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(6)売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
なお、特例を受けるには確定申告が必要です。詳しい条件や手続きなどは国税庁のWebサイトで確認しましょう。
マイホームを売ったときの特例
マイホームを売却したときの軽減税率の特例
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」とは別制度で、マイホームを売却した場合に一定条件に該当する場合、長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例の適用を受けることができます。
「課税長期譲渡所得金額」という、「(土地建物を売った収入金額)-(取得費+譲渡費用)-特別控除」で求められる額が、6,000万円以下の部分は所得税10%、6,000万円を超える部分は所得税15%の軽減税率が適用されます。
この制度も適用条件が複雑なため、国税庁のWebサイトで条件をよく確認しましょう。
[3]解体費用を抑えるための補助金制度
空き家を売却する前に解体する場合、自治体による補助金制度の利用も検討しましょう。内容や補助額は自治体ごとに異なりますが、30万~100万円ほどの補助額が一般的です。なかには、特定空き家や立地が危険な空き家を対象にしている補助金もあります。
補助の対象となる物件や補助金の上限額などは、各自治体により異なるため、詳細は各自治体のホームページなどで確認してください。
また、空き家解体の補助金については、以下の記事で詳しく解説しています。注意点も紹介しているので、ぜひご一読ください。
空き家の売却まとめ
今回は空き家の売却に関する情報をまとめて紹介しました。空き家の売却方法は複数ありますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、自分の課題と相性が良い方法を選びましょう。
また、空き家の売却が上手くいかない場合は、「アキサポ」を始めとした空き家活用を選ぶのも一つの手です。特に「アキサポ」は、自己負担0円(※)から始められるため、気軽に選べる方法です。
私たちアキサポは、空き家を専門に取り扱ってきたノウハウから、所有者様に最適なプランをご提案します。予算がネックになっている場合は、ぜひ一度ご相談ください。
※建物の状況等によっては、一部費用のご負担をお願いする場合がございます。