公開日:2021.02.18 更新日:2024.08.21
空き家の使い道にお悩みの方必見!気になるお金の話や活用事例について
日本では空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)が継続的に増加している事実が示すとおり、空き家の使い道についてお悩みの方は多いでしょう。
そもそも自分の所有する空き家にはどんな使い道がベストなのかが分からず、空き家のまま放置しているケースも少なくありません。
そこで今回は、空き家活用の専門家として数多くのお悩みに応えてきた私たち「アキサポ」が、空き家の現状と課題に踏まえて、使い道別のメリット・デメリット、活用事例などを分かりやすく解説します。
空き家の現状と問題
空き家の使い道はさまざまですが、日本における空き家の現状と課題を知ることで「リスクマネジメント」「適切な活用方法」などを解き明かすヒントを得られます。
そこで、具体的なデータを交えながら、まずは空き家の現状を詳しく見ていきましょう。
空き家が抱える問題・リスク
日本の空き家率は1958年以降、増加の一途をたどり、2018年にはおよそ850万戸もの空き家が確認されています。
【空き家数および空き家率の推移-全国(1958年~2018年)】
空き家は衛生・災害・犯罪などさまざまなトラブルの温床となるため、増加する空き家率と合わせて通称「空き家問題」と呼ばれ、社会問題化していることをご存じの方も多いでしょう。
【空き家が抱える代表的な問題点・リスク】
・景観の悪化…草木が荒れ放題になり、景観を損ねる
・悪臭や環境汚染…不衛生な環境のため悪臭や汚染を引き起こす
・災害発生の原因となる…家屋の損壊などにより災害を引き起こす
・犯罪行為に用いられる…不法侵入や放火、窃盗など多種多様な犯罪の温床となる
ざっと挙げただけでも、空き家はこれだけ多くの問題点・リスクを抱えているわけですから社会問題化するのも当然でしょう。
そこで、政府としても空き家問題解決を目指し、2015年には「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行。
問題のある空き家を「特定空家」に指定し、助言・指導・強制執行などが行えるよう法整備を整え、今なお改善に向けて取り組んでいますが、劇的な改善には至っていません。
やはり外部からの対策だけでなく、空き家の所有者それぞれが適切な管理を行い、活用していくことが、空き家問題解決の大きなカギとなります。
相続した家の使い道に関する現状
多くの空き家は、親や親族から家を相続したものの、使い道が定まらずそのまま所有しているパターンで生み出されています。
では実際に「相続した家の使い道がどうなっているか?」について、あるデータをもとに現状を見てみましょう。
上記は「LIFULL HOME’S PRESS」がおよそ500人に対して行った、「相続した家はその後どうしたのか?」という質問に対する調査結果をまとめたものです。
注目すべきは「家がある状態でそのまま使用せずに所有している」の項目。
この項目に該当する家は空き家状態であることを示していますが、相続後の家は実に17%近くが空き家状態になっているとの回答でした。
さらに、「更地にした状態でそのまま使用せず所有している」という回答も、使い道が定まっていないケースに分類されますから、空き家状態の家と合わせて20%以上が相続した家を有効活用できていないことが分かります。
もちろん空き家に至るパターンは多種多様ですが、相続した家が空き家増加の大きな要因のひとつであることは確かでしょう。
空き家の使い道はこんなにも!活用方法まとめ
ここでは、空き家の具体的な使い道を紹介するとともに、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
自分が住む
所有している空き家に持ち主自身が住むパターンです。
多額の金額がかかるマイホームや、毎月の家賃が必要となる賃貸物件とは異なり、実家を相続した場合などには特段のお金をかけずに住まいを手に入れられるため「金銭的な負担が少ない」点が大きなメリットといえるでしょう。
とはいえ、空き家の中には建物や設備が老朽化しているケースも多々あるため、安全・快適に生活できるようリフォームを行う場合にはそれなりの費用が発生します。
また、あくまで自分たちの住まいとしての使い道ですから、第三者への提供とは異なり、収入を生み出さない点はある意味デメリットといえるかもしれません。
売却する
空き家を売却するメリットは主に以下の三点です。
・現金収入を得られる
・維持費(税金など)がかからなくなる
・管理・維持の手間がなくなる
現金収入についてはケースバイケースであるため必ずしも得をするとは限りませんが、少なくとも管理・維持の手間や費用がなくなる点は売却のメリットでしょう。
逆に、空き家を売却する場合には以下のようなデメリットがあります。
・資産を失ってしまう
・すぐに売却できないことも
・売却にあたって手間や諸費用がかかる
・時期によって売却額が異なる
・売却するためにリノベーションや修繕が必要になる場合がある
空き家はある程度高額の資産ですから、「売る」といってもすぐに売却できるとは限りません。
あくまで買い手がいてこそ成立するため、なかなか買い手が付かないこともありますし、価格が常に変動する傾向を持つ不動産という特性上、タイミングによって売却額が異なる点にも注意が必要です。
また、売却時には印紙税・測量費・仲介手数料といった諸費用が発生するだけでなく、魅力的な物件に仕上げるためにリノベーションや修繕を行う場合には、当然それなりの費用がかかります。
これらの点にくわえ、売却してしまうと自分の手を完全に離れてしまうことになるわけですから、将来的に賃貸物件として活用したり、子供に資産を譲り渡したりするような機会が失われることもあらかじめ認識しておく必要があるでしょう。
第三者に貸し出す
空き家を第三者に貸し出すというこの方法は、「近年日本で特に人気が高い空き家の使い道」です。
まずは他の使い道と同じく、メリットからご紹介しましょう。
・選択肢が豊富なため、ひとつひとつの空き家に合った活用方法を選べる
・継続的な家賃収入を得られる
・資産を手元に残すことで、将来的な活用の幅が広がる
・倒壊や周辺環境への悪影響・犯罪トラブルなどを軽減できる
何と言っても、空き家を第三者に貸し出す大きなメリットとして外せないのが「選択肢の豊富さ」でしょう。
住居用の賃貸だけでなく、貸店舗、シェアキッチン、シェアハウス、民泊、貸倉庫など、空き家の立地や設備の特性に合わせて相性の良い使い道を選ぶことが可能です。
自分で住む場合はもちろん、売却という使い道ではこのように豊富な選択肢が用意されていませんので、まさに独自の強みといえるでしょう。
また、第三者への貸し出すことにより、資産を手元に残した状態で継続的な収入を得られますので、「収入+将来的な資産の有効活用」という一石二鳥のメリットが生まれる点も見逃せません。
さらに、空き家の大きなリスクである倒壊・周辺環境への悪影響・犯罪トラブルなどについては「人の出入りが少なく、管理が行き届いていない」ことが大きな原因ですから、第三者が入居している以上、これらのリスクを大幅に軽減できるメリットもあります。
一方で、第三者に貸し出すという使い道には以下のようなデメリットが存在しています。
・リノベーションや修繕に費用がかかる
・各工程で業者選びに手間がかかる
・ニーズに合わない費用をかけてしまう
ここ最近の空き家活用では、「リノベーションを行った空き家を活用する」スタイルが主流です。
しかし、リノベーションには数百万円を超える費用が発生することも多く、費用の問題で空き家活用に踏み出せていない所有者がいるのもまた事実。
さらに、物件の現状分析、適切な活用方法やリノベーションの内容を決定するためのプランニング、入居者の募集など、各工程で業者選びの手間がかかる点もネックのひとつです。
ところが、こうした「空き家活用特有のデメリット・懸念点」をカバーし、手間や費用を抑えて空き家活用が行えるサービスが存在しているのをご存じでしょうか?
私たち「アキサポ」でも、空き家活用において大きなネックであったコスト面の軽減だけでなく、ひとつひとつの空き家にマッチした最適な活用を実施するため、以下のようなサポートを提供しています。
・物件の周辺環境や立地条件など現地調査を実施
・調査に基づき、リノベーション・活用プランを提案
・全額費用負担でリノベーション工事を実施
・賃借人・利用者の募集まで行う
「第三者に貸し出す」メリットはそのままに、デメリットをカバーして空き家活用を始められるため、費用や手間の問題で空き家活用に乗り出せていない方には特におすすめです。
知っておきたい空き家のお金事情
空き家はさまざまな使い道が用意されている価値ある資産ですが、管理・維持に費用がかかるのも事実です。
そこで、具体的な金額を交えながら空き家のリアルなお金事情を見ていきましょう。
まずは空き家の代表的な維持・管理費用を以下にまとめました。
・固定資産税(数万円~数十万円/年)
・都市計画税(数万円~数十万円/年)
・火災保険(数万円~数十万円/年)
・水道光熱費(数千円~数万円/年)
・修繕・リノベーション費用(業者に依頼すると数万~数百万円)
固定資産税・都市計画税(所有する土地・建物が市街化区域内に位置している場合が対象)といった税金は、人が住んでいない空き家でも必須の費用ですが、適切な管理のためにはその他にもさまざまな費用がかかることが分かります。
管理を怠り空き家を放置してしまうと、倒壊や周辺環境に悪影響を及ぼすリスクが高まるだけでなく、「特定空家」に指定された場合には固定資産税が最大で6倍、都市計画税が3倍にまで跳ね上がってしまう可能性がありますので、管理・維持にある程度お金がかかるのは致し方ないといえるかもしれません。
空き家を活用したほうがお得な理由
前述のとおり、たとえ人が住んでおらず、活用されていない空き家であっても管理・維持にそれなりのお金がかかるのが現実です。
つまり空き家は、確かに不動産という立派な資産ではあるものの、使い道が定まらず、放置しているだけでは「出費だけが増えてしまい、単純に損」といえるわけですね。
逆に、ここ最近人気の高い「リノベーションして活用するタイプの空き家活用」に乗り出せば、不動産独自の資産価値を引き出せるだけでなく、空き家が抱えるリスクを同時に軽減できるようにもなるでしょう。
空き家の活用事例から新たな可能性を見つけよう!
さまざまな空き家の使い道に関する選択肢の中でも、ここ最近特に人気が高い「リノベーションした空き家を第三者に貸し出す」スタイル。
活用方法が豊富である点はすでにご紹介したとおりですが、より具体的なイメージを高めてもらうためにも、これまでにアキサポが手掛けた空き家活用事例をここでいくつかご紹介することにしましょう。
公民連携で設立されたシェアキッチン
手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫ら著名な漫画家が居住していたことで知られる「トキワ荘」があった街、豊島区南長崎で、住民たちの要望を受けて生まれたシェアキッチン(コマワリキッチン)の事例です。
こちらは豊島区による「創業チャレンジ支援施設開設事業補助金プロジェクト」に採択され、東京23区では初の公民連携で設立された起業支援型施設として、地元商店街・地域でまちづくりを行う人たちと連携を取ったプロモーションも実施されました。
オープン以降はシェアキッチンとしての利用はもちろん、地域交流の拠点となっているだけでなく、プロによる起業塾をはじめとした創業サポートなど、多種多様な形で活用されています。
築年数不明の木造長屋→カフェバルに変身
築年数は不明ですが、少なくとも昭和34年以前に建てられた3棟連なる木造長屋の活用事例です。
8坪の小さな住居スペースは築年数の増加に伴い老朽化が進んでいましたが、「近隣住民からの気軽に飲める場が欲しい」という希望と「カフェバルを創業したいという若者のニーズ」が見事にマッチ。
現在では、昼も夜も近隣住民で賑わう繁盛店となりました。
不法投棄が続く空き家→バイクガレージに活用
築30年の木造平屋倉庫の活用事例です。
こちらの物件はシャッターもなく長年雨風に晒されるともに、不法投棄に悩まされていました。
そこで視認性の悪さを逆手に取り、リノベーションを加えることで、安心して利用できるバイクガレージに生まれ変わりました。
築52年の旧社宅→シェアオフィスへ
築52年の鉄筋コンクリート造陸屋根4階建構造物件の活用事例です。
地上4階建のこちらの物件は元々、社宅として用いられていましたが、ビジネス・カルチャーの発信源である渋谷という立地を活かし、シェアオフィスに生まれ変わりました。
デザイン性・機能性を両立したリノベーションにより、現在ではクリエイター向けのシェアオフィスとして活用されています。
空き家の使い道に困ったら専門家に相談
空き家の使い道は多種多様であるとはいえ、自分自身の物件にマッチした適切な使い道を見極めるのは簡単ではありません。
使い道を見極めるうえで大切なのは、最初の段階として欠かせない「現状分析」「プランニング」ですから、自分自身で判断する前にまずは専門家に相談してみるのがベストでしょう。
アキサポではこれまで、空き家に関する多くの悩みをお聞きするとともに、多種多様な活用をお手伝いしてきました。
ひとりひとりの要望やお悩みを踏まえながら、現状分析、リノベーション・活用プランの提案、全額費用負担でのリノベーション工事実施、賃借人・利用者の募集に至るまで、幅広いサービスをカバーしていますので、ぜひ一度ご相談ください。